インバウンドセミナーを“小江戸”川越で開催

2016年11月15日、国内外から多くの観光客が訪れる埼玉・川越市で「訪日外国人観光客の集客」と「外国人客に飲食店はどう対応すればよいか」を考えるインバウンドセミナーが開催された。

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「SAITAMAインバウンドセミナー」に多くの自治体や飲食店関係者が来場!

訪日観光客を町に呼び、飲食店で楽しんでもらうためのインバウンドセミナーを“小江戸”川越(埼玉)にて開催

ビジネスチャンスにつながる地域や店の取り組みを紹介

「小江戸」として知られ、国内外から観光客が多く訪れる埼玉県川越市。2016年11月15日、同市にある複合施設・ウェスタ川越にて「訪日外国人観光客の集客」と「外国人客に飲食店はどう対応すればよいか」を考えるインバウンドセミナーが開催された。県内の自治体関係者や、川越市の飲食店関係者が集まったほか、市内に路線を持つ西武鉄道・東武鉄道・JR3社も参加して情報交換を行った。

最初に、埼玉県産業労働部観光課課長の浅見 健二郎氏が「2020年までに埼玉県はインバウンド100万人誘客を目指す。教育旅行の誘致やものづくり体験ができる産業観光など、様々な方面から外国人観光客へ埼玉の魅力を発信していきたい」と挨拶。続いて第1部として、「人口の3倍! 外国人に選ばれる町 飛騨・高山」をテーマに、一般財団法人 飛騨・高山観光コンベンション協会 会長 堀 康則氏が講演を行った。20年以上前から外国人観光客の受け入れ体制を整えてきた飛騨・高山エリア(岐阜)は、いち早く英語版観光パンフレットを作成し、観光案内看板の設置や観光ホームページの多国語表記、海外都市との姉妹都市提携などの取り組みを実施。その効果もあって外国人観光客数が増え続け、2016年は40万人を超える見込みだ。「近年は北陸新幹線を利用した誘客のほか、四季折々の観光イベント、グリーンツーリズムの提案などを通じて、滞在型・通年型の観光地づくりを推進している」(堀氏)と、地域の施策を語った。

第2部では、株式会社ぐるなびが、「飲食店における訪日外国人受け入れ環境整備について」をテーマに講演。「訪日外国人客がもっとも知りたいのは、食材の情報・店内の雰囲気・受け入れ対応の可否。これらの不安を払拭することがおもてなしにつながる」「お通しや個別会計、持ち込みなど、訪日外国人客の要望やトラブルへの事前対策も大切だ」などのポイントを紹介。また、事例として、地元川越市の「料亭 山屋」5代目の松山潤氏が、ベジタリアンへの対応や無料Wi - Fiの設置など、外国人観光客対応への取り組みを語った。

閉会の挨拶では、川越市産業観光部観光課課長の飯野英一氏が「より充実した情報発信で、川越市、埼玉県、観光関連事業者と協力して国内外の観光客を増やしたい」と抱負を述べて終了。増え続ける訪日外国人への様々な対策を学ぶことができる1日となった。

第1部
人口の3倍!外国人に選ばれる町 飛騨・高山

埼玉県の自治体関係者や、川越市の飲食店関係者など、多数の来場者が熱心に耳を傾けた
一般財団法人
飛騨・高山観光コンベンション協会 会長
堀 康則氏「民間主導、官民一体となった取り組みが成果を上げている」と強調。官民ともに同じベクトルを向くことの重要性を語った

第2部
飲食店における訪日外国人受け入れ環境整備について

データも用いて、外国人集客の必要性やポイントなどを語る、ぐるなび埼玉営業所 所長の沼田智裕
昨年から本腰を入れて取り組み始めたインバウンド対策について語る「料亭 山屋」(川越市)の松山 潤氏
東日本旅客鉄道株式会社
川越駅駅長
須藤 陽二氏「駅構内の多言語表記のほか、分かりやすい案内や対応を」と、さらなるソフト面の充実に言及
東武鉄道株式会社
グループインバウンド情報発信室
課長補佐
早野 雅史氏「市場規模が非常に大きい川越地区はインバウンドの重点エリアだ」と、可能性に期待
西武鉄道株式会社 鉄道本部
運輸部 スマイル&スマイル室
新規旅客創造担当 課長補佐
石原 遼太氏「川越は外国人客によるきっぷの売上も好調。引き続き誘客に取り組みたい」と語った