蔵王連峰の麓で育てられた鶏が産む卵

蔵王連峰の麓、宮城県白石市にある竹鶏ファームでは竹を飼育に活用して、「竹鶏たまご」を生産。仙台市内の「和食 波奈 定禅寺通店」では、その卵を使った理想の出汁巻玉子を開発した。-厳選食材が導く繁盛への道

URLコピー
有限会社竹鶏ファーム 専務取締役
志村 竜海 氏(左)
常務取締役
志村 竜生 氏(右)父である社長の浩幸氏の両輪として、兄弟二人三脚で竹鶏ファームの経営に携わる。様々な商品はオンラインでも販売。関西や九州方面など、新たなる販路の拡大を狙い、精力的に活動中。
「竹鶏あかたまご」を5つ使用し、出汁と塩を加えてふっくらと焼き上げた。長さが約25cmあり、インパクトある見た目から、提供した際に歓声が上がることもしばしば

蔵王連峰の麓で愛情を込めて育てられた鶏が産む卵

雄大な自然が広がる蔵王連峰の麓に位置する宮城県白石市。「竹鶏たまご」は、この地にある竹鶏ファームで生産されている。現在、鶏の数は3万5000羽。常務取締役の志村竜生(りゅうき)氏は「養鶏場の規模は大きくはありませんが、飼料や環境にこだわり、愛情を込めて育てています」と想いを語る。この卵の一番の特徴は、名前にもある通り「竹」を飼育に活用している点だ。消臭効果のある竹炭に注目したのは、竜生氏の父である3代目の浩幸氏。生の竹を切り、炭釜に入れ、時間をかけて竹炭を作る工程をすべて自社で行う徹底ぶり。完成した炭は飼料に混ぜるほか、鶏が飲む水のろ過にも使われている。

こうして育てられた鶏が産んだ「竹鶏たまご」は「白」と「あか」の2種類があり、ともにクセがなく、濃厚な味わい。それでいて主張しすぎることがないため、「使いやすい」と評判を呼び、現在、地元・宮城を中心に、全国400ほどの飲食店で使用されている。特筆すべきは“弾力ある卵白”。しっかりとコシのある卵白は、ひと目で鮮度のよさが感じられると飲食店からも評価が高い。「ここからダイレクトに発送することで、産みたての卵を出荷できる。そこは強みですね」と竜生氏。場合に応じて、仙台市や白石市には車で直送も行っているという。

仙台市内にある「和食 波奈 定禅寺通店」は、そんな「竹鶏たまご」に惚れ込んだ一軒。“できたて”をコンセプトに、新たなランチメニューとして、出汁巻玉子がメインの御膳を思案していた料理長の佐々木裕児氏が、タイミングよく出合ったのがこの卵だ。「ぐるなびの食材フェアを通して、この卵に出合いました。『白』も『あか』も使ってみて、より理想の出汁巻玉子ができると感じた『あか』を使用することに決めました」と振り返る。卵の味が際立つよう、味付けはシンプルに。出汁をたっぷり含ませて焼き上げた逸品を完成させた。その味が話題となり、現在はディナータイムでも提供している。店長の小林正悟氏は「卵を5つ使用して作る大きさが目を引き、お客様の反応も上々。1テーブルに1つはオーダーが入るほどです」と反響を話す。

今後は、「とりあえずビールと出汁巻玉子」と言ってもらえるような、定番メニューにさせることを目標にしつつ、「竹鶏たまご」を使ったその他のメニューの充実も図っていく予定。すでに、燻製にした「竹鶏たまご」のタルタルソースと、半熟の漬け卵をダブルで使った「燻製玉子ポテトサラダ」がメニュー化されている。

こうした飲食店の動きもあり、「竹鶏たまご」の認知は徐々に拡大中。「全国区のブランド卵を目指し、さらなる販路拡大を目指します」と、竹鶏ファームの志村竜生氏は意欲を見せている。

生産者
竹鶏ファーム
宮城県白石市福岡深谷字児捨川向1-2
http://www.taketori-farm.co.jp/
1965年に養鶏をスタート。近年は、肉の販売用に軍鶏の飼育を始めるなど、事業の拡大にも取り組んでいる。敷地内には直売所もあり、1日に15~20人ほどが来店。飲食店で「竹鶏たまご」を食べて気に入り、仙台市から訪れる人もいる。
一般的な「白」のほか、より濃厚な「あかたまご」もあり。SS、S、M、Lとサイズも豊富
一定の気温に保たれた最新設備の鶏舎。餌や水、卵に至るまですべてオートマティックに管理されている
手作りで制作している「かわら版」と「季節の挨拶」は、購入者へ「竹鶏たまご」を送付する際に同梱する
飲食店
和食 波奈(はな) 定禅寺通店
宮城県仙台市青葉区本町2-18-21 タケダ仙台ビルB1
http://r.gnavi.co.jp/t206500/
素材にこだわった正統派の日本料理を提供。接待から記念日、両家の顔合わせまで、様々なシーンでの利用ニーズがある。酒蔵との交流も積極的に行い、「夏の日本酒と料理を楽しむ会」などのイベントも開催し、人気を呼んでいる。
おすすめの品を記載した手書きメニューでも中央で大きくアピール
入口に「竹鶏たまご」のポスターを掲示し、厳選素材であることをPR
「出汁巻波奈御膳」(1,480円)には卵を3つ使用。釡炊きのご飯も好評
店長
小林 正悟 氏(右)
料理長
佐々木 裕児 氏(左)同期入社の二人。それぞれ系列の別店舗を経て、1年ほど前から定禅寺通店で勤務。それぞれの立場から意見を出し合い、個性ある店づくりを目指している。酒蔵訪問なども積極的に行っている。

日本各地の厳選食材で“選ばれる”店に!

「食材を通した地域活性化を図り、日本の食文化を守り育てる」という考えのもと、畜産品や水産品から、農産物、調味料、加工食品まで、全国の食材生産者と強いネットワークを構築しているぐるなび。提供している料理のブラッシュアップに、新メニュー開発に、ぜひ各地の素晴らしい食材を利用していただきたい。詳細は担当営業等へ問い合わせを。

※本記事の情報は記事作成時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報はご自身でご確認ください。

ぐるなび通信をフォローする