アジア発 台湾生まれの「チーズティー」がヒット! 後編

生クリームや塩などを混ぜて作る泡状のクリームをアイスティーの上にのせた「チーズティー」がヒット中。後編では、香港とインドネシアでの人気ぶりを紹介する。

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Vol.178

 生クリームや塩などを混ぜて作った泡状のクリームをアイスティーの上にのせた「チーズティー」。台湾で生まれた「奶蓋茶(ナイガイチャ)」を原型にしたこのドリンクが、アジアを中心に世界各地で人気を集めている。

 香港ではこの2~3年、中国茶離れが進む若い層をターゲットにした、新しい感覚のお茶専門店が続々とオープン。「チーズティー」も主力商品として、特に若い女性の間で話題となっている。
 また、インドネシアでも2018年ころから同様の店が登場し始め、首都ジャカルタとその近郊だけでも10店舗以上が「チーズティー」を扱うようになった。

 後編では、そんな両国でチーズティーを売りに繁盛している店をリポートする。

おいしくてフォトジェニック。香港でも20代の女性に大人気!

 香港島のオフィス街であるセントラル地区に、カウンターのみのドリンクスタンド「茶狼Cha Long(チャロン)」1号店がオープンしたのは2018年4月のこと。同年末までに香港内に計5店舗を出店し、中国・広州にも進出するなど、その勢いは止まる様子はない。

 看板メニューのひとつが「芝士奶蓋茶(チーシーナイガイチャ)」。「芝士」とはチーズ、「奶蓋茶」は「奶(ミルク)で蓋(ふた)をしたお茶」という意味で、メニュー上では「チーズ」を省略して単に「奶蓋茶」と呼ばれている。前編で紹介した台湾の奶蓋茶発祥の店ではチーズは使用していないが、ここでは海塩入りクリームチーズを使い、ミルクと合わせて泡立てる。また台湾では通常はアイスティーのみだったが、ここではホットティーの上にトッピングすることも可能だ。

 お茶は計6種類から選ぶことができ、「烏龍茶」「焙煎烏龍茶(濃い烏龍茶)」「台湾のアリシャン四季春茶(コクがあり甘い香りの烏龍茶)」「ジャスミン茶」が、各30ドル(約430円)。ほかに、サトウキビを絞り出したジュースと四季春茶を混ぜる「サトウキビ茶(甘め)」(32ドル=約460円)と、ジャスミンティーにマンゴージュースを加えた「マンゴージャスミン茶」(42ドル=約610円)がある。甘さはそれぞれ4段階、アイスの場合は氷の量を3段階から選べる。

一番人気の「マンゴージャスミン奶蓋茶(アイス)」は色合いも美しく写真映えする。半分まで飲み進めてから全体をかき混ぜると、マンゴーの甘みとクリームの塩気が混ざってチーズケーキのような味になる

 店のおすすめは「マンゴージャスミン奶蓋茶(アイス)」。オーダーが入ってからマンゴーをカットし、ジューサーで果肉が少し残る程度のジュースにする。これとジャスミン茶を合わせたアイスティーの上に、ホイップしたチーズミルククリームを1.5センチほどの厚さでトッピング。クリームの塩気とマンゴーの甘酸っぱさがうまく調和しており、オレンジと白のフォトジェニックなツートンカラーも人気の理由だ。

紫が映える期間限定メニュー「スイートポテトとミルク入りウーロン奶蓋茶スイートポテトミルクウーロンチーズティー(ホット)」。ホットでも中の色を見せてフォトジェニックなビジュアルになるように、耐熱プラスチックカップを使用

 上記のグランドメニュー以外にも、様々な期間限定のチーズティーを発売し、リピーターを飽きさせないように工夫している。2018年10月末から冬季限定で販売しているのは、ホットで飲むとおいしい「スイートポテトとミルク入りウーロン奶蓋茶」(35ドル=約510円)。ウーロン茶のミルクティーに、蒸して小さく切った紫芋をプラス。ホットで飲めば、温かい芋が体も心も温めてくれる。ほかにも、2018年の夏は桃を使った淡いピンクのチーズティー、秋は巨峰を用いた鮮やかな紫色のチーズティーなど、季節の食材を使った限定メニューを販売している。

