2018/09/25 特集

社員&PA採用でミスマッチを防ぐ! 人材補強に失敗しない面接術

忘年会シーズンを控え、中途入社の正社員やパート、アルバイトの採用に力を入れる店も多いはず。そこで、面接方法を工夫して、人材補強に成功している店を紹介。人事コンサルタントにもポイントを聞いた。

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どんな店か、しっかり伝える面接を楽しい紙芝居でブラッシュアップ!

【京都・聖護院】京都炭火焼鳥 アホウどり 聖護院店

応募者の誰もが驚き、笑顔になるという紙芝居。店の魅力や働き方をポジティブに伝える

アンケートの回答を糸口に話しやすい雰囲気を作る

京都市内に「京都炭火焼鳥アホウどり」を4店舗展開する株式会社アホウプロジェクト。同社では、“お客様がスタッフに会いに来たくなる店”を目指し、「面接から教育は始まっている」と考え、面接にも力を入れている。

「応募者に楽しく面接を受けてもらうことと、どんな店かをしっかり伝えることを大切にしています」と、代表取締役の泉川武士氏。店と応募者が、普段の姿や情報を見せ合えば、ミスマッチは防げると考えているからだ。

応募者には、最初に趣味など約10項目のアンケートに記入してもらう。「回答内容を合否の判断材料にするのではなく、会話のきっかけとして使っています。楽しい雰囲気を作り、『“楽しむ”のもいいけど“楽しませる”側はもっと幸せだよ』と仕事の魅力を伝えています」と泉川氏。

次に、どんな店で、どんな働き方を求めているかを知ってもらうために、泉川氏がユーモアを交えながら、会社の沿革や今後のビジョン、提供時に一言添える接客スタイル、アルバイトも参加する社内イベントなどを、できるだけ具体的に伝える。そして、志望動機などの質問と条件面の確認を行って終了。この“店をできるだけ具体的に説明し、理解してもらう面接”により、スタッフの高い定着率を誇っている。

一方で、今後は面接を店長に任せて、彼らの成長を促したいと考えるように。そこで、よりエンタメ性の強い手法として「紙芝居」を使った面接を始めた。「誰でもわかりやすく情報を伝えられ、店長の表現力も鍛えられると考えました」と、泉川氏は語る。

紙芝居の内容は、それまで泉川氏が口頭で伝えていた情報をイラストにして、鳥のキャラクター・パリピヨちゃんが紹介するというもの。今年9月オープンの聖護院店の採用から使い始め、応募者からも、「実際に働くイメージがわいた」という声があがっている。「応募者が楽しみながら、店を理解できるのが最大のメリット」と泉川氏。聖護院店の面接は泉川氏と店長で分担したが、今後はノウハウを共有し、各店長に任せたいと考えている。

紙芝居のストーリーは泉川氏が考えたもので、全部で25枚。これを約6分で読むという
趣味や特技などを書いてもらう「アンケート」(右)を用意。「面接チェック表」(左)は、面接後に「話し方」などの評価を記入するもの
代表取締役 泉川武士氏
25歳で焼肉店に就職し、店舗での通常業務のほか、新人研修なども担当。2014年に独立し、その経験を面接などに活かしている。
京都炭火焼鳥 アホウどり 聖護院店
京都市左京区聖護院山王町16-28
9月初めにオープンした最新店。カウンターやテーブル席など1、2階を合わせて全35席。個室も用意し、幅広いシーンに対応。

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