2021/04/13 特集

ファミリー層の集客で成功した飲食店がやっている3つのノウハウ

小さな子どもを持つ親にとって外食のハードルは高く、子どもの年齢によっては選べる店も限られる。親も子どもも楽しく、安心して食事ができるように工夫し、集客や満足度アップにつなげている店にスポットを当てる。

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更新日:2023.12.28

小さな子どもを持つ親にとって外食のハードルは高く、子どもの年齢によっては選べる店も限られてくる。親も子どもも楽しく、安心して食事ができるように工夫し、集客や満足度アップにつなげている店にスポットを当て、「母親の経験を生かした店づくり」「体験イベントの実施」「子供大歓迎のキッズデーを設定」という3つのノウハウを紹介する。

目次
母親としての経験を空間や接客に生かして親がくつろげる店に
 「CoCoLabo」(千葉・柏)

親子で楽しめる、食育もからめたパスタ作り体験が好評
 「オステリア ダ アダ」(東京・銀座)

子ども大歓迎のキッズ・デーを設け、本格フレンチの食育体験を提供
 「l'Odorante par Minoru Nakijin」(東京・銀座)

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母親としての経験を空間や接客に生かして親がくつろげる店に

CoCoLabo(千葉・柏)
千葉県柏市中央町6-18 1F
https://r.gnavi.co.jp/cuv3mwbr0000/
JR柏駅から徒歩6分の大通り沿いに立地。近隣には幼稚園や産婦人科医院があり、子ども連れも多く来店。テイクアウトでも2種類の「Kids弁当」を販売している。

子どもの年齢に合わせた2種類のスペースを用意

 「子育て応援」をコンセプトに掲げて、2017年7月、千葉・柏の幹線道路沿いにオープンしたダイニングカフェ「CoCoLabo」。「お子さんを連れたお母さんが、できるだけストレスを感じずに外食できるような店にしたいと考えました」と語るのは、現在、6歳の子どもの母親でもあるマネージャーの竹村真弓氏。ベビーカーでも気軽に来店してほしいと考え、テーブルの間隔に余裕を持たせるほか、キッズスペースには0~1歳の赤ちゃん専用の「ベビーエリア」を併設。「赤ちゃんとそれ以上のお子さんが同じ場所にいるとケガなどの原因になるので、エリアを分けました」と竹村氏。さらに、店内3カ所に設置したモニターには、子ども向けの映像を流しており、来店客からの要望に応じて、映像の変更にも対応している。加えて、キッズスペースの奥にはおむつ交換台を備えた授乳室があり、鍵をかけて入れるのでゆっくり安心しておむつ替えや授乳ができると好評だ。

キッズスペースは、0~1歳用のベビーエリア(右)と2歳以上のエリア(左)に分かれており、それぞれの年齢に適したおもちゃが置かれている。モニターでは子ども向けの映像を流している
  • ベビーエリアには、チェーンや工具など、乳幼児が興味を持つアイテムを壁に付けている
  • 鍵付きの授乳室の中には、おむつ替えの台や使用済みのおむつ用のごみ箱も用意している

 また、キッズメニューは「ハンバーグプレート」と「カレーライスプレート」(各510円)、「和風だしうどん」(450円)の3種を用意し、全てにドリンクが付く。「お子さんによってアレルギーや好き嫌いがあるので、各メニューに使っているアレルギー物質を表示するほか、離乳食の持ち込みもOKにしています。『子どもに分けて食べさせたいので、自分のご飯を大盛にしたい』といった要望にも柔軟に対応しています」と竹村氏は語る。このほか、自家製ワッフルやアイスが入ったデザートの「サプライズプレート」(880円)は、子どもの誕生日のお祝いに利用する人も多いという。

