2011/09/13 NEWS

被災地復興リポート 被災地の“食”は今

震災による津波の塩害を受けた畑で、復興への願いが込められた塩トマトがこのほど収穫された。地元名産に成長させるためのプロジェクトに迫る!

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被災地の"食"は今

宮城県・岩沼市での取り組み

震災による津波の塩害を受けた畑で、復興への願いが込められた塩トマトがこのほど収穫された。地元名産に成長させるためのプロジェクトに迫る!

新たな特産を目指し「復興トマト」栽培スタート!

通常のトマトが糖度5なのに対し、「復興トマト」(塩トマト)は糖度9

東日本大震災の津波で海水に浸かった農地では、作物が育てられないなど、農家にとっては厳しい状況が続く。そんな状況に新しい希望を生むプロジェクト「復興トマトプロジェクト」が始動している。

塩害に遭った宮城県岩沼市にある飯塚農園と八巻農園では、特殊なバクテリアを使い、畑の塩分濃度を下げる手法で、熊本のブランド野菜「塩トマト」の栽培に成功した。共催しているのは、NPO法人農商工連携サポートセンターをはじめ、(株)マイファーム、岩沼ロータリークラブ、東京大学都市持続再生センター。去る6月に露地、ハウス合わせて約600本の塩トマトの苗が植えられ、震災以降、初めて作物の収穫に成功し、現地は喜びに包まれた。写真右上は、8月20~21日に行なわれた、「復興トマト収穫ツアー」の模様だ。また、畑作面積を増やし、地元の名産としてブランド化するプロジェクトをより推進するため、収穫された翌日、東京・京橋で、「復興トマト」の無料配布会を実施(写真右下)。行き交う人々が足を止め、この希望のトマトに熱い関心が注がれた。

取材協力/農商工連携サポートセンター

8月20~21日に行なわれた「復興トマト収穫ツアー」。(株)マイファームが開発した特殊なバクテリアとEM菌で土壌の塩分を低減させる画期的な方法で、塩トマトの収穫に成功
会場に設置された「復興トマト」プロジェクトのパネルにある、「東日本大震災の津波によって海水が入ってしまった畑にトマトを植えましょう!」の文字が人々の目を引き付けた
「復興トマト」の無料配布会は、東京・京橋にある、江戸・大正期に京橋川を経由し、各地から野菜が運ばれていたという大根河岸の跡地広場にて。繁華街・銀座も目の前で人通りも多く、興味深そうに足を止める人々で湧いた