「2015年 今年の一皿」は「おにぎらず」に決定

株式会社ぐるなび総研が、その年の世相を反映し、後世に受け継ぐ価値がある日本の食文化を選定する「今年の一皿」。2015年の「一皿」は、「おにぎらず」に決定。都内で記者発表会が行われた。

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ぐるなびのビッグデータやメディア関係者の審査を経て選定

日本の食文化を後世に遺す「2015年 今年の一皿」は、にぎらずにできるおにぎり「おにぎらず」に決定!

6つのワードから1つを選定。米のおいしさと可能性を拡大

株式会社ぐるなび総研(代表取締役社長 / 滝 久雄 以下、ぐるなび総研)が、その年の世相を反映し、後世に受け継ぐ価値がある日本の食文化を選定する「今年の一皿」。2015年の「一皿」は、にぎらずに作るおにぎり「おにぎらず」に決定し、去る12月7日、都内で記者発表会が行われた。

写真左から、小山薫堂氏、西澤直子氏、滝久雄、「おにぎらず」の発案者・うえやまとち氏、須賀洋介氏、田村隆氏、櫻庭英悦氏

「今年の一皿」の選定はまず、ぐるなびの月間5200万人にのぼるユニークユーザーによるビッグデータと、ぐるなび会員1346万人へのアンケート調査から、食に関するキーワードを抽出。さらに、40社44媒体のメディア関係者の審査を経て、6つのノミネートワードを決定し、この中から1つを最終的に選出したもの。

主催社を代表して登壇したぐるなび総研の滝は、「『今年の一皿』の世界への発信が、日本の食文化と社会の発展に寄与することを願う」と挨拶。続いて、「今年の一皿」発案者であり、ぐるなび総研理事の小山薫堂氏、来賓として、農林水産省食料産業局局長の櫻庭英悦氏が挨拶に立った。

ぐるなび総研代表取締役社長の滝は、挨拶で「日本の食文化は世界一の水準」と述べ、世界へ発信する重要性を呼びかけた
小山薫堂氏は「パリやミラノからファッションのトレンドが生まれるように、東京から食のトレンドが生まれるようになれば」と

その後、ぐるなび総研研究員による選定の過程が報告され、ノミネートされた6つのワード「おにぎらず」「スーパーフード」「なまずの蒲焼」「のどぐろ」「クラフトビール」「ジャパニーズウイスキー」にゆかりの6名が登壇。ノミネートの理由が紹介されると、それぞれが喜びを語った。そして、6つのワードの中から「今年の一皿」として、「おにぎらず」を発表。合わせてこの「おにぎらず」が、漫画家うえやまとち氏が『週刊モーニング』(発行/講談社)に連載中の「クッキングパパ」コミック第22巻(1991年発行)に掲載された料理であること、また、20年以上を経た2014年頃から家庭の食として普及し、2015年には外食にも広がりを見せたことなどが紹介された。「斬新なアイデアで米食の可能性を広げ、米が日本人に欠かせない食材であることを再認識させた」という選定理由に対し、うえやま氏は、「おにぎらずが日本の食文化として定着し、100年後も食べられていたらうれしい」と喜びを語った。

そのほか、「つきぢ田村」の田村隆氏、SUGALABO Inc.の須賀洋介氏による「おにぎらず」の披露や、ぐるなび総研アドバイザー・西澤直子氏のスピーチなど盛りだくさんで、メディアの注目も高い会見となった。

2015年 今年の一皿 「おにぎらず」受賞の喜び

うえやまとち 氏(漫画家) 25年も前に発表した「おにぎらず」の突然のブレイクに、「何が何やらわからない」と戸惑いながらも、妻が作った「にぎらないおにぎり」を「クッキングパパ」のなかで「おにぎらず」と命名したエピソードを紹介。喜びを語り、大きな拍手を浴びた
6つのノミネートワードとその代表者も登壇。左から、「おにぎらず」のうえやま氏、「スーパーフード」の森下竜一氏(医学博士/内閣官房 健康医療戦略室 参与)、「なまずの蒲焼」の中原恵人氏(埼玉県吉川市長)、「のどぐろ」の山縣秀行氏(金沢市料理業組合 理事/金澤町家料亭「壽屋」第四代店主)、「クラフトビール」の藤原ヒロユキ氏(一般社団法人日本ビアジャーナリスト協会 代表理事)、「ジャパニーズウイスキー」の嶋 保氏(北海道余市町長)

記者発表会で披露された「おにぎらず」

「鰯がチーズと出会ったおにぎらず」

日本料理 つきぢ田村 三代目
田村 隆 氏
「消費量が減っている米や海苔、魚を使い、娘にアドバイスをもらって作った」という田村氏の「おにぎらず」。マイワシのソテー生姜煮に、キャベツとクリームチーズを合わせた

「冬野菜のおにぎらず」

SUGALABO Inc.
須賀 洋介 氏
須賀氏は2種類を考案。「栄養価が高いのに近年、流通量が減っている牛レバーを使った」(須賀氏)ものと、冬野菜にフォアグラとトリュフを合わせた贅沢な「おにぎらず」を披露した