未就学児を中心に人気の「ハンバーグプレート」。子どもにアレルギーがある場合には、使う食材などを柔軟に変更している

 オープン後、「子育て応援」という明確なコンセプトが話題となり、地元誌や地域の子ども連れ向け飲食店を紹介する冊子にも掲載され、認知度がアップ。ぐるなびやSNSでメニューや子ども向けのサービスをアピールしたこともあり、地元の子育て世代を中心に次第にリピーターが増加。昼は乳幼児を連れた20~30代の女性、夜はファミリーの集客に成功している。今後はスタンプカードの作成も検討しており、子ども連れに喜ばれる特典を付けてリピーター獲得につなげたいと考えている。

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マネージャー 竹村 真弓氏
オーナーの夫とともに地域に根付いた店づくりを進める。6歳の男の子の母親でもあり、自身の子育ての経験をサービスに生かしてファンを獲得。

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親子で楽しめる、食育もからめたパスタ作り体験が好評

オステリア ダ アダ(東京・銀座)
東京都中央区銀座6-4-3 GICROS GINZA GEMS 4F
https://r.gnavi.co.jp/g030204/
イタリア郷土料理の店を手掛ける株式会社ミキインターナショナルが手がけるヴェネツィア料理店。現地の食器や調度品で本場の雰囲気を再現。直輸入ワインも売り。

コック帽や認定証授与など親も子も喜ぶ工夫が満載!

 2019年11月、東京・銀座駅近くの飲食店ビル4階にオープンしたイタリア料理店。テーブル席や個室(8~10人用)、立ち飲みスペースなどを備え、平日はビジネス層や女性グループ、週末はファミリーを集客。「ベビーカーがスムーズに通れるように店内の動線を広く確保しており、ビル内のトイレにはおむつ替えの台があるので、小さいお子さまを連れた方も多いです」と、支配人の谷川貢司氏。ただ、「子どもにも、大人と同じ味に触れてほしい」(谷川氏)という思いから、子ども用メニューはあえて作っておらず、「自家製ミートコロッケ バーカロ風」(1個280円)などをおすすめしている。

「食育★パスタ作り体験」のチラシ。これをきっかけに初めて来店する人も少なくない

 そんな「オステリア ダ アダ」が、2020年から開催しているのが、4歳から小学生までを対象とした「食育★パスタ作り体験」(子ども1人2,500円、同伴の大人は2,500円のランチコースを要予約)だ。子どもにパスタとグリッシーニ(スティック状の細長いパン)の生地を伸ばして成型する工程を体験してもらった後、それを店が調理してパスタランチを楽しむ、という内容。「定期開催ではなく、お客様からのリクエスト予約を受けて実施しています。開催時間はランチタイムのみで、体験と食事を合わせて約2時間。1週間前までにお申し込みいただき、事前にお子さまのアレルギーの有無などを確認しています」と、谷川氏は語る。

①ユニフォームを着てスタート!

参加する子どもにコック帽とコックコート(サイズは3種)を着てもらってから調理を開始
②パスタとグリッシーニを手作り

伸ばした生地を、リボン型のファルファッレや耳たぶ型のオレキエッテに成型。

 当日は、子どもにコック帽とコックコートを貸し出し、テーブル席を数卓使ってグリッシーニとパスタの生地作りの工程を体験。そして、厨房で調理を行っている間、個室に移動し、食材や調理に関して学ぶ“授業”をスタッフが行う。手作りの資料や店で使う塊肉を見せるなどして、食材や栄養素などについて楽しく学べるよう工夫を凝らしている。その後、完成した料理を実食。「お子さまには少し量が多いので、食べきれない場合は持ち帰りにも対応しています」(谷川氏)。食後には、「パスタ作り名人認定書」を授与し、記念撮影も行っている。

③“食の授業”を実施

成型したパスタとグリッシーニを厨房で調理。その間に独自の図表などを使って、食や栄養素について学ぶ
④完成した料理を堪能

完成した料理を実食。写真は、「自家製ファルファッレ 海老とブロッコリーのクリームソース」と「グリッシーニ」
⑥最後に認定書を贈呈

食事後に、「パスタ作り名人認定書」(写真)を授与し、記念撮影を行って終了

 この体験プランをぐるなびやSNSなどで発信したところ、コンスタントに申し込みを獲得。調理体験に参加した子どもが「またあの店に行きたい」と家族で再訪することもあり、集客アップへの効果を実感。今後は別の料理の調理体験も企画していく予定だ。

