※スマイラー121号(2026年4月)より転載
開かれた“狭い間口”に。一般ファンに刺さる戦略
高橋氏は飲食店経営をするつもりは全くなかったという。前職の会社が経営していた居酒屋が撤退することになり、安く譲り受けたのが現在のこの店だ。「将来的に何か事業をやりたいとは考えていたんですけど、特に何をやるか決めることもなく、ふたつ返事で引き受けたんです」。考えた結果、野球居酒屋に決めた。周囲からはほぼ全員反対されたが、「本当に好きなことを商売にしてやればある意味、踏ん張りもきくかなと」。
開業に当たって、既存の野球居酒屋をリサーチ。SNS活用がほとんどないことに勝算を見た。「こういう趣味の店は間口が狭い分、狭い間口にしっかり刺さらないと。そういう意味でSNSは最良のツール。新参者はそこを駆使すれば食い込んでいけるんじゃないかと」。
高橋氏によると、同業他社は元プロ野球選手による店などコミュニティ化した店が多い。
「なので大きく宣伝しなくてもやっていけるんですけど、新規客にはめちゃくちゃ居心地が悪い。悪気はなくても、成り立ち的にそういう“空気感”が出てしまう。ならば自分と同じような一般的な野球ファンをターゲットに据えて、常連のたまり場みたいだからもう行かない、って人を掘り起こせるんじゃないかと考えたんです」。
<関連記事:老若男女に愛される繁盛店事例>
東京・本郷「酒トナデシコ七変化」狙ったのは50代。なのに20代女子も訪れる人気店の作り方
▼ほかの記事が気になる方はこちら▼
ぐるなび通信トップページ
▼ぐるなび公式アカウント▼
【LINE】ぐるなび通信デジタル
週1~2回新情報をお届け。ぜひ友だち追加をお願いします!
各種媒体に“アプローチ作戦”が大ヒット!常連客に依存しない集客構造
かくして2013年3月にオープンした当初は「来客数1日3、4人だった」と話す。「3カ月間ほどめちゃくちゃ暇でした。でも暇なのをいいことに、新聞、雑誌、テレビ、各種メディアにハガキやメールをしまくったんです。“こういうお店ができたんで、もし面白そうだと思ったら来てください”みたいな」。
そこに転機がやって来る。東スポ(東京スポーツ)から取材を受け、紙面とウェブサイトに大きく取り上げてくれた。「東スポって業界内購読率が非常に高いらしいんです。東スポを見て、というメディアの取材がそこから増えた。これが“空振り”だったらたぶん1年ぐらいで潰れていましたね」と高橋氏。
客層は「開業前はおじさん中心の店になると思っていたが、老若男女と幅広く、男女比は6対4ぐらい」だそうだ。
配信頻度は、週1~2回ほど。ぐるなび通信の新記事や、旬な情報が通知されて便利です!ぜひご登録ください。
「ぐるなび通信デジタル」
ご登録はこちらから
繁盛店づくりのサポートは「ぐるなび」におまかせください!
▼詳細はこちらから
0円から始める集客アップ。ぐるなび掲載・ネット予約【ぐるなび掲載のご案内】
新規とリピーターの比率は7対3で、いまだに圧倒的に新規客が多い。
「コアな常連客が作れていないけどそれでいい。僕はべったりしたコミュニティ的な場を作りたくない思いが結構強いので、常連さんを特別優遇しないんです。うちはいい意味で敷居の低いカジュアルな形を目指したら、そこが若い人に受けて、彼らのSNS発信力などが追い風になったのかなと思います。メディア露出は他力本願。ただ、そういうニーズがあった時に使いたいなって思ってもらえる店であるためのクオリティを維持するように努めています。もちろんメディア相手に商売しているのではない。メディアを見て来ましたというお客さんをがっかりさせないようバージョンアップはかなり強く意識しています」と話し、店内の展示物もシーズンオフごとに入れ替えている。
通年で”7勝5敗”。料理は「失点防止路線」と割り切る効率経営
料理のメニュー構成については、手作りは多く取り入れず、満席でも3人で回せるような店づくりにしている。「料理を食べにあの店に行く、というニーズは初めから捨てているので正直、料理は“不満足要因”にならなければいいぐらいに割り切っています」。
店の回転率は「考えていない」。試合がある日は、試合開始から終了までの飲み放題コースの注文比率が圧倒的に高い。別途、お通しと料理で客単価は最低でも4,000円程度になる。客数は試合の有無に影響される。「試合のない金曜よりも注目の試合がある月曜の方が人が入ります。試合のある日にいかに50席を満席にするかにかかっていますね」。
シーズン中の通常営業が稼ぎ時だ。シーズンオフの売上は半減するという。繁忙期は年末ではなく、日本シリーズが一番盛り上がる10月。その次はシーズンが始まる3月、そして12月だ。「12カ月トータルで考えて、7勝5敗でいけば通年でちょっと浮くかな、ぐらいの考え方です」。
グッズなどの物販は、収入源というよりもブランディングだ。
趣味店はハイリスク・ハイリターンな属人的ビジネス
高橋氏がこの業態を選んだ理由の一つにお客様が限定されている点だと語る。
「趣味のお店ってマニアを相手にするじゃないですか。彼らは厳しい評価者。明らかに薄っぺらで“こいつビジネス野球ファンだ”とひと目でわかるようなお店だったら、むしろ悪評をばらまくことになる。逆にそういう目利きのファンを納得させられると強い味方になる。ハイリスクではありますけど、刺さるところに刺さればリターンも大きい。好きなことは仕事にしない方がいいという話を聞きますが、僕の考えは仕事にしたぐらいで好きじゃなくなるものって、元々大して好きじゃなかったのではと思う。好きだからお客さん目線を容易に持てるので、店づくりがしやすい。それが好きなものを仕事にしているうちにおけるメリットかな」。
今後、店舗を増やす予定はない。「やはり属人的なビジネスになるので、多店舗展開なんてしようものなら、野球愛とか思いの部分がただただ薄まっていくだけだと思うんです」。
住所:東京都千代田区内神田3丁目22-10 竹内ビル2階
https://www.instagram.com/lilieskandastadium/
https://r.gnavi.co.jp/1yyzhcvm0000/map/
■飲食業界誌「スマイラー」
「スマイラー」公式サイトはこちら!
Googleビジネスプロフィール(GBP)の運用代行サービスは、ぐるなびで!
ぐるなびによるGBP(旧Googleマイビジネス)を活用したMEO対策・クチコミ対応を含む、飲食店に特化した集客支援・運用代行サービスを紹介します。
【ぐるなび】飲食店向けGoogleビジネスプロフィール(GBP)集客支援・運用代行サービス
資料請求・お問い合わせはお気軽にどうぞ
「ぐるなび通信」の記事を読んでいただき、ありがとうございます。
「ぐるなび」の掲載は無料で始められ、飲食店のあらゆる課題解決をサポートしています!
▼ほかの記事が気になる方はこちら▼
ぐるなび通信トップページ
