【Part1】Special Interview チョコレートアートの先駆者として、その魅力を広く発信していきたい
イタリアンのシェフとして活躍した後、現在は「チョコレートアーティスト」として活動する澤田氏。そのきっかけやこだわり、今後の展望を伺った。
https://chocopen-art.com
チョコレートアーティストになったきっかけを教えてください。
私の両親は共働きで、小さい頃から夜遅くなる母の代わりに自分でよく料理を作っていました。そのうち、本格的に料理人の道を目指したいと思うようになったのです。上京して調理師専門学校で学んだ後、東京の有名な老舗イタリアンやシチリア島での修業を経て、地元・愛知県の様々なレストランでシェフとして働くようになりました。
イタリアンの店では、フレンチのようにパティシエがいることはまれ。デザートもシェフが担当することが多く、幼少から高校生まで習字を習い続けていた私は、字を書くのが得意だったため、バースデープレートを担当するようになりました。そこで、チョコレートで描いた文字や絵を喜んでくれるお客様を見るのがとてもうれしくて、徐々にのめり込んでいきました。
その後、先輩が開業した店に移ったのですが、そこでもチョコレートを使った作品が人気を集めるように。ただ、先輩が作る料理はすばらしいのに、私のプレートばかりが注目される。そのことに葛藤を覚え、30歳を節目に「チョコレートアーティスト」として独立することを決意したのです。
本格的に活動を始めた今、どのようなことに取り組んでいますか?
独立後しばらくは、各種プレート製作などの依頼を受けながら、並行してホテルにシェフとして勤務していました。そんな時、知人の実業家から紹介されたのがおはぎ専門店の「OHAGI3」。日本のおはぎを世界に発信するというコンセプトを掲げて愛知・名古屋で店舗展開しているのですが、そこでメニュー開発などができる人材を求めていると聞き、すぐさま手を挙げ、商品のプロディースなどに関わっています。
現在でも記念日や似顔絵プレートの製作は一部受けていますが、チョコレートアートに興味を持っていただいた企業とのコラボレーションやイベントの参加依頼が徐々に増え、飲食店のメニュー開発、チョコレートアート指導などが活動の中心になっています。
今後のビジョンや展望について考えていることを教えてください。
直近では、廃校になった学校の校舎を利用し、名古屋駅近くに今年の秋オープンする予定のベンチャー企業育成施設「なごのキャンパス」において、「OHAGI3」のプロデューサーとして、施設内にできる社員食堂を手がける予定です。このほかにも、海外(イタリア)や東京などを含め、企業との様々なプロジェクトがいくつか進行しています。今後はこうした活動を通じて、“チョコレートアーティストの先駆者”として、その魅力を広く発信していきたいと思っています。以前はチョコレートでリアルな絵を描くことが多かったのですが、最近はシンプルに、短い時間で描けて、多くの人の心に響くものをより追求しています。
また、自分の名前や活動をブランディングし、いずれは店を持ちたいですね。例えば、チョコレートアートを施した小倉トーストを出す純喫茶など、アーティストとしてのノウハウを盛り込みながら、愛知や名古屋の食文化をもっと魅力的に伝えていきたいと考えています。