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支配人 谷川 貢司氏
系列のイタリア料理店の立ち上げなどに携わり、イタリア・ヴェネツィアでも修業。「オステリア ダ アダ」のオープン時から支配人を務める。

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子ども大歓迎のキッズ・デーを設け、本格フレンチの食育体験を提供

l'Odorante par Minoru Nakijin(東京・銀座)
東京都中央区銀座7-7-19 ニューセンタービルB1F
https://r.gnavi.co.jp/9apxt6ex0000/
2008年オープン。季節のうつろいを映したフランス料理を、ランチ、ディナーともおまかせコースのみで提供。洗練された空間で、ワイン会、日本酒会なども開催している。

0歳でも同伴可能。子ども連れに優しい時間帯

 繊細なフランス料理と上質な空間、行き届いたサービスに魅せられた多くのファンを持つ「l'Odorante par Minoru Nakijin」。通常営業で子ども同伴の場合は、テーブルマナーをある程度理解できていることや、大人と同じコースのオーダーなどを前提としている。一方で、オーナーシェフの今帰仁実氏は「小さなお子様も含めて、家族みんなでフランス料理を楽しめる機会を作りたい」という思いも強い。自身もかつて、子どもの年齢を理由にレストランを利用できず、残念な思いをしたことがある。

 そこで、10年ほど前に始めたのが「キッズ・デー」だ。毎月初めの土・日曜日のランチタイムを、小さな子どもとの来店を歓迎する時間帯とし、子どもの料理を大人のランチコース(5,500円)よりもリーズナブルに設定。まだ料理を食べられない乳幼児の同伴も歓迎しており、ミルクや離乳食の持ち込みもOKにしている。

キッズ・デーに提供するランチコースの一例(2,750円)。素材も量も器もすべて大人と同じで、見た目にも美しい本物のフレンチ体験を子どもたちに届ける。写真は「白カブのポタージュ」(手前)、前菜「海の幸のパテ」(右)、メイン「寒ビラメの蒸焼き 九条葱とともに」(左)、デザート「ほうじ茶のプリン」(上)

 子どもに提供するコースは、素材や量、器やカトラリーに至るまで、特別なアレンジを一切しない、大人と同じ内容。今帰仁氏は「料理も空間も本来のありようを体験することが、食育として意味がある」と、その理由を語る。キッズ・デーに来店する子どもは0~6歳ごろまでさまざまで、2歳ごろからコースのオーダーがある。仮に子どもが完食できなくても、離席して遊び始めても、「それらも含めて、家族の思い出の一つ。気兼ねなく、良い時間を過ごしていただきたい」(今帰仁氏)。ベビーカーの持ち込みや、退屈し始めた子どもへのアプローチなど、サービス面でも通常営業とは異なる対応が必要になるが、臨機応変に心を配っている。

他の席との間隔も空いており、小さな子どもと一緒でも気兼ねなく過ごせる

 もちろん、子ども連れでないゲストへの配慮も欠かさず、キッズ・デーに予約が入った場合は、事前に子どもの来店があることを説明し、了承を得るようにしている。「キッズ・デーが再来店のきっかけになれば、うれしいですね」と微笑む今帰仁氏。子ども連れに優しいこの取り組みは、今後も続けていく予定だ。

店のホームページやFacebookで、キッズ・デーを案内。家族の記念日を子どもと一緒に過ごそうと利用するケースも少なくない
オーナーシェフ 今帰仁(なきじん)実氏
フランス料理の奥深さに魅了され渡仏。バスク、コートダジュールなどのレストランで3年間修業を積み、帰国後、「l'Odorante par Minoru Nakijin」を開業。

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