繁盛店は客単価を上げて客数を伸ばす - 繁盛の黄金律 -

2017/06/02

神山 泉の繁盛の黄金律

Vol.69
今回の黄金律
繁盛店は客単価を上げて客数を伸ばす

繁盛の大前提は、客数が伸びていること

 お店の人気のバロメーターは、客数です。どんなに売上を伸ばそうと、客数が伸びていなければ、そのお店に未来はありません。それでは、価格を下げて客数を伸ばすのはよいことなのか、というと、それは最善の方法とはいえません。最善の道は、客単価を上げて、客数も増やすことです。そんな無茶な、なんて言わないでください。大方の繁盛店はこの道を進んでいます。そして、確実に利益を伸ばしているのです。

 まず下の表を見てください。価格設定と客数と売上の連動で、よい例を3つ、悪い例を3つ挙げてみました。いちばんよいのは、①の客単価を上げ、客数も伸ばし、売上が上昇する道です。これについては、後述します。2番目によいのは、客単価は変えずに、客数を伸ばす道です。この道で成功した店は、必ず主力商品の磨き込みをして、価値を高めています。量目を増やして価値を高めたケースもあります。3番目によいのは、客単価を下げて客数を伸ばして、売上を伸ばすケースです。でもこれはあまり芸のない道ですね。単純な値下げならば利益が落ちているからです。

客単価と客数の動き。よい例と悪い例

 3つのワーストはもう言わずもがなですね。何をやっても、客数が減って売上が下がったのでは、手の打ち方が失敗だったということです。主力商品の質を上げていこうという意志が店主にないと、こういう結果に行き着いてしまいます。

 さて、ベストの道…つまり客単価を上げ、客数も伸ばし、売上も上がり、利益が増える道について、もう少しお話しいたします。

不要メニューを大胆にカットして主力メニューに注文を集中させる

 客単価を上げるというと、単純な値上げを考えがちですが、これはもっともやってはいけない方法です。それでは、値上げをしないで客単価を上げるにはどういう方法があるか。ひとつは、低価格のメニューを切ることです。これで確実に客単価は上がります。このときの基本姿勢は、主力商品への集中化です。つまり、専門化です。

 ハンバーグ専門店であれば、スパゲティやドリアやカレーといった商品を切る(もしくは、圧縮する)ことで、ハンバーグへの注文の集中を図るのです。そして、ハンバーグの価値の底上げを図ります。値上げではありませんよ。例えば680円、780円、880円、980円という4つの価格があったとしたら、680円を切るのです。これはなかなか勇気のいることですが、ハンバーグの磨き込み(質の向上)が継続的に行われているならば、必ず成功します。お客様が価値アリと認めれば、必ず注文は上位価格に移行します。主力商品への集中化も勇気がいりますが、専門化してレベルを上げていかないかぎり、もう生きていけなくなっているのです。

 総花的にいろいろなメニューがあります、といった店には、もはやお客様が足を向けない時代になったことを、痛切に感じてください。主力商品の人気の高まり→主力商品の注文数アップ→客数の増加→売上も増加、という方向に向かうべし、ということですね。繰り返しますが、そのためには主力商品の磨き込みが大前提になります。

 主力商品に注文が集中すると、調理作業が圧縮され、調理の熟練度が上がって、メニューの均質化が図られます。提供時間が早まるなど、どんどんいい方向に向かいます。結果、ピーク時の客席回転率が上がって、売れる時間がさらに売れるという好循環につながります。逆に言えば、メニューの幅が広いことが、いかに非効率なのかがわかりますね。

 確かに居酒屋のような業態は、ある程度のメニューの幅は必要ですが、それでも必要のないメニューが多すぎます。そんなメニューを置いておくことで、どれだけ作業効率が落ちてしまっているか。また、どれだけロスが増えているか。さらには、どれだけ主力商品の質を落としているか。そこに考えを向けるべきです。

 可もなく不可もない低レベルのメニューをたくさん持っている店に、あなたは足を向けますか。行ってみようと思いますか。メニューは少ないが、突出した質の高いものを出している店にこそ、行ってみたいと思いますよね。専門店しか生きられない。このことを頭に叩き込んでおいてください。

 次回は、メニューの値づけの基本的な考え方について話しましょう。サイドメニューも絞り込みが大前提です。

株式会社エフビー 代表取締役 神山 泉 氏
株式会社エフビー 代表取締役
神山 泉
早稲田大学卒業後、株式会社 柴田書店に入社。「月刊食堂」編集長、同社取締役編集部長を経て、2002年に株式会社エフビーを発足。翌年、食のオピニオン誌「フードビズ」を発刊。35年以上もの間、飲食業界を見続けてきた、業界ウオッチャーの第一人者として知られる。
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