「RED U-35 2019」の最終審査と授賞セレモニーを開催

日本最大級の料理人コンペティション「RED Uー35」の最終審査と授賞セレモニーが10月15日に行われた。準グランプリに成田氏と野田氏の2名が決定したが、グランプリは大会初の「該当者なし」と発表された。

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最終審査は自由なプレゼン。料理に対する想いを発表

 新時代の若き才能を発掘する日本最大級の料理人コンペティション「RED Uー35」(RYORININ's EMERGING DREAM U-35)。毎年、35歳以下の料理人によって競われ、グランプリ(「RED EGG」)には賞金500万円とともにスターシェフへの道が約束される。

 7回目となった今年は、国内外から総勢435名がエントリー。8名からなる審査員団によって、1次はドキュメント審査、2次はオンライン審査、3次は試食審査が行われた。半年に渡る審査を勝ち抜いたファイナリスト(「GOLD EGG」)は、髙木祐輔氏、荻野聡士氏、小川苗氏、成田陽平氏、野田達也氏、井上稔浩氏の6名。10月15日、東京・日比谷の東京ミッドタウン日比谷で行われた最終審査を経て、準グランプリに成田氏と野田氏の2名が決定したが、グランプリは大会初の「該当者なし」と発表された。

今年の最上位である「準グランプリ」を受賞した成田陽平氏(左・菊乃井本店[京都]料理人)と、野田達也氏(右・コレクティブ メゾン nôl[東京]シェフ)
最上位の女性料理人に贈られる「岸朝子賞」は、ファイナリストの1人・小川苗氏が受賞。「この賞に恥じないよう頑張ります」と喜びを語った

 最終審査は、一般の来場者に向けて1人10分で自由なプレゼンテーションを行うというもの。準グランプリの成田氏は、日本の食文化の奥深さに魅せられ、フレンチから日本料理へ転身した自身の歩みと、日本の食文化を伝え、食の未来を守ることの大切さを語った。同じく、準グランプリの野田氏は料理人を目指した経緯を語り、料理人の新たな働き方や選択肢を伝えるとともに、自身の活動を紹介。そのほかの4名も料理人としての人生を振り返り、大切にしている信条などをアピールし、審査員団からは、各人に創造性や対応力、料理人の使命などを問う質問が発せられた。

最終審査は、来場者への10分間のプレゼンテーション。形式や内容は自由で、それぞれが料理人としての想いを語った
最終審査の終了後、ファイナリスト6名によるフリートークも行われた。戦い終わった6名がリラックスして審査を振り返り、和やかな空気に包まれた

 そして、最終審査後に行われた授賞セレモニーで、審査員長である德岡邦夫氏(京都「吉兆」総料理長)から「グランプリは該当者なし」と発表。德岡氏は「審査員団と真剣な話し合いを重ねた結果、今年はグランプリの水準には達していないと判断しました。研鑽を積んで、来年、再度トライしていただきたい」と語った。

 成田氏は「グランプリを逃したのは残念ですが、まだまだ伸び代があるということ。上を目指し、足りないものを補って成長していきます」と挨拶。野田氏も「グランプリを目指していたので悔しいです。この悔しさを将来のバネにし、期待に応えられる人間になるように頑張ります」と決意を表明した。

審査員長の德岡邦夫氏は、審査過程を振り返るとともに「この審査に携われたことを誇りに思う。今後に大いに期待しています」と挨拶
総合プロデューサーの小山薫堂氏。「RED U-35」の審査方法に触れつつ、「来年に向けサプライズを用意しています」と語り、さらなる発展を誓った

 最後に挨拶に立った総合プロデューサーの小山薫堂氏は、「最良の1人を選ぶために、毎年、試行錯誤を重ね、様々な審査を行っています。料理人の1等賞を決めるのは本当に難しい。多様な価値観があるからです。だからこそ、すべての料理人にチャンスがあるので、ぜひ来年も多くの方に出場していただきたい」と呼びかけた。