2011/08/09 特集

4人のシェフが提案!秋のこだわり栗デザート

四季折々の食材に恵まれた日本。間もなく訪れる秋を代表する「栗」をテーマに業態の異なる4人のシェフがデザートを考案。ぜひ秋メニューの参考にしていただきたい。

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更新日:2022.10.6

目次
ロッヨットンチャチャ(栗と色々豆のおしるこ)
譚 澤明(中国料理)

モンブランのクレームとカシスのメレンゲ マスカルポーネのムース グラスヴァニーユ添え
長谷川 幸太郎(フレンチ)

秋月
下村 邦和(日本料理)

秋色のコンチェルト ~栗のコンポジッツィオーネ~
山口 幸男(イタリアン)

 四季折々の食材に恵まれた日本。間もなく訪れる秋を代表する「栗」をテーマに、中国料理、フレンチ、日本料理、イタリアンの4人のシェフがデザートを考案。ぜひ、秋のデザートメニュー開発の参考にしていただきたい。

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ロッヨットンチャチャ(栗と色々豆のおしるこ)

譚 澤明 SAWAAKI TAN(中国料理)
「広東名菜 赤坂璃宮 赤坂本店」(東京・赤坂) 副料理長・点心長

ロッヨットンチャチャ(栗と色々豆のおしるこ)

主な材料

栗、栗甘露煮、ココナッツミルク、グラニュー糖、タピオカ、小豆、金時豆、ひよこ豆、ピーナッツ、麦、白玉、バニラアイス

 「ロッヨットンチャチャは中国に古くからある"中華版おしるこ"。杏仁豆腐やマンゴープリンなどとともに、香港スイーツと呼ばれているデザートのひとつです。ちなみに「茸」は「細かくつぶした」、「」は「いろいろ入ったおしるこ」という意味です。栗で作ったソース状のスープに火を通した豆類を加え、仕上げに栗の甘露煮と白玉を入れます(写真奥)。基本的にはホットで提供するものですが、今回はバニラアイスの周りに冷やしたスープを注いだ冷たいバージョンも作りました(写真手前)。コースの最後に提供するデザートで、いろいろな食感を楽しむことができ、栄養も満点です。

編集部MEMO

 ホットは特に栗スープの香りが際立ち、口にしたとたん、栗の濃厚な旨みが広がる。ひよこ豆、レンズ豆、小豆、ピーナッツが多く入り、見た目より食べ応えがあるが、全体的に上品な甘さに仕上がっており、さらっと食べられる。

ソース状のスープは、蒸した栗を裏ごして、ココナッツミルクとグラニュー糖、水を加える。和栗や天津甘栗など、使う栗によって味は多様に変化する
芳醇なスープに入る多種類の豆。それぞれに違う食感が楽しめる
譚 澤明 氏1976年生まれ、東京都出身。高校卒業後に料理の世界へ。東京全日空ホテル、横浜ベイシェラトンで研鑽を積み、「広東名菜 赤坂璃宮」に入社。現在は副料理長、点心長として、赤坂本店で腕を振るう一方、料理教室の講師も務めることも。時間を見つけては東京・銀座を中心に食べ歩き、他業態の店の料理からもインスピレーションを得ている。
広東名菜 赤坂璃宮 赤坂本店
東京都港区赤坂5-3-1 赤坂BizタワーATRIUM2F・3F
http://r.gnavi.co.jp/g043400/
中国・広東料理の真髄と食べることの喜びを伝え、日本の食材も柔軟に取り入れて「医食同源」を追求。2階のクラシカルで落ち着いた雰囲気、3階の陽光差し込むダイニング、4つの個室といった具合に、様々な利用シーンに対応できる空間も人気。

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モンブランのクレームとカシスのメレンゲ マスカルポーネのムース グラスヴァニーユ添え

長谷川 幸太郎 KOTARO HASEGAWA(フレンチ)
「サンス・エ・サヴール」(東京・丸の内) 料理長

モンブランのクレームとカシスのメレンゲマスカルポーネのムース グラスヴァニーユ添え

主な材料

栗/マロンクリーム、カシス、マスカルポーネ、バニラアイス、ミント、卵白、ショコラ(ヴァローナ・グアナジャ)

 フルコースを食べた後を想定したデザートです。マロンとシャテーニュを組み合わせた栗クリームに、カシスのメレンゲとマスカルポーネのムース、そしてバニラアイスを載せました。お酒を飲んでいることも想定し、甘みはやや強めです。栗とカシスの組み合わせはフランス修行中に出会いました。奇抜に感じますが、カシスの酸味と栗の柔らかな甘さ、お互いが際立って良いコントラストを生み出します。料理もデザートも組み合わせは非常に大事。当時、フランス人の斬新な発想に驚き、帰国後に自分でも作ってみたいと感じていました。

編集部MEMO

驚くのは全体の食感の軽さ。クリームは栗の香りと味をしっかり伝えつつ、メレンゲやバニラアイスと一緒にスッととけていく。フォークで割るとトロリとゼラチン膜を破って出てくるソースは、ビジュアル的なサプライズにもなっている。

栗をすりおろすことで、口の中でフワッと溶ける食感を実現。上からカカオパウダーを掛けて色のアクセントに。
ソースは凍らせたカシスのピューレ玉を、60℃のベジタブルゼラチンにくぐらせたもの
長谷川 幸太郎 氏1973年生まれ、東京都出身。16歳のとき、シェラトン・グランデ・トーキョーベイにパティシエとして入り、料理人のキャリアをスタート。26歳で渡仏。2002年、「サンス・エ・サヴール」のオープンと同時に帰国。副料理長となり、翌年から料理長。趣味は「料理」と言い切り、柔和な笑顔の下に熱い情熱を隠す。休日は2人の子供の良きパパに。
サンス・エ・サヴール
東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング35F
http://r.gnavi.co.jp/g763336/
1998年にミシュランの三ツ星を獲得した、モンペリエ「ル・ジャルダン・デ・サンス」の姉妹店。丸ビルの高層35階に位置し、眺望は抜群。料理・音楽・カトラリー・インテリア・サービス・会話・景色などを総合した"五感で楽しむフランス料理"を提供する

