2021/04/13 特集

子ども連れファミリーの心をつかむ! 空間、サービス、メニューの配慮で集客アップ(5ページ目)

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子ども大歓迎のキッズ・デーを設け、本格フレンチの食育体験を提供

l'Odorante par Minoru Nakijin【東京・銀座】

0歳でも同伴可能。子ども連れに優しい時間帯

 繊細なフランス料理と上質な空間、行き届いたサービスに魅せられた多くのファンを持つ「l'Odorante par Minoru Nakijin」。通常営業で子ども同伴の場合は、テーブルマナーをある程度理解できていることや、大人と同じコースのオーダーなどを前提としている。一方で、オーナーシェフの今帰仁実氏は「小さなお子様も含めて、家族みんなでフランス料理を楽しめる機会を作りたい」という思いも強い。自身もかつて、子どもの年齢を理由にレストランを利用できず、残念な思いをしたことがある。

 そこで、10年ほど前に始めたのが「キッズ・デー」だ。毎月初めの土・日曜日のランチタイムを、小さな子どもとの来店を歓迎する時間帯とし、子どもの料理を大人のランチコース(5,500円)よりもリーズナブルに設定。まだ料理を食べられない乳幼児の同伴も歓迎しており、ミルクや離乳食の持ち込みもOKにしている。

キッズ・デーに提供するランチコースの一例(2,750円)。素材も量も器もすべて大人と同じで、見た目にも美しい本物のフレンチ体験を子どもたちに届ける。写真は「白カブのポタージュ」(手前)、前菜「海の幸のパテ」(右)、メイン「寒ビラメの蒸焼き 九条葱とともに」(左)、デザート「ほうじ茶のプリン」(上)

 子どもに提供するコースは、素材や量、器やカトラリーに至るまで、特別なアレンジを一切しない、大人と同じ内容。今帰仁氏は「料理も空間も本来のありようを体験することが、食育として意味がある」と、その理由を語る。キッズ・デーに来店する子どもは0~6歳ごろまでさまざまで、2歳ごろからコースのオーダーがある。仮に子どもが完食できなくても、離席して遊び始めても、「それらも含めて、家族の思い出の一つ。気兼ねなく、良い時間を過ごしていただきたい」(今帰仁氏)。ベビーカーの持ち込みや、退屈し始めた子どもへのアプローチなど、サービス面でも通常営業とは異なる対応が必要になるが、臨機応変に心を配っている。

他の席との間隔も空いており、小さな子どもと一緒でも気兼ねなく過ごせる

 もちろん、子ども連れでないゲストへの配慮も欠かさず、キッズ・デーに予約が入った場合は、事前に子どもの来店があることを説明し、了承を得るようにしている。「キッズ・デーが再来店のきっかけになれば、うれしいですね」と微笑む今帰仁氏。子ども連れに優しいこの取り組みは、今後も続けていく予定だ。

店のホームページやFacebookで、キッズ・デーを案内。家族の記念日を子どもと一緒に過ごそうと利用するケースも少なくない
l'Odorante par Minoru Nakijin【東京・銀座】
東京都中央区銀座7-7-19 ニューセンタービルB1F
2008年オープン。季節のうつろいを映したフランス料理を、ランチ、ディナーともおまかせコースのみで提供。洗練された空間で、ワイン会、日本酒会なども開催している。
オーナーシェフ 今帰仁(なきじん)実氏
フランス料理の奥深さに魅了され渡仏。バスク、コートダジュールなどのレストランで3年間修業を積み、帰国後、「l'Odorante par Minoru Nakijin」を開業。

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