2021/08/26 NEWS

コロナ禍に強いハンバーガー業態。外食大手が続々参入

ハンバーガー業態が好調な売上をキープしている。コロナ禍でのテイクアウト・デリバリー需要の高まりなどが背景にあり、外食企業の参入も相次いでいる。

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更新日:2022.7.8

目次
コロナ禍の消費者ニーズに合致したハンバーガー業態が好調!
ロイヤル、鳥貴族、松屋などがオリジナルのチキンバーガーやライスバーガーで参入

コロナ禍の消費者ニーズに合致したハンバーガー業態が好調!

 新型コロナの発生以来、逆風が続く外食業界だが、好調な業態もある。ハンバーガーに代表される「ファストフード」だ。

 一般社団法人日本フードビジネス協会が公表する「外食産業市場動向調査」によると、2020年の業界全体の売上高は前年比85%に落ち込んだ。2021年6月は前年同月比100%超となるも、コロナ以前の2019年比では77%。その一方で、ファストフードは好調。2020年の年間売上高は前年比96%と下げ幅は小規模で、2021年6月は前年同月比109%、2019年比でも96.8%となっている。中でも好調なのが、ハンバーガー業態に代表される「洋風ファストフード」で、2020年の売上高は全業態の中で唯一プラス(105%)。実際、ハンバーガー最大手の日本マクドナルド株式会社は2021年2月、2020年決算の営業利益が312億円となり、9年ぶりに過去最高を更新したと発表している。

 コロナ禍となり、人との接触を減らしたいという意識から、外出や外食を控えるなど消費者の行動が変化。飲食店も営業の時間短縮や自粛を余儀なくされイートイン利用は減少したが、自宅での巣ごもり需要は拡大し、テイクアウトやデリバリーが広まった。ハンバーガー業態では、かねてよりテイクアウト・デリバリーのほか、郊外ではドライブスルーサービスも導入しており、これがコロナ禍の消費ニーズにはまったかたちだ。手頃な価格帯のメニューが多く、日常的に食べられていること、インバウンド減少の影響を受けにくいことなども売上キープにつながっているとみられる。

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ロイヤル、鳥貴族、松屋などがオリジナルのチキンバーガーやライスバーガーで参入

 このような市場環境の中、ハンバーガー業態を新規出店する飲食企業が増えている。「焼肉ライク」などを展開する株式会社ダイニングイノベーション系列の株式会社ブルースターバーガージャパンは、2020年11月、東京・中目黒に非接触型のテイクアウト・デリバリー専門店「ブルースターバーガー」をオープン。素材の鮮度と作りたてにこだわったハンバーガーを、184円~という手頃な価格帯で提供している。

  同じくダイニングイノベーショングループで「やきとり家 すみれ」を運営する株式会社すみれは、7月20日、東京・代官山にチキンバーガー専門店「DooWop」をオープン。もも肉を使用したジューシーなチキンバーガーが売りで、ブルースターバーガーと同様に、自社専用に開発したシステムを採用。これによって削減した人件費・食材ロスを原価に還元し、原価率50%を超える290円のチキンバーガーを実現している。

 また、「ロイヤルホスト」などを運営するロイヤルフードサービス株式会社は、2021年5月に新業態となるバターミルクフライドチキン専門店「Lucky Rocky Chicken(ラッキーロッキーチキン)」を東京・武蔵小山にオープン。「Simple & Craft & Green」をコンセプトに、アメリカでコンフォートフード(懐かしい味・幸福感を与える食べ物)として親しまれているバターミルクフライドチキンとフレッシュな野菜を使用したメニューを提供する。「バターミルクフライドチキンバーガー」(500円)は、スパイスなどを加えたバターミルク液に一晩漬け込み、柔らかくしっとりした鶏肉に、独自に開発したスパイスとハーブを加えた衣を付け、スパイシーでザクザクした食感が特徴。提供時に渡すフォークなどは、自然分解される素材を使ったものとし、環境にも配慮している。

 鶏肉を使用したバーガーでは、株式会社鳥貴族ホールディングスの子会社・株式会社TORIKI BURGERが、鳥貴族グループの新業態として、8月23日に「TORIKI BURGER(トリキバーガー)」の1号店を東京・大井町でオープン。国産食材100%で作るチキンバーガー専門店で、オープン前から予告サイトやSNSで情報を発信しており、以前から注目されてきた。チキンフィレをサンドしたトリキバーガーのほか7種のバーガーがあり、ポテトとドリンクのセットが全て590円というワンプライス。7時~10時半は、たまごロール(セット490円)などのモーニングメニューを提供する。

 さらに、「松屋」を運営する松屋フーズは、2021年4月にデリバリー専門のライスバーガー店「米(my)バーガー/こめ松」を東京と神奈川の2店舗でスタート。松屋の人気メニュー「牛めし」「牛焼肉定食」「カルビ焼肉定食」「ビビン丼」をワンハンドで食べられるバーガーで、ライスバンズは五穀米と白米の2種、パティ(おかず)は4種から選べ、焼肉ダレやソースなども自由に組み合わせられる。「牛めし米バーガー」(500円)ほか、豚汁やサラダとのセットメニューも用意。好評につき、6月からは販売店舗を20店舗追加拡大して展開している。

 ハンバーガー市場は、売上トップの日本マクドナルド株式会社が5,892億円、2位の株式会社モスフードサービスが719億円で、マクドナルドがガリバー的な存在だが、外食企業の参入によって新たなメニューやスタイルが提案されており、ハンバーガー市場、ひいては外食市場全体の活性化にもつながることを期待したい。

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