“ここだけの逸品”を複数用意して、集客力アップ!
山形牛一頭買い ITAMAE焼肉 美美【東京・北千住】
試行錯誤を重ねた冷麺が焼肉と並ぶ看板料理に
2009年、東京・北千住駅近くにオープンした「山形牛一頭買い ITAMAE焼肉 美美(びび)」。上質な肉をリーズナブルな価格で楽しめると評判を呼び、10年目の現在、多くのリピーターを獲得する繁盛店だ。最大の特色は、代表の佐藤雄生氏が山形の牧場へ自ら足を運び、山形牛を一頭買いしていること。野菜や米も信頼する生産者から直接取り寄せている。客層の中心は20~40代で女性が半数を占め、記念日や女子会の利用も多い。
焼肉メニューだけでなく、サイドメニューのラインナップにも力を入れており、その代表格が、オーダーを受けてから1人前ずつ打つ自家製の「美美 生冷麺」(950円)だ。「お肉がおいしいと褒めていただけるのはうれしかったのですが、それは私の力というより生産者のおかげであり、オープンから間もなくしてジレンマを感じました。自分にしかできないものでもお客様に評価されたいと思い、焼肉店で冷麺の麺を自家製で作っているところがほとんどなかったため、自分で作ろうと考えました」と、佐藤氏は開発の経緯を語る。
その後、各地の店の冷麺を食べ歩いたり、製麺所で作り方を学んだりと、ゼロから知識を身に付けて試作をスタート。材料の中力粉、でんぷん、水の配合を少しずつ変えながら試行錯誤を重ね、理想のモチモチ・つるつるとした食感を追求。数年越しでようやく納得のいく麺が完成し、2014年、店内中央に製麺ブースを新たに構え、冷麺をメニューに加えた。
自慢の麺そのものを楽しんでもらうため、あえて具材は加えずプレーンで提供。鶏ガラベースのスープはやや酸味を利かせ、同じスープを凍らせて削ったものを上にトッピングすることで、最後まで味が薄まらず味わえるよう工夫している。客席から製麺の様子が見えることもあり、1日分(約20食)が開店から3時間ほどで売り切れる人気ぶり。そのため、予約時やファーストオーダーの際に取り置きの依頼をする人も多いという。
そのほか、佐藤氏の韓国料理店での修業経験を活かし、キムチもすべて自家製。糖度の高い完熟トマトを使用した「自家製丸ごとトマトキムチ」(626円)や、サラダ感覚で味わえる「はちみつコッチョリキムチ」(518円)など、オリジナルのキムチをそろえている。どちらも日本人の嗜好を意識した甘辛い味付けで好評だ。
「ほかにはない“オンリーでスペシャル”なメニューを打ち出すことが、当店に足を運んでもらうきっかけになっており、集客や売上につながっています」と佐藤氏。加えて、自家製にすることで既製品を仕入れるよりも原価を抑えることができ、その分、肉の仕入れにコストをかけることができるため、高い顧客満足度につながっているという。「肉に原価がかけられるということは、良質な牛を適正価格で購入でき、生産者にもきちんと還元できるということです」と佐藤氏。タレやポン酢、ドレッシングに至るまで自家製を徹底。今後も自家製にこだわり、顧客満足を追求していく考えだ。
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