大阪市とぐるなびの「地域活性化包括連携協定」に基づき、「『健康・ヘルシーメニュー』推進セミナー」と「食育教室」を開催
飲食店に栄養価計算を提案。小学生には老舗の味を実演
「食」を通じて地域の活性化を促進するため、大阪市と株式会社ぐるなびは、平成28年6月に「地域活性化包括連携協定」を締結。これは、江戸時代に“天下の台所”と呼ばれた大阪の食文化を継承し、発展させるために、大阪市とぐるなび、それぞれが持つ資源と魅力を活用して協同することで、市の発展に貢献することを目的としている。同協定に基づき、去る10月に大阪市内で2つのイベントが開催され、好評を博した。
1つは、「『健康・ヘルシーメニュー』推進セミナー」(10月20日/ぐるなび大学大阪会場)。消費者の健康志向の高まりを受け、「健康・ヘルシーメニュー」を飲食店の価値の1つとして提案する試みだ。もう1つは、小学生への「食育教室」(10月26日)で、大阪市立開平小学校の6年生を対象に、学校からすぐそばの老舗日本料理店が、大阪の食文化に関する授業と料理の実演を行った。
「『健康・ヘルシーメニュー』推進セミナー」には、ぐるなびに加盟する飲食店の関係者約20人が参加。大阪市保健所管理課 健康栄養グループ 保健副主幹管理栄養士の安道愼一氏が、外食にも「健康・ヘルシーメニュー」が求められていると述べるとともに、それがどんな料理なのか、また、栄養成分値など科学的な根拠を踏まえる大切さを説明。同保健所の管理栄養士・黒瀬結子氏からは、料理の栄養価計算の方法も解説され、参加者は食材の栄養成分表から、料理の栄養価を算出する演習に取り組んだ。また、ぐるなびからは、「健康・ヘルシーメニューの情報発信・アピール方法」が紹介され、ユーザーの動向や「ヘルシーメニュー」の付加価値の高さ、そして店舗やWebでの効果的なアピール方法が提案された。
一方、「食育教室」では、老舗日本料理店「花外楼(かがいろう)」の社長・徳光孝信氏が、開平小学校の6年生の教室を訪れて、教壇に立った。そして、大阪の食文化を支えてきた「出汁」の特徴、出汁に欠かせない昆布の起源、大阪が“天下の台所”と呼ばれていた歴史的背景、“船場料理”と言われる大阪特有の伝統、それらを継承する大切さなどについて、45分にわたって講義を行った。
続いて、家庭科室に移動し、「花外楼」の総料理長・天野光二氏が、店と同じ方法で「一番出汁」「二番出汁」の取り方を、解説を交えながら実演。その後、生徒たちには、それぞれの出汁を試飲してもらうとともに、一番出汁を使った「煮物椀」と、二番出汁を使った「鯛蕪(たいかぶら)」の2品が、「花外楼」の食器で振る舞われた。児童たちは、「一番出汁と二番出汁は、それぞれ個性がある」「普段食べている食材の本当のおいしさを味わえた」「和食の味を大切にしたい」などと、活発に感想を述べていた。
ぐるなびでは今後も、大阪市が取り組む観光振興、食文化振興、地域産業振興の分野に貢献するため、自社の事業インフラやノウハウを総合的に提供していく。
「健康・ヘルシーメニュー」推進セミナー
(10月20日/ぐるなび大学 大阪会場〈北区・梅田〉)
食育教室
(10月26日/大阪市立開平小学校〈中央区・北浜〉)