北海道とぐるなびが「包括連携協定」を締結。食文化や観光振興などにおいて連携し、国内外に魅力を発信
北海道の食や食材で多角的なアピールを目指す
世界自然遺産の知床をはじめ、雄大な自然や観光スポット、豊かな農・水産物に恵まれた北海道と株式会社ぐるなびが、「北海道・株式会社ぐるなび包括連携協定」を結ぶ運びとなり、6月17日(水)、札幌市の北海道庁で、調印式が行われた。
これまでにもぐるなびでは、京都市や新潟市などの各自治体と包括連携協定を締結し、地域活性化に取り組んできたが、都道府県との包括連携は北海道が初の試み。来春の北海道新幹線開業への期待も高まり、調印式にはテレビ局や新聞社などが多数訪れ、今後の施策に注目が集まった。
式の冒頭で、高橋はるみ北海道知事と株式会社ぐるなび 滝 久雄代表取締役会長・創業者が協定書にサイン。続いて高橋知事が、「来年3月には道南に道民悲願の北海道新幹線が開業します。これを大きな飛躍の機会ととらえ、ぐるなびとともに食文化振興、観光振興、地域振興、地域活性化などの幅広い分野で連携し、北海道の魅力を全国に発信していきたい」と挨拶し、期待の大きさが語られた。それを受けて滝は、「北海道新幹線の開業はもちろん、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、日本全体が農業立国・観光立国を目指すなか、重要なポジションを担っているのが北海道です」と語った。
そして、北海道の食と食材のブランドアップのための具体的な施策も紹介。まず、道内にいる約400名のシェフと、道外の飲食店で活躍する北海道にゆかりのあるシェフ約900名とつながっているぐるなびのネットワークを活かし、北海道の食材の魅力を伝える「北海道食材フェア」を、全国の加盟飲食店で展開することを説明。また、ぐるなびが運営する秘書支援サイト「こちら秘書室」でも、秘書会員へ北海道のスイーツや土産品などを積極的にアピールしていく。さらに、官民が協力し、幼少期から旅行を習慣化させ、旅行を促進することを目指す「旅育」の事業案にも言及した。
道内でも急務であるインバウンド対策については、飲食店向けの「インバウンド対策セミナー」の開催頻度を増やしていき、さらに、訪日外国人客の行動傾向やデータをぐるなびのノウハウで分析し、その内容を「ぐるなび外国語版」に反映させ、より強力に来店を促進していく方針だ。
調印式後には記者から「北海道新幹線開業に向けた具体案」が問われ、来年2月までに新幹線沿線のグルメや観光の情報を発信するサイトを立ち上げ、北海道に縁のあるキーパーソンとともにアピールしていくプランを紹介。長期的に北海道の活性化を目指していくことを約束した。