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秋月

下村 邦和 KUNIKAZU SHIMOMURA(日本料理)
「SHIMOMURA」(横浜・本町) オーナーシェフ

秋月

主な材料

栗甘露煮、さつまいも、こし餡、クリームチーズ、吉野葛、抹茶、練乳、ブランデー、ごぼう

 「秋月」は栗きんとんをイメージして考案しました。蒸したサツマイモの皮をむいて裏ごしし、牛乳、吉野葛、栗甘露煮の汁、砂糖と塩をいれて練り込みます。最後に香り付けでブランデーを加えて、モチモチの生地が完成。中央にゴロゴロと大きめの栗と、オリジナルのチーズ餡子を忍ばせました。また、濃厚な抹茶ソースの渋みで大人のデザートを演出。提供スタイルはコースではなく、アラカルトで。当店は女性のお客様が多いのですが、このデザートは男性に人気が高い気がしますね。季節感にあふれた秋らしいデザートになったと思います。

編集部MEMO

割ったとたん、大きめにカットされた栗がゴロゴロと出てきてびっくり。大きめにカットした栗と、クリームチーズ&こし餡の相性が抜群で、強めに効かせた抹茶の渋みが全体を引き締める。和のテイストがふんだんに凝縮された一品だ。

外からは想像できない「秋月」の中身。「スイートポテトの生地で栗を包み込むイメージです」と下村氏
仕上げに載せたのは、ごぼうを針状にして素揚げしたもの。光の加減で美しく輝き、パリパリした食感も楽しい
下村 邦和 氏1969年生まれ、神奈川県出身。調理師専門学校を経て和食の世界へ。30歳で「関内本店 月」など数店舗の総料理長として腕を振るう一方、数々の料理コンテストでグランプリや入賞を果たす。2009年に独立し、雑誌やTV、料理教室など活動の幅を広げている。新店「志木葉」の開店準備で多忙な傍ら、愛犬のトイプードルの散歩が息抜きタイム。
SHIMOMURA
神奈川県横浜市中区石川町1-24-2
http://r.gnavi.co.jp/e516500/
一枚板のカウンター席の1階、ソファを導入した2階、テーブル席が並ぶ3階と、フロアによって表情は変わる。その日のメニューは当日入荷した旬の素材によって決まることも多いというライブ感が大好評。9月オープンの新店では王道の日本料理を提供する。

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秋色のコンチェルト ~栗のコンポジッツィオーネ~

山口 幸男 YUKIO YAMAGUCHI(イタリアン)
Trattoria il Fioretto(大阪・吹田) オーナーシェフ

秋色のコンチェルト~栗のコンポジッツィオーネ~

主な材料

栗、卵白、卵黄、生クリーム、牛乳のほか、マロンクリーム・マロンペースト(ブランマンジェ)、ショコラ/ヴァローナ社、エクアトリアル・ラム酒(ムース エクアトリアル)、白ワイン・紅茶葉・レモン果汁(紅茶のジュレ)、ゆず(ゆずジャム)、ブラッドオレンジ・薄力粉・レモン皮(柑橘のチュイル)、アーモンドプラリネ・マロンペースト(栗プラリネのジェラート)、アーモンドプードル(マンドルラ クロカンテ)

 「コンポジッツィオーネ」とは"構成"。栗というひとつの食材を多様に加工し、組み合わせることで、食感の変化を出しました。また、コンチェルトは"協奏曲"の意。秋を感じる色合いや、食感のバリエーションといった「楽章」に、栗というソリストがいる世界観です。私の料理は素材の味を生かしたものが多く、全体的にさっぱりめ。肉料理にしても、ソースは酸味のあるものが多いので、意図的に糖度は高めにしました。秋の夜長、秋季コースメニューの締めくくりとして、ゆっくり楽しんでいただきたいです。

編集部MEMO

「正直営業メニューにはしたくありません」とシェフが笑うように、デザート2皿分以上の要素が合わさった渾身の一品。栗・柑橘類・ショコラ、それぞれの甘みと酸味のバランスが複雑にして絶妙。食べるのがもったいないほど美しい造形も魅力的。

栗のブランマンジェにショコラムース、栗の甘露煮、紅茶のジュレ、柚子ジャムがグラム内で美しい層に
オレンジやレモンを加えたチュイル上には栗プラリネの小玉ジェラート。店内のジェラートマシンで作る自家製
山口 幸男 氏1977年生まれ、大阪府出身。各地の店舗で料理長やソムリエ、支配人などを経験し、2009年「il Fioretto」をオープン。「ぐるなびBEST OF MENU 2010」料理部門準優勝など、コンテスト入賞歴も多数。店で提供する生ハムやソーセージ類のほかチーズも手作りするこだわり派だ。趣味は読書や映画鑑賞のほか、ドライフラワー作りや絵を描くこと。
Trattoria il Fioretto
大阪府吹田市山田東4-13-15 1F
http://r.gnavi.co.jp/ka3n500/
「il Fioretto」は伊語で"小さな花"。スタイリッシュな高級感とカジュアルさが同居する。入口脇は高さのあるワインセラーがあり、熟成中の肉類も飾られるフォトジェニックな空間。岐阜の農家直送の野菜など、全国の食材を駆使して心と体に優しい料理を創造する。

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