最終審査は自由なプレゼン。料理に対する想いを発表
新時代の若き才能を発掘する日本最大級の料理人コンペティション「RED Uー35」(RYORININ's EMERGING DREAM U-35)。毎年、35歳以下の料理人によって競われ、グランプリ(「RED EGG」)には賞金500万円とともにスターシェフへの道が約束される。
7回目となった今年は、国内外から総勢435名がエントリー。8名からなる審査員団によって、1次はドキュメント審査、2次はオンライン審査、3次は試食審査が行われた。半年に渡る審査を勝ち抜いたファイナリスト(「GOLD EGG」)は、髙木祐輔氏、荻野聡士氏、小川苗氏、成田陽平氏、野田達也氏、井上稔浩氏の6名。10月15日、東京・日比谷の東京ミッドタウン日比谷で行われた最終審査を経て、準グランプリに成田氏と野田氏の2名が決定したが、グランプリは大会初の「該当者なし」と発表された。
最終審査は、一般の来場者に向けて1人10分で自由なプレゼンテーションを行うというもの。準グランプリの成田氏は、日本の食文化の奥深さに魅せられ、フレンチから日本料理へ転身した自身の歩みと、日本の食文化を伝え、食の未来を守ることの大切さを語った。同じく、準グランプリの野田氏は料理人を目指した経緯を語り、料理人の新たな働き方や選択肢を伝えるとともに、自身の活動を紹介。そのほかの4名も料理人としての人生を振り返り、大切にしている信条などをアピールし、審査員団からは、各人に創造性や対応力、料理人の使命などを問う質問が発せられた。
そして、最終審査後に行われた授賞セレモニーで、審査員長である德岡邦夫氏(京都「吉兆」総料理長)から「グランプリは該当者なし」と発表。德岡氏は「審査員団と真剣な話し合いを重ねた結果、今年はグランプリの水準には達していないと判断しました。研鑽を積んで、来年、再度トライしていただきたい」と語った。
成田氏は「グランプリを逃したのは残念ですが、まだまだ伸び代があるということ。上を目指し、足りないものを補って成長していきます」と挨拶。野田氏も「グランプリを目指していたので悔しいです。この悔しさを将来のバネにし、期待に応えられる人間になるように頑張ります」と決意を表明した。
最後に挨拶に立った総合プロデューサーの小山薫堂氏は、「最良の1人を選ぶために、毎年、試行錯誤を重ね、様々な審査を行っています。料理人の1等賞を決めるのは本当に難しい。多様な価値観があるからです。だからこそ、すべての料理人にチャンスがあるので、ぜひ来年も多くの方に出場していただきたい」と呼びかけた。