福岡市で「ユニバーサルデザインセミナー」が開催

「福岡市と株式会社ぐるなびとの地域共働事業に関する包括連携協定」の一環で、セミナーを開催。ユニバーサルデザインやバリアフリーの観点から、飲食店による情報発信の重要性などをレクチャー

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より“選ばれる店”になるため、店舗情報をわかりやすく、正しく発信!

福岡市で「ユニバーサルデザインセミナー」開催。バリアフリーを含めた情報発信の重要性をレクチャー

集客のターゲットへ向けた的確なアピール方法を再確認

福岡市と株式会社ぐるなびは2015年7月7日に、「福岡市と株式会社ぐるなびとの地域共働事業に関する包括連携協定」を締結。これは、互いの資源や魅力を活かして事業に共働して取り組み、福岡市の一層の活性化と市民サービスの向上、課題の解決を促進することを目的にしたものだ。その一環として、11月26日(木)にぐるなび大学福岡会場(中央区天神)にて、「ユニバーサルデザインセミナー」が開催された。

セミナーには福岡市内の飲食店関係者が参加。ユニバーサルデザインやバリアフリーの観点から、今、飲食店が情報発信しておきたいことと、そのニーズや重要性が説明された

福岡市では、「ユニバーサル都市・福岡」をまちづくりの目標像として掲げ、市政の1つの柱として推進。ユニバーサルデザイン(※1)の理念に基づく「誰もが思いやりを持ち、すべての人にやさしいまち」を目指している。セミナーではまず、福岡市企画調整部の阿南公彦氏が、「ユニバーサル都市・福岡」の概要などを説明。バリアフリー(※2)の取り組みのほか、福岡市営地下鉄や福岡市博物館など、ユニバーサルデザインが取り入れられている事例が紹介された。

福岡市企画調整部の阿南公彦氏が、「ユニバーサル都市・福岡」の実現に向けて、その概要や取り組みを説明

続いて、ぐるなび大学のインストラクターにより、「多様化するニーズに向けた『ぐるなび店舗ページ』活用講座」と題して、ユニバーサルデザインやバリアフリー対応という観点から、「お店の売り」や「取り組み」をわかりやすく発信するためのポイントを紹介。例えば、店の入口に段差を解消するためのスロープを設けていたり、店内の動線を車いすの幅を基準にレイアウトしていても、その情報が必要としている人に届いていなければ意味がないことを解説。そこで、店内にチャイルドルームを設けている店を例に、メインターゲットであるファミリーや主婦へ的確にアピールしている事例を、その店のぐるなび店舗ページを見ながら細かく紹介した。また、ベジタリアン対応が可能なことなど、“食のバリアフリー情報”は積極的に発信したほうがいいことが伝えられ、それらを店舗ページに掲載するためのページ更新方法も併せて説明された。

ぐるなび大学のインストラクターからは、実際の店舗ページを例に、ターゲットに向けた的確な情報発信のポイントを解説

2016年4月からは「障害者差別解消法(※3)」が施行されることもあり、福岡市だけでなく、全国の飲食店にとって、ユニバーサルデザインやバリアフリーに関する情報発信の重要性は今後、より高まってくることが予想される。メニューページなども含めて、自店の店舗ページはわかりやすく、正しく発信できているか、今一度確認しておきたい。

※1
年齢、性別、能力、背景などにかかわらず、できるだけ多くの人が自由に快適に利用でき、行動できるように、ものづくり、情報、サービスやまちづくりなどあらゆる場面で、あらかじめ、思いやりのある配慮を行うという考え方(福岡市ホームページより)。

※2
障がいのある人や高齢者などが社会生活をしていくうえで障壁(バリア)となるものを取り除く(フリー)こと。段差のスロープ化などの物理的なバリアフリーをはじめ、お互いを理解し支え合うことができるようにする意識や心のバリアフリーなどの取り組みがある(福岡市ホームページより)。

※3
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律として、2013年6月制定。飲食店であれば、車いすの利用を理由に入店を断ることなどが基本的にできなくなる。