2022/01/25 NEWS

「外食アワード2021」の表彰式が「居酒屋JAPAN」にて開催! コロナ禍で力強く成長する立役者7名が受賞

1月19日、20日に飲食業界・外食業界向けの専門展示会「居酒屋JAPAN」が開催され、19日には「外食アワード2021」の表彰式が行われた。コロナ禍でも著しい成長を遂げたり、外食業界に貢献した企業から7名選ばれた。

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 2022年1月19日、20日に飲食業界・外食業界向けの専門展示会「居酒屋JAPAN」(東京・池袋、主催:居酒屋JAPAN実行委員会)が開催された。「居酒屋JAPAN」は、「居酒屋の未来を創造する」をコンセプトに食材や外食関連の製品の展示会、外食企業経営者によるセミナーなどが実施され、両日で1万4,000人以上(共催の「焼肉ビジネスフェア」の来場者数と合算)の外食関係者が集まった。

「居酒屋JAPAN」の展示会の様子。食品のほか、飲食関連のシステムやサービスなどのブース出展し、多くの外食関係者らが集まった
展示会場では、食材やドリンクなどの試食も行われ、さまざまな商材を試す貴重な機会となった

 1月19日には、本会場内にて「外食アワード2021」(主催:外食記者会)の表彰式が行われた。「外食アワード2021」は、「外食産業の発展と外食の食文化醸成に寄与する」ことを目的に「外食産業界でその年に活躍した人、話題になった人」を選定するもの。2021年は、厳しいコロナ禍でも著しい成長を遂げたり、外食業界に貢献した企業が選ばれた。
 
 「外食事業者」部門では、回転寿司「スシロー」をブラッシュアップさせるとともに繁華街型の寿司居酒屋業態の「杉玉」を開発して好調な株式会社FOOD & LIFE COMPANIES 代表取締役社長CEO・水留浩一氏、卓上レモンサワーの火付け役である「0秒レモンサワー 仙台ホルモン焼肉酒場 ときわ亭」を展開するGOSSO株式会社 代表取締役・藤田建氏、コロナ禍でカフェ業態「Espresso D' Works(EDW)」と食パンの物販店「One Hundred Bakery」を出店し人気店に成長させた株式会社DREAM ON 代表取締役社長・赤塚元気氏、「挽きたて、焼きたて、炊きたて」の3たてにこだわった炭火焼きハンバーグと炊きたてごはん専門店「挽肉と米」を大ブレイクさせた株式会社挽肉と米 Chief Meat Rice Officer/CRO ・山本昇平氏、同Chief Executive Officer/CEO・清宮としゆき氏、同Chief Creative Officer/CCO・小西利行氏が受賞した。

  • 株式会社FOOD & LIFE COMPANIESの水留浩一氏。2015年「スシロー」のトップに就任し、商品面やプロモーションで手腕を発揮。寿司居酒屋「杉玉」は40店舗を展開するほか、寿司店「京樽」を買収し、テイクアウト専門店を強化している。「スシローはITを駆使して効率化を進め、進化させてきた。現在は海外展開を進めており、日本で競争力をつけた業態が海外でも育っていくようにしたい」と水留氏は語った
  • GOSSO株式会社の藤田健氏。全卓に設置された卓上レモンサワーが話題となり、「0秒レモンサワー」の愛称で一大ブームを巻き起こしたことが評価された。藤田氏は「チーム一丸となってコロナ禍を乗り切った成果をいただけて光栄。関係各所からご支援いただいたからこそ。未来を信じてついてきてくれた従業員にも心から感謝を述べたい。今後もより一層精進していきたい」と述べた
  • 株式会社DREAM ONの赤塚元気氏。コロナ禍で「Espresso D' Works(EDW)」「One Hundred Bakery」の出店を加速させ、行列の絶えない繁盛店に成長させるとともに、居酒屋の二毛作店としてスタートしたハンバーグ専門店「君のハンバーグを食べたい」がヒット。赤塚氏は「『将来、コロナがあったからなれた』と言えるような行動をしようと社員と言ってやってきたことが、こういう結果になってうれしい」と笑顔を見せた
  • 株式会社挽肉と米の(左から)山本昇平氏、清宮としゆき氏、小西利行氏。炊きたての米の上に焼きたてのハンバーグをのせて食すというという体験を買ってもらうという、外食ならではの「体験」にフォーカスしてブランディングしたことが表彰につながった。山本氏は「1店舗1店舗をしっかり作っていくことで、『挽肉と米』の価値を作り、飲食の可能性を信じてこれからも進んでいきたい」と話した

 「中間流通・外食支援事業者」部門では、冷凍自動販売機「ど冷(ひ)えもん」を2021年1月に発売したサンデン・リテールシステム株式会社 専務執行役員コールドチェーン事業部長・野口克(かつみ)氏が受賞。コロナ禍で飲食店がこの販売機を積極的に活用して冷凍商品を開発・販売し、時短営業などで減少した売上減を補うことができたことが受賞理由とされた。

 また、2021年の「外食キーワード」として、「酒類提供禁止」「DX」「ミートショック」「チキンバーガー」「フルーツサンド」「映えグラス」の6つを選出した。

酒類提供禁止
緊急事態宣言下、酒類提供の自粛が要請された。2020年の宣言では時短要請だけだったが、2021年の3度目の宣言で4月25日より、酒類提供禁止となり、令和の「禁酒令」とも言われる。ただし、改正コロナ特措法上では、命令や過料を伴う罰則もあったが、それに従わない飲食店は多くの来店客であふれた。

DX
デジタル・トランスフォーメーションの略称。店舗のオペレーションをデジタル機器によって効率化し、対人接触を減らすとともに、本格的な人手不足時代に生産性を上げることを狙っている。ただし、概念はやや曖昧で、単にモバイルオーダーシステムや無人POSを導入するだけのところも少なくない。本来はデジタルデータを分析し、店の仕組み自体を改善することが本筋。まだまだ発展の余地がある。

ミートショック
牛タン、牛ハラミをはじめとした食肉の価格が急騰したこと。背景には、コロナ禍で産地の生産性が下がったことに加え、コンテナ船などの物流も停滞したことにある。値上げは食肉に限らず、食用油や小麦などの基礎食材にも広がっており、外食業界にも大きな影響を与えている。

チキンバーガー
2021年に突如起こったブーム。ロイヤルホールディングスが「Lucky Rocky Chicken」を出店すると、ダイニングインベーショングループの焼き鳥店「すみれ」が「Doo Wap」を開発。鳥貴族も「TORIKI BURGER」を出店し、一気に盛り上がりを見せた。アメリカで、新興の「チックフィレ(Chick-fil-A)」が伸び、大手ファストフードがチキンバーガーに取り組んだことがきっかけだが、コロナでハンバーガー業態の強さを各社が認識し、新しい分野として取り組み始めたという事情もある。

フルーツサンド
旬のフルーツを生クリームとともにパンに挟んだもの。断面がパンや生クリームの白い色に対して、イチゴやキウイなど鮮やかなフルーツが目立つ作り。ここ数年の「映える」トレンドにうまく乗った。専門店だけでなく、コンビニやカフェでも人気で、食事としてのサンドイッチではなく、デザートサンドイッチの立ち位置を獲得している。

映えグラス
ビールやハイボール、サワー類のグラスに、その店のロゴや独特なフレーズをプリント。そのグラスを撮影した写真がSNS映えし、店の認知度向上に一役買い、「映えグラス」を導入する店が急増している。