ブロガー効果や、ネット予約で集客に成功!外国人シェフの採用で接客力もアップ

接客の語学レベル向上のために外国人シェフを採用したり、SNSへの投稿を促進する企画を実施したりと、積極的にインバウンド応対を進める「みやざき館」。その取り組みにフォーカス!

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Vol.64

宮崎牛・鉄板焼ステーキ みやざき館(大阪・心斎橋)

コース提供の前に、苦手な食材やアレルギー、焼き加減、追加注文などを確認。指差し確認も可能なシートを用意する

外国人ブロガーを招き、口コミ効果を最大限に活用

 JA宮崎経済連のグループ会社、株式会社ミヤチクが運営する宮崎牛専門店。牛の肥育から手がける強みを活かし、「生産者の想いを伝えるレストラン」として宮崎県内の4店舗に加え、福岡にも出店。大阪・心斎橋には2014年9月オープン。「外国人が数多く訪れ、世界に『宮崎牛』を発信できる場所です」と店長の櫻井徹弥氏は話す。

 来店客のうち、外国人は約65%(うち9割が中国・香港・台湾・韓国から)。インバウンドの集客を本格的に始めたのは2015年で、まずは台湾のパワーブロガーを招聘。それに合わせてFacebookの中国語ページを開設し、海外のガイドブックやクーポンサイトにも広告を出稿した。「なかでも一番費用対効果が高かったのは、ブロガーです。公開後、すぐに台湾からの観光客が増えました」(櫻井氏)。その後も台湾のブロガー3名を招き、最近では韓国人ブロガーが記事をアップしたところ、韓国からの観光客も目に見えて増加したという。

外国人への説明が難しいタレや薬味は、説明用シートでわかりやすく紹介。日本人にとっても珍しい、出汁を入れるガーリックライスの食べ方もこれで簡単に説明ができる

 一方、集客と同時に、外国語メニューブックの作成にも着手。「最初に英語版、続いて中国語版を作り、留学生スタッフに細部のニュアンスをチェックしてもらって、ブラッシュアップさせています」と櫻井氏。今春には韓国語版も用意する予定だ。さらに、接客の語学レベル向上のため、2017年末にイギリスと台湾のシェフ2名を採用。通常の業務以外に、日本人シェフへの語学講師としても活躍している。「海外のお客様はシェフと会話したいという方が多いですし、私たちも宮崎牛のよさをしっかりお伝えして、おいしさを知ってもらいたいという気持ちがあります」(櫻井氏)。現在、外国人客用の接客ツールや翻訳アプリなども使い、日本人のシェフも不自由なく応対できるようになっている。

自社サイトが外国語に未対応のため、主にインバウンドに対しては、「ぐるなび外国語版」へ誘導。コース料理も1皿1皿、内容をていねいに説明している

 また、口コミ対策として大きな反響を得たのが「炎の動画アップ」企画。これは、シェフが鉄板でフランベする動画をSNSに投稿してくれた人に、特製ポークジャーキーをプレゼントするというもの。予想を超える反響で、現在はさらに別の企画も準備している。

 販促面では、「ぐるなび外国語版」に加盟し、インバウンド向けサイトとして活用。事前決済型の「ぐるなび外国版ネット予約」はノーショーのリスク回避にもつながり、現在、Webを通じて台湾や中国から毎月10組前後の予約が入っている。今後は、店内に置かれた肉のショーケースを店外からも見えるように改装する予定で、フリーの外国人客の獲得にも注力していく。

イセエビの入った水槽や肉のショーケース、宮崎牛の銅像は人気の記念撮影スポット。多くの外国人客が撮影し、SNSなどへ投稿している
  • フランベはコースのハイライトのひとつ。今後は、カウンターの内側から、フランベするシーンと来店客を撮影し、その場でプリントアウトした写真を額に入れてプレゼントする予定だ
  • 入口には、トリップアドバイザーとぐるなびのステッカーで、外国語メニューブックがあることをアピール。クレジットカードやWi-Fiのものも貼付
宮崎牛・鉄板焼ステーキ みやざき館(大阪・心斎橋)
大阪府大阪市中央区心斎橋筋2-1-32 isビル1F
https://r.gnavi.co.jp/gdf8ffyg0000/
大阪随一の繁華街・心斎橋エリアでも、飲食店が集中する一画。肉はすべて宮崎牛の4等級以上。全席に鉄板があり、目の前で焼き上げるライブ感が好評だ。日本人客は、記念日や接待での利用が多い。
店長 櫻井 徹弥 氏
宮崎県出身。福岡の調理師専門学校卒業後、ホテルの厨房で研鑽を重ね、現在の会社へ。福岡と宮崎で勤務して2017年、大阪店の店長に。マネジメント業務を中心に行い、シェフとして調理にたずさわることも。

インバウンドとは?
「海外から日本へやってくる外国人旅客」のこと。2013年には1,000万人、2016年には2,000万人を突破。2018年はついに3,000万人の大台に達し、過去最高の3,119万2,000人を記録。政府が2016年3月に発表した目標数は、2020年に4,000万人、2030年に6,000万人。今後も増加が予想されるインバウンドの集客は、飲食店にとって重要な課題のひとつになっている。

2018年の訪日外国人数は3,119万2,000人!前年比8.7%増で過去最高を更新!

 去る1月16日、日本政府観光局(JNTO)より、2018年の訪日外国人数(年間推計値)が発表された。2018年は前年比8.7%増の3,119万2,000人となり、JNTOが統計を取り始めた1964年以降最多(2017年は2,869万1,000人)、初めて3千万人の大台を突破した。近年、訪日外国人数が右肩上がりで増えている要因には、航空路線の拡充、クルーズ船寄港数の増加、ビザ緩和、従来からの継続的な訪日プロモーションなど、様々な要因が複合的に関係していると考えられる。

 豪雨や台風などの自然災害により、東アジア市場(各国)を中心に旅行控えが目立つシーズンもあったが、2018年末には回復。東南アジアでは各市場における訪日旅行プロモーションが訪日需要を生み、欧米やオーストラリアについては好調なクルーズ船需要やグローバルキャンペーンの実施により、1年を通じて好調に推移した。

 国・地域別に見ると、中国が838万人でトップ。全市場で初めて800万人台に到達。次いで韓国の753万9,000人、台湾の475万7,000人。香港の220万8,000人と続く。この東アジア4市場の合計で、全体の約73.4%を占め、訪日外国人の約4分の3は、東アジアから来ていることがわかる。ちなみに5位はアメリカで152万7,000人。次いでタイの113万2,000人。結果として20市場中、香港を除く19市場で過去最高を記録。タイは東南アジア市場で初めて100万人を突破した。

ぐるなびによる訪日促進サイト Japan Trend Ranking

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 「行ってみたい日本、もう一度行きたい日本へ」をコンセプトに、日本の今の魅力を伝えるWebサイト。日本全国約50万件の飲食店情報と、各地の自治体・生産者・シェフとのネットワークを有するぐるなび独自の情報を駆使し、海外や外国人に対して正しい日本食や食文化を発信。日本への興味・関心を高め、海外における“日本のファン”づくりを狙い、訪日外国人観光客のさらなる拡大を目指している。

 サイトでは、日本の伝統料理やご当地グルメなどといった「食」全般のほか、文化、観光、ショッピングなど、日本の新たな魅力を発見できる“トレンドニュースまとめサイト”として情報を発信。「ぐるなび外国語版」「LIVE JAPAN」ともリンクし、店舗ページの閲覧も促進している。

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