高級魚をリーズナブルに提供。イベントで活気ある店に

海鮮や 十兵衛

大阪 天王寺区・上本町　居酒屋

その日仕入れた魚を売り切る「タイムサービス」で成功！

大阪市内に和・洋の海鮮業態を中心に5店舗を展開する株式会社海翔が、「安さと鮮度」を売りに2007年8月にオープンした居酒屋。上本町駅から徒歩1分の好立地で、最大30名までが利用できる座敷や、6名用の座敷個室なども備え、宴会にも人気が高い。

料理は新鮮な魚介を中心に100種類以上そろえ、日替わりのおすすめメニューシートが2枚に渡るほど、ラインナップが豊富。ときには、天然のとらふぐやクエなどの高級魚を使った一品料理もリーズナブルに提供する。代表取締役の白井佳之氏は、その理由を「父が35年以上続く魚屋を営んでおり、鮮度抜群の旬の魚を大量に仕入れることができるからです」と話す。なかでも、2.5～4人前分の旬の魚を盛り付ける「魚屋名物!!!魂の魚盛り」（2,570円）が人気で、平日は50代以上のビジネス層、週末は近隣に住む年配の夫婦グループやファミリー、外国人観光客などが多く来店する。

集客のピークタイムを狙って行うのが、おすすめの魚料理を特別価格で提供する「タイムサービス」。例えば、さばきたての穴子を握り2カン108円で提供する。「新鮮なものを常に最高の状態で提供したいため、仕入れた魚をその日のうちに売り切ることを重視しています。お客様に喜んでいただくとともに、“あの店なら新鮮なものが安く食べられる”と印象付け、食材のロスを極力減らすことが狙いです」（白井氏）。そのほかにも、じゃんけんやくじ引きでおすすめ料理を半額にするイベントやマグロの解体ショー、マジックショーなどを随時開催。スタッフと来店客の間にコミュニケーションも生まれるため、店内の雰囲気は自然と盛り上がり、活気ある店づくりにつながっている。

ドリンクでは、日本酒の品ぞろえに力を入れ、滋賀県の「笑四季（えみしき）」、奈良県の「百楽門 冴（ひゃくらくもんさえ）」などの地酒を1杯690円で提供。「プレミア酒のほか、これから人気が出そうな酒もそろえ、日本酒通のお客様にも喜ばれています」（白井氏）。また、米は「お米マイスター」が厳選した「オリジナルブレンド米」を使用。特にランチでアピールして、好評を得ている。

ぐるなびでは、宴会コースにも本マグロやアワビなどの高級食材を使用することや、職人が調理する本格的な料理が食べられることをアピールするほか、飲み放題付きの「ぐるなび限定コース」（3,980円～）を3コース設定。ビジネス層の宴会をターゲットにページを作り込み、PV数アップと新規の集客に手応えを得ている。そのほか、「市場の掘り出し物コース」（2,990円）や、中トロやアワビ、金目鯛などが付く「手の届く贅沢魚コース」（4,000円）など、ユニークなネーミングでも印象付けを図り、宴会を獲得。「ぐるなびでの販促を強化したことで、『海鮮＝高級』と思われていたイメージが変わり、集客の幅が広がりました」（白井氏）。

今後の課題は、コース利用の取り込みと、平日の普段使い。当日注文OKの飲み放題は17時30分までにスタートで1,200円、20時30分以降は1,100円と、時間帯別に設定し、早い時間帯や遅い時間帯の集客増を狙う。さらに、2015年4月からは仕込みの効率化を図り、系列店と共通のセントラルキッチンも始動する。

ここがポイント！