2011/07/05 特集

シェフの見せ場!商品価値の高め方

外食の魅力は数あれど、その筆頭は「プロならではの料理や盛り付け」ではないだろうか。味やビジュアルの良さはもちろん、客のリクエストへの臨機応変なアレンジ、食材の使い方や飾りつけなど、シェフの活躍が顧客満足度を左右するといっても過言ではない。様々な方法で商品価値を高め、より多くのリピーターを獲得しよう。

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外食の魅力は数あれど、その筆頭は「プロならではの料理や盛り付け」ではないだろうか。味やビジュアルの良さはもちろん、客のリクエストへの臨機応変なアレンジ、食材の使い方や飾りつけなど、シェフの活躍が顧客満足度を左右するといっても過言ではない。様々な方法で商品価値を高め、より多くのリピーターを獲得しよう。

「新メニュー」を定番から生み出し、激戦区で〝忘れられない店〟へ躍進!

滋賀・草津 自然酒菜 FUNEYA

話題の「ニクジャガ!!?」。下にしょうゆベースのあんを敷いて、味のバランスを整えている

肉じゃがらしくない「ニクジャガ!!?」が好評

看板メニューのひとつの「ニクジャガ!!?」は、見た目は球状のフライだが、食べれば正真正銘、肉じゃがの味。フライ部分のパリパリ感が新たな食感を加えているのも特徴だ。

オーナーで料理全般も統括する髙橋昭良氏は、「通年で提供でき、食材による味のブレもなく、かつ強烈なインパクトのあるメニューを開発したかった」と、「ニクジャガ!!?」誕生の秘話を語る。当時、滋賀県守山市にあった店は、県内の飲食激戦区・草津駅前へのリニューアル移転を控えていた。そのため、新メニューの開発は勝ち抜くために必須の課題。スタッフ全員で知恵を出し合い、山ほどの試作を重ねた。その結果、「斬新さのなかに、定番メニューのエッセンスをいかに取り込むか」という発想から生み出されたのが、肉じゃがらしくない「ニクジャガ!!?」だった。

「最も苦労したのは、外側のジャガイモ部分。なかなかうまくいかず、一度は諦めかけましたが、ダメもとで使ってみた解凍後の生のフライドポテトがうまくフィットしました」と髙橋氏。また、調理時間を細かく計ってデータもとった。オペレーションを圧迫しないため、誰が作っても同じ仕上がりになること、揚げる前は冷凍保存が可能なことも克服したい条件だったが、見事にクリア。端肉を利用できることから、食材のロス削減にも貢献した。

中はニンジン、タマネギ、糸コンニャク、牛肉。それを解凍済フライドポテトで包んで揚げる
メニューブックでも「店長オススメ」と銘打ち、強力にアピール

並行して、「肉じゃがを包み込んだパイ」も開発。こちらもしょうゆベースの肉じゃがとパイ生地が予想外の好マッチングを見せた一品だ。

両メニューは「これが肉じゃが!?」と感嘆の声があがるなど、ファーストインプレッションと話題性は抜群。また、「ニクジャガ!!?」の新食感と、パイ包みのサクサク感も人気を集め、女性客を中心にオーダーが急増。予約の段階で「ニクジャガ!!?」をキープする客もいるという。

「今後は、老若男女にまんべんなくオーダーしてもらえる、さらに強力なメニューを開発したい」と語る髙橋氏。年に1、2回はスタッフ同士でコンペを実施し、印象に残る店作りにさらに磨きをかけていく予定だ。

「肉じゃがを包み込んだパイ」。パイ生地はバターが練り込まれていないものを使用
こちらは豚肉の肉じゃが。各具材は、口の中でゴロゴロしないように薄切りにしてある
自然酒菜 FUNEYA
滋賀県草津市大路1-7-1
リーデンスタワー111 1F
http://r.gnavi.co.jp/ka3d901/舟盛りをテーマにした店づくりと、「iPod touch」を利用したオーダーシステムや、オリジナルメニューで差別化を図る。スタイリッシュかつ落ち着ける内装も見どころ

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