2020/01/08 NEWS

2019年「今年の一皿®」は「タピオカ」に決定!多様性に富んだ楽しみ方で、ブームを超えて社会現象に

2019年12月5日、「今年の一皿」の記者発表会が行われ、大賞は「タピオカ」に決定!一時的なブームを超えて社会現象化したことや、多様性に富んだ楽しみ方が生まれたことなどが評価された。

URLコピー

準大賞は「発酵食メニュー」健康志向で注目度がアップ

 2019年12月5日、「今年の一皿」の記者発表会が都内で行われた(主催株式会社ぐるなび総研)。「今年の一皿」とは、その年の世相を反映・象徴する食材や料理などを人々の共通の遺産として記録に残し、保護・継承する目的で2014年にスタートしたもの。毎年12月に選定結果を発表しており、今年で6回目を迎える。

 「今年の一皿」の選考はまず、ぐるなびのビッグデータを基に、ぐるなび会員へのアンケート、メディア関係者の審査により、4つのノミネートワードを選定。そのなかから「①その年に流行または話題となった」「②その年の社会の動きと関係が深く、世相を反映している」「③食文化の記録として後世に受け継ぐ価値がある」という3つの条件を満たすことを確認し、「今年の一皿」実行委員会が承認・決定する。

 発表会の冒頭、株式会社ぐるなび総研代表取締役社長 兼 株式会社ぐるなび取締役会長・創業者の滝久雄が登壇。「今年の一皿」を受賞した料理や食材が、産地の活性化にもつながっていることに触れ、「国の農漁業の発展をもたらす地方創生の一助になればうれしい」と語った。次に農林水産省食料産業局長の塩川白良氏が壇上に立ち、「農林水産省では、日本の食文化を維持・継承し、諸外国へ広める活動を行っています」と語り、趣旨を同じくする「今年の一皿」にも期待を示した。

農林水産省食料産業局長の塩川白良氏は「発酵食品などの食文化を知ってもらい、継承していくきっかけになれば」と期待を込めた

 そして、ノミネートワードの「タピオカ」「発酵食メニュー」「チーズグルメ」「スパイスカレー」から、2019年の「今年の一皿」が「タピオカ」に決定したことが発表された。選定理由には、「タピる」「タピ活」といった言葉が生まれ、若者のSNSによる発信によって社会現象化したことや、多様性に富んだ楽しみ方が広がったことなどがあげられた。タピオカ愛好家である「たぴりすと。」の奈緒氏と華恋(かれん)氏は、「今回の受賞をきっかけにタピオカが食文化として浸透することを願います」とコメント。またスペシャルプレゼンターとして建築家・隈研吾氏が登場し、「タピオカと同じように、建築デザインもやわらかさが求められています」と語った。準大賞は「発酵食メニュー」が受賞。代表して株式会社菊の井 代表取締役、NPO法人日本料理アカデミー理事長、一般社団法人全日本・食学会理事長の村田吉弘氏が挨拶に立ち、「海外からも発酵食は注目されています。これからも日本特有の発酵文化を守り、育てていきたい」と語った。

2019年 今年の一皿「タピオカ」

一時的なブームを超えて社会現象化したことや、多様性に富んだ楽しみ方が生まれたこと。また、グルテンフリー食材としての活用など、日本の食文化に取り入れられていく可能性も評価された
たぴりすと。(タピオカ愛好家)
奈緒 氏(左)、華恋 氏
「タピオカが後世に受け継ぐ価値があると認められてうれしい」(奈緒氏)、「今後は家庭料理にも取り入れるなど、新たな可能性を見つけたい」(華恋氏)

準大賞「発酵食メニュー」

納豆の市場規模が過去最大を記録するなど、健康志向の高まりとともに発酵食品の需要が拡大。食事に様々な発酵食品を取り入れるスタイルが浸透した
株式会社菊の井 代表取締役
村田吉弘 氏
「世界中で発酵食品がブームになっているが、日本では2000年前から発酵食品を中心に食文化が発展してきた。これからも発酵の食文化を守っていきたい」

その他のノミネート

チーズグルメ
日本人のチーズ消費量が過去最高を記録。輸入量も増加し、さらなる消費拡大が期待される
スパイスカレー
おしゃれな見た目のメニューが登場し、近年のスパイスブームのなかでも特に存在が際立った

 最後に、たぴりすと。の2人と、フリーライターの長友麻希子氏、Webマガジン「メガブラジル」編集長の麻生雅人氏によるトークセッションを実施。明治期から始まる日本のタピオカの歴史や、先住民族の時代から続くブラジルの食文化を紹介し、タピオカの奥深い世界を語り合った。

  • トークセッションでは、タピオカが明治期に西洋料理として日本に伝わったことや、ブラジルでは多彩な料理に使われていることなどが語られた
  • 会場には、タピオカを使ったドリンクやスープ、クレープの試食コーナーが設けられた
  • 会場にはテレビをはじめ、多数のメディアが駆けつけ、「今年の一皿」発表の瞬間を見守った
  • 記念品のスペシャルプレゼンターとして、建築家の隈研吾氏が登場。祝いの言葉を述べた