2020/10/09 特集

今やるべき衛生対策〈前編〉 “クリーンな店”のつくり方(2ページ目)

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Checkpoint 1 “クリーンな店”の基本

スタッフの健康と身だしなみ、調理用具の衛生をどう保つか

営業中と閉店後で消毒方法を使い分ける

 衛生対策の中でも重要度の高いものとして、山本氏は人の清潔を保つことと、食材や料理に直接触れる調理用具の衛生管理を挙げる。

 人とは店のスタッフのこと。「スタッフが細菌やウイルスに感染していたり、手指などに付着していたりすると、調理やサービスを通して、来店客にも容易に感染を広げてしまう可能性があります」(山本氏)。体調の悪い場合は出勤しないよう周知するとともに、出勤前の体温測定も習慣にし、出勤時にスタッフ全員が記入する健康チェック表なども用意しておきたい。

 あわせて、身だしなみにも注意しよう。「指輪、ネックレス、ピアスなどのアクセサリー類は、肌と触れている部分に雑菌が繁殖しやすいため、勤務前に必ず外しておくべき。また、異物混入の原因にもなるため注意が必要です」(山本氏)。同様に、調理や配膳の際に料理に異物が混入するリスクを防ぐためにも、帽子や三角巾を付け、髪の毛が長い人は束ねる。「長い髪をそのままにしていたり、アクセサリーを付けているスタッフが1人でもいると、店全体の衛生管理に不信感を持たれかねません。身だしなみは来店客へのイメージ戦略としても重要」と山本氏。

 一方、食材や料理に直接触れるまな板、包丁、ふきんなどの調理用具については、「それぞれの用具を目的別に管理すること、使用中に一定の頻度で交換すること、閉店後には徹底的に消毒すること」(山本氏)を呼びかける。

 例えば、包丁やまな板は、肉用・魚用・野菜用など、切る食材別に分け、別の用途では使用しない。特にまな板は、使用中でも1~2時間ごとに洗浄し、アルコールスプレーを吹きかけて、拭き取り乾燥させるとよい。加えて閉店後には、殺菌効果の高い次亜塩素酸ナトリウム溶液に浸けて消毒し、消毒後は重ならないように置いて保管する。「次亜塩素酸ナトリウム溶液の浸け込み消毒は、殺菌効果が高い反面、消毒液の独特のにおいが付き、手間もかかります。営業中は手軽なアルコールスプレーで菌数を減らし、閉店後に次亜塩素酸ナトリウムを用いて徹底的に消毒する方法がよいでしょう」と山本氏。ただし、包丁は次亜塩素酸ナトリウムでは錆びることがあるので、洗剤で洗浄後、アルコール消毒し、乾燥させるのがおすすめだという。

 ふきんも同様に、デシャップ用、調理台用、客席用など、用途別に用意する。同じ色のふきんでは混在しやすいため、用途ごとに色分けをするなど工夫したい。「ふきんは雑菌が付着しやすく、水分、時には細菌の栄養分もあるため繁殖しやすい。細菌だらけのふきんで汚染を広げないように、こまめに消毒しましょう」(山本氏)。季節にもよるが、少なくとも1~2時間に1回は洗浄・消毒するか、新しいふきんに取り替えるべきだという。

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