カップに貼られたラベルには、商品名や注文番号のほか、砂糖と氷の分量も明記。甘さや冷たさは来店客の好みによって変えられる

 客層は、10~20代の女性が中心。香港の若い世代が来店してSNSなどに写真を投稿し、それを見た同世代の外国人観光客も数多く足を運ぶようになった。「おいしさ」「期間限定」「お茶のヘルシーなイメージ」「フォトジェニック」といった要素が、女性のハートをつかむポイントになっている。

茶狼Cha Long(チャロン)
Shop No.G39 Lee Tung Avenue, 200 Queen’s Road, East Wanchai, Hong Kong
https://www.facebook.com/chalonghk

抹茶やパイナップルなど多彩なフレーバーが好評!

 インドネシアの首都ジャカルタの大型ショッピングモール「パシフィックプレイス」。その4階のレストラン街にあるのが、チーズティーを看板メニューにするドリンクスタンド「グルグル(GULUGULU)」。2018年4月にオープンしてから数カ月で、チーズティーを毎日100杯以上売り上げる人気店となった。

一番人気の「チーズ台湾ロイヤルミルクティー」。ミルク多めのアイスティーにチーズクリームをのせる濃厚な一品。クリームの上にはチョコパフがのせてあり、味や食感、見た目のアクセントになっている。写真の棒状のスナックなど、トッピングも可能(別料金/3,000ルピア=約23円~)

 15種類あるチーズティーの中で一番人気なのは、「チーズ台湾ロイヤルミルクティー」(32,000ルピア=約240円/レギュラーサイズ)。茶葉からていねいに入れた紅茶にたっぷりとミルクを注ぎ、軽くホイップしたチーズクリームをふわりとのせる。やや塩気の効いた濃厚なクリームチーズの後に、紅茶独特の爽やかな苦みを感じられる。

「チーズウマミ抹茶」も人気商品。抹茶は、インドネシア人にとってもなじみの味。独特の渋みをチーズがまろやかに包み込む絶妙なバランスで、美しい緑と白のコントラストもSNS映え間違いなし

 2番目に注文が多いのは、「チーズウマミ抹茶」(32,000ルピア=約240円/レギュラーサイズ)。インドネシアでも抹茶の人気は高く、菓子やアイスクリームなどに欠かせないフレーバーだ。抹茶の粉を入れた牛乳をふんわりするまで攪拌して抹茶ラテを作り、チーズクリームを静かに注いで、緑と白の2層に美しく仕上げる。抹茶とチーズクリームの組み合わせが意外によく合い、和風デザートのような味わいだ。

 ほとんどのチーズティーはホットでも提供が可能で、中でもホット向きのチーズティーが、「チーズ台湾パイナップルティー」(34,000ルピア=約260円)。パイナップルの爽やかな香りを足した紅茶の風味が、ホットにすることでより際立つ。ホットティーの上にのせたチーズクリームが、その熱で溶けるため、アイスティーよりもさらりとした口当たりになる。

「チーズグリーンティー・ジャスミン」(27,000ルピア=約200円/レギュラーサイズ)。ジャスミンの香りをつけた緑茶のストレートティーにチーズを組み合わせたもの。すっきりとした大人の味

 客層は20~30代が中心で、そのうち8割は女性だ。「女性は世界のトレンドに敏感なので、台湾などで人気だったチーズティーに興味を持つ人がもともと多かったのかもしれません。SNS映えするビジュアルも人気の秘密ですね」と、エリアマネージャーのディアン・ヌグロホ氏。今後も新しいメニューを開発し、店舗数を18(2018年末現在)から40店舗まで増やしたいと考えている。

グルグル(GULUGULU)
Pacific Place Mall, Level 4(4th floor), SCBD Jl. Jend Sudirman Kav. 52-53, Jakarta Selatan 12190, Indonesia
http://www.gulugulu.id/

香港 取材・文/りんみゆき(海外書き人クラブ)
インドネシア 取材・文/さいとうかずみ(海外書き人クラブ)
※通貨レート 1香港ドル=約14.4円 1インドネシアルピア=約0.0075円
※価格、営業時間は取材時のものです。予告なく変更される場合がありますのでご注意ください。

※本記事の情報は記事作成時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報はご自身でご確認ください。

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