2019/03/12 特集

店長必読! この春、役立つ! チームマネジメント講座(5ページ目)

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Lesson5「仕事の任せ方」 丸投げせずに、小さな作業に分解して教える。イベントなどはバディをつけて託すと◎

スタッフに任せることで店長もステップアップ!

山川氏が提唱する「任せる」の定義
自分の作業や業務を仕組み化し、誰でもできるように計画的に指揮し、ほかの人にやってもらうこと

 日常的にうまくコミュニケーションを取りながら、いい雰囲気のミーティングを実践し、適切な目標設定と評価で、成長を促しつつ意欲を高めて人材を定着させる。これまで紹介した取り組みを粘り強く継続していければ、チームの中に店長の仕事を担える人材が育ってくるはず。その人に仕事を任せることで、店長にはこれまでできなかったことに着手する時間が生まれる。「勘違いをしてしまう店長がいますが、仕事を任せるのは、“楽をするため”ではなく“店長が次のステップに進むため”です」と山川氏。スキルアップや知見を広める時間に充てて店長が成長すれば、チーム力をさらに引き上げることにもつながる。一方、仕事を任せられたスタッフも、自分の成長を実感し、意欲も向上するはずだ。

 しかし、「店長の中には、“任せる”ということの定義(上)を正しく理解せず、“丸投げ”と思い違いをしている人も少なくありません」と山川氏は指摘する。また、プレイヤーとして優秀な店長ほど、自分が動いたほうが早くて正確なので、人に任せることに二の足を踏みがち。山川氏は、「仕事を任せることのメリットをよく理解するとともに、“任せ方”を学ぶことが必要」と力説する。

習慣化するまで粘り強く要求し続けることが重要

 店長が自分の仕事をスタッフに任せる場合、「自分の仕事を“作業”と“マネジメント”に分け、仕組み化しやすい作業から任せるとよいでしょう」と山川氏は語る。作業の仕組み化とは、一つの作業を小さい作業に分解して、それぞれの作業で満たすべき基準をできるだけ明確にすること。これを実践を交えて教え、習慣化するまで要求し、評価することが重要。「ポイントは一度教えて、そのままにせず、スタッフの習慣になるまで要求と評価を繰り返すことです」(山川氏)。

仕事を任せるうえでスタッフが・・・
●変えていいもの
接客トークや笑顔の示し方、出迎えやお見送りなど、サービス(接客)に関すること。
●変えてはいけないもの
商品管理や衛生管理など独断で変えると命に関わること。企業イメージを毀損することも。

 一方で、仕事を任せる以上は、店長のやり方を継続するだけでなく、スタッフが自分のやりやすい方法に変えたり、独自のアイデアやアレンジを加えることも歓迎すべき。「ただし、“変更してもいいもの”と、“変更してはいけないもの”があることを肝に銘じて、スタッフにも明示しなくてはいけません」(山川氏)。変えてはいけないものは、来店客の安心・安全に深くかかわるQSCのQ(商品)とC(クレンリネス)。具体的には、食材の管理やレシピといったもの。逆に、接客トークなどのS(サービス)に関することは、大いに創意工夫を凝らして積極的にアレンジし、日々進化させたい部分だ。

 こうした店長業務以外に、バーベキュー大会などの社内イベントを行う際も店長主導ではなく、スタッフに任せることで、自分の判断で仕事を進める経験を積ませることができる。「そのときは、必ずバディを組ませ、2人以上で協力して進める体制をとることをおすすめします」と山川氏。1人で担当させると、つまずいたときに気軽に相談できる相手がいなかったり、独断で動きすぎて計画どおりに進まなかったりするからだ。バディと協力すれば“誰かの力を借りて目標を達成する”という成功体験につながり、協力し合う文化の醸成や、チームの一員としての自覚を育むことにもつながる。

 もちろん、任せた仕事が必ず成功するとは限らない。むしろ失敗はつきものだ。「大事なことは、重大な失敗が起こらないようにフォローすること。軽微な失敗であれば、“負のノウハウ”として、スタッフの成長の糧になります」と山川氏は語る。

 トライ&エラーを繰り返しながらステップアップするという意味では、スタッフのスキルも店長のマネジメント能力も同じ。成果が出るまで忍耐強く継続して、人が育ち、定着するチームづくりを進めてほしい。

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