2019/07/10 NEWS

株式会社ぐるなび 新代表取締役社長 就任のお知らせ

株式会社ぐるなびの新しい代表取締役社長に、杉原章郎が就任。「業績を回復させることが最重要課題」とし、ぐるなびが持つ強固な飲食店ネットワークなどを活用して飲食店への送客の極大化を早期に実現していく。

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業績回復と成長軌道へ2つの使命と重責を担う

 株式会社ぐるなびは、去る6月19日に開催された取締役会において、新しい代表取締役社長に杉原章郎が就任することを決定。同日、東京・帝国ホテルで記者会見を開いた。

 就任の挨拶に立った杉原は、冒頭、新社長として「業績を回復させることが最重要課題」と述べ、「回復だけではなく、さらに成長軌道に乗せることが私のミッション」と語った。そして、業績回復の道筋として大きく2つの課題を提起。1つは「現在、ぐるなびの業績低迷の要因である“飲食店への送客”を極大化して、トップラインを回復させること」、もう1つは「資源を適切に配分し、収益が出る企業体質に変革すること」と話した。また、これらの課題を遂行するために、「楽天(株式会社)から来た私が、ぐるなびと楽天の強みを結びつけ、持ちうる資源をいかに成長につなげていけるか。そのことにしっかり取り組んでいきたい」と、力強く抱負を述べた。

杉原章郎 AKIO SUGIHARA
1969年、広島県出身。慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科修士課程修了。1996年、インターネットサービス会社を起業し、1997年、株式会社エム・ディー・エム(現・楽天株式会社)の共同創業者として参画。新規事業開発、人事総務の統括、取締役・常務執行役員などを歴任。2019年6月、株式会社ぐるなび・代表取締役社長に就任。

 楽天の創業メンバーである杉原は、自身のこれまでの歩みも紹介。創業当初、楽天市場出店店舗の獲得とサポートに従事したのち、新しい事業・サービスを次々に立ち上げてきた。「それらのサービスを、楽天会員を中心としたメンバーシップを軸に結びつけることで、現在、独自の『楽天エコシステム(経済圏)』を形成。楽天のサービスを利用するユーザーに多くのメリットとベネフィット(利益)を届けています」と述べた。また、2012年から約8年、人事総務担当の役員として楽天の屋台骨を背負ったことにも触れ、「23年間、楽天で経験した多くの成功と失敗から得た知見を持って、ぐるなびを立て直し、軌道に乗せるという重責を賜りました。粉骨砕身、これに邁進していく所存です」と挨拶した。

 さらに、杉原はぐるなびと楽天のそれぞれの企業理念と強みについて、「両社とも、地域から全国へ、日本から世界へという視点で、個々の事業者をサポートしながら一緒に成長するという共通の想いがある」と説明。両社の連携によるシナジー(相乗効果)の大きさにも触れ、昨年10月から始まったぐるなびと楽天のID連携が、早くも着実な成果を上げており、飲食店の予約数が増加していることに言及。「楽天の知見とノウハウを最大限に活かして、ぐるなびが持つ強固な飲食店ネットワーク、食文化活動、グローバル企業との連携などをベースに、飲食店への送客の極大化を早期に実現したい。そして、数年後にはネット予約ナンバーワンのプラットフォーム、飲食店情報サイトの草分けとして確固たる地位を取り戻し、再び成長軌道に乗せていく使命を果たしたい」と、熱く語った。

 引き続き行われた質疑応答では、来場したメディア各社からの質問に対し、一つひとつていねいに回答。飲食店への人的サポート体制は維持していくとしたうえで、「データを分析し、営業スタッフにきちんと武器を持たせ、各々のレストランに適したサポートをしていくことが大事」と、展望を述べた。

「送客の極大化」に向けて、ぐるなびと楽天のシナジーを展望

 ぐるなびの「業績回復から成長軌道へ」の道筋の1つが「送客の極大化=トップラインの回復」だ。この課題への取り組みは2018年7月のぐるなびと楽天の資本業務提携から始まっており、同年10月からはID連携も開始。楽天ユーザーは楽天IDを活用して、ぐるなびの新規会員登録やログインが可能になり、ぐるなびでネット予約をすると楽天スーパーポイントが貯まるため、楽天ユーザーからの新規会員やネット予約の獲得につながっている。ID連携数は今年4月までの累計で100万を突破。同時にネット予約数も10月以降、毎月、前年比120%超を達成している。杉原は、「今後も強力な誘導力を持つ他サイトとの連携を模索し、送客の拡大を図る」と語った。

会見では、ぐるなびと楽天が連携した取り組みの成果についてスライドで紹介された