貸切利用の拡大がディナー使いを増やし、売上アップ

アンデルセン ブレッド&カンパニー

福岡・博多

「夜はワインが楽しめ、パーティができる店」としてアピールし、貸切利用を喚起

広島に本店を構えるベーカリー「アンデルセン」が2011年3月、JR博多駅直結の大型商業ビル「JR博多シティ」開業と同時に、同ビル2階にオープンしたレストランバー。ワイン片手に、自慢のパンと料理が楽しめる店として、朝（ブレックファスト）・昼（ランチ）・ティータイム・夜（ディナー）の4つの時間帯で営業。抜群の立地とスタイリッシュな空間を活かし、パーティやウエディング二次会など、貸切ニーズを拓き、集客の間口を広げた。

ウエディング二次会に力を入れ始めたのは2012年3月、ぐるなびに加盟した頃からだ。「オープン当初から集客数は多かったのですが、ランチやティータイムの利用が多く、客単価が上がらないのが悩みの種でした。そのため、"夜はお酒と食事を楽しめる店"であることを知っていただき、最終的にディナーの普段使いを増やす目的で、パーティ獲得に強いぐるなびに加盟。ウエディング二次会のニーズも増え始めていたことから、『ぐるなびWedding二次会』にも参加し、"攻め"に転じました」と、店長の山口智久氏は振り返る。

まず、メニュー構成やサービスを見直し、食事のクオリティアップに着手したのが、オープンから半年後の2011年9月。昼は自家製パンをカゴに盛って席まで運び、おかわり自由のサービスでお得感を演出するとともに、夜はワインの品ぞろえとワインに合うメニューを強化し、ディナー利用を促進。また、2,500円と3,500円のパーティプランを作り、テーブルにPOPを置いてアピール。ディナーへの誘導とパーティ利用を喚起させた。さらに、「ぐるなびWedding二次会」ページの立ち上げにより、二次会の問い合わせが急速に増えたのを受けて、2012年7月には店内をリニューアル。それまでの貸切パーティで要望の多かったプロジェクターを設置。120本収容できるワインセラーを新設したほか、ワインを陳列する棚を随所に設け、シニアソムリエも採用。「夜はワインが楽しめる店、パーティができる店」というイメージ付けを図った。

また、当初の「ブレッド&カンパニー byアンデルセン」という店名が、何の店かわかりにくいという指摘もあり、2011年9月のメニュー刷新と同時に現在の店名に変更。全国的に知名度の高い「アンデルセン」を前面に出して、コンセプトを明確化。後のWeb露出との相乗効果で、認知度のアップにつながった。

パーティ当日のシーンや料理をイメージしやすいページ作りで、毎月コンスタントに予約を獲得

さらに、2012年9月からは、「ぐるなびWedding二次会」ページの写真を続々と更新。フォトギャラリーのページでは「会場」と「料理・設備」に分けて見やすく画像を並べ、イメージしやすいページ作りを心がけた。その結果、問い合わせが増え、10月には80人のパーティを含めて計7件を獲得。着実に手応えをつかんだ。「店舗がガラス張りのためパーティの風景が外から見えるので、たまたま通りがかったカップルの方から声をかけていただいくこともあります。そこから成約につながる例もあり、プラスの連鎖に喜んでいます」と山口氏。

サプライズなどの特典はあえて設けず、ブルスケッタなどワインに合う料理と雰囲気を楽しんでもらうことに徹した二次会プランは一人4,000円（金・土、休前日4,500円）。エリアの二次会予算としてはやや高めの設定だが、盛り付けやレイアウトにも高級感を演出して、低価格でアピールする競合店とは差別化している。また、下見のカップルには、パーティをシーン別に撮影した写真を見せてイメージを伝え、不安を解消し、成約に結びつくよう努めている。

様々な施策が功を奏して「ディナー利用の拡大」が徐々に実を結び、2012年の売上は好調に推移。今後は「ぐるなびWedding二次会」ページでリアルタイムに空き状況を更新して予約獲得を狙うなど、よりWeb販促にも力を入れていく予定だ。