2012/05/09 特集

おいしい料理写真の撮影レシピ(4ページ目)

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ポイント3 形をキレイに撮る

被写体からの距離が大切。離れて望遠ズームで歪みをなくす

明るさ(露出補正)と色合い(ホワイトバランス)の調整がいい感じで決まったら、最後は撮影位置を決めよう。そこで重要なのが、実は被写体からの距離感。

「コンパクトデジカメ内蔵のズームレンズは、電源を入れた状態では広角気味。広い範囲を写せる一方、近距離から撮ると画像に歪みが出ます。一つ一つの形状やサイズなどが大切な料理写真では、これは大問題。そこで、望遠へ『ズーム』しましょう。至近距離から広角で撮るのではなく、少し離れた場所から望遠寄りで撮れば、歪みの少ない画像が撮影できます」(斎藤氏)。

ズームと撮影位置に注意して撮ろう

複数のアイテムを1枚の写真に収める場合、一つ一つの形はもちろんだが、それぞれのサイズの対比も重要だ。例えばコース料理写真の場合、手前の前菜が大きく、奥の主菜が小さくては、お客はイメージが掴めないこともある。

広角で近寄る

広角のままで接近して撮影したため、パンもお皿も歪み、正確な形や、それぞれの大小がわからない失敗例。手前のパンがやたら大きく見える。

広角レンズでは四隅に行けばいくほど映像が歪みがち。これでは料理の正しいイメージが伝わらない

離れて望遠

同じパンを撮影する場合でも、被写体から少し離れて、そのうえで歪みの少ないズームレンズの望遠寄りを使えば、正確な形で美しく撮影できる

歪みが少なく、それぞれのパンの大きさも正確。一番おいしく見える斜め上から撮った点もポイント

上からの俯瞰ショットは立体感を伝えにくい

「料理を真上から撮る俯瞰写真は、斜め上からの写真が続く中で変化を出すには便利ですが、立体感がなくなり、模様のように見えてしまう面も。初心者には向きません」(斎藤氏)。

俯瞰

「離れてズーム」手法は部分アップにも有効

「食パン上のチョコチップなど、料理のある部分だけを強調したいときはクローズアップもあり。この場合も少し離れた位置からズームで撮るときれいです」(斎藤氏)。

クローズアップ

携帯電話のカメラでうまく撮影するには

進化する携帯電話のカメラ機能。最近はちょっとした撮影はこれですましてしまう人も増えてきた。

「注意したいのは、まず被写体に対して角度を付けすぎないこと。携帯電話はコンパクトデジカメ以上の広角レンズですので、少し上から撮っただけでも、歪んで写ってしまいます。よく『モノの臍(へそ)を探す』と言うのですが、撮影対象の重心を水平に見て撮影するといいでしょう」(斎藤氏)。

酒瓶を少し上方向から撮影。手前の口が強調されている
酒瓶と水平の方向から撮影。形がきれいに再現できた
撮影・監修
斎藤巧一郎 氏1968年鹿児島県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒。広告写真スタジオ勤務の後、フリーランスに。現在、広告写真を中心に雑誌、新聞などで撮影に携わる。人物写真、料理写真、広告物が中心。写真教室や専門学校の講師も務める。

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