インバウンド獲得対策の今─ vol.4
DATA WATCHING 編2013年、訪日外国人旅客数が増加中!「食」への高い関心傾向
上半期の外客数は過去最高。7月は初の100万人超え
前回と前々回では、飲食店が訪日外国人観光客を集客するための取り組みを紹介した。今回はあらためて、どれほどの外国人が日本を訪れているのかを整理したい。
日本政府観光局(JNTO)発表によると、2012年の訪日外国人旅客数は、約836万人。2013年に入るとその数は前年同月比を超え続け、上半期(1~6月)だけで、約495万人と過去最高を記録。また、国別に見ても台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナム、インド、オーストラリア、フランスで、訪日旅客数が上半期過去最高を記録した。さらに7月単月の訪日外国人旅客数は、約100万3千人。単月の過去最高数値の92万3千人(2013年4月)を8万人上回り、初の100万人超えとなった。
これらの要因のひとつとして、7月1日より東南アジア5カ国を対象とした訪日ビザの免除・緩和があると思われるが、今後もアジアを中心に訪日外国人旅客数は増えていきそうだ。
下のQ1~4は日本政府観光局(JNTO)による、TIC(ツーリズム インフォメーション センター/東京・丸の内)を訪れた外国人旅客への調査結果の抜粋。
Q1の滞在日数を見ると、一番多いのは「8~14日」、平均では17日という結果に。これは調査対象に、比較的滞在日数の長いヨーロッパ・北米・オーストラリアからの観光客の割合が高いためと思われる。滞在日数が長ければ、それだけ様々な業態の飲食店に外国人観光客を集客するチャンスが増えると言えるだろう。
Q2はインターネットに関する設問。滞在中に利用すると答えた約91%のうちの、実に9割が利用端末を持参。目的の1位は「Eメール」だが、2位は「観光地や観光施設の検索」。また近年では「SNS」という回答も急上昇。飲食店情報は、口コミでの拡散も狙えそうだ。
Q3は日本で関心のある項目について。平成22年度は「日本料理を食べる」が2位。もっとも、それ以前は「日本料理を食べる」が3年連続トップに位置し、「食」への注目度はずっと高い。Q3の結果は、「食」の人気が下がったというより、「伝統的建築様式」の人気が高まったと見るべきだろう。「和食」が無形文化遺産への登録勧告を受けたことから(4~7P参照)、今後、日本食への注目はますます高まると思われる。
Q4は食事の満足度。日本食の中でもとりわけ寿司の人気が圧倒的だが、「居酒屋」という日本独特の業態も外国人には人気が高い。外国人がどんな料理に興味を持ち、満足しているのか、ぜひメニューや接客の参考にしていただきつつ、指差しメニューなど、できれば英語メニューも用意したい。
インバウンドとは?
「海外から日本へやってくる外国人旅客」のことを指します。国土交通省を中心に展開される「ビジット・ジャパン」事業(2003年~)などにより、2012年には約836万人もの外国人が訪日。今後も増加が予想されるインバウンドの集客対策は、飲食店にとって重要な課題のひとつだ。
ぐるなびによる訪日促進サイトJapan Trend Ranking
「行ってみたい日本、もう一度行きたい日本へ」をコンセプトに、ぐるなびが2013年4月25日に開設した、日本の今の魅力を伝えるWebサイト。
全国50万件の飲食店情報と、全市区町村の生産者とのネットワーク、約2万人のシェフのコミュニティを有するぐるなび独自の“本物の情報”を駆使し、海外や外国人に対して正しい日本食や食文化を理解してもらうことにより、結果として日本の外食文化の健全な発展、そして海外における“日本のファン”作りを狙い、訪日外国人観光客の拡大を目指していく。
■会員(登録無料)になることで様々なキャンペーンへの参加が可能。サイトの随所に「ぐるなび外国語版」への誘導口を設け、店舗ページの閲覧を促進。
■日本の伝統料理やご当地グルメのほか、名所旧跡、温泉、文化・芸能や、ショッピング、四季のイベントなど、日本全国の最新トレンドをランキング形式で紹介。
ご存知ですか?増加するインバウンド対策には詳細情報を発信可能な「ぐるなび外国語版」!
外国人客の来店を促進する販促と、外国人を受け入れる体制整備を両立する「ぐるなび外国語版」。店舗ページを英語、韓国語、中国語(簡体字、繁体字)に対応させ、店の売りや特徴をアピール。PC・スマートフォンにも対応する。また、受け入れ体制の整備として、店舗ページのメニュー情報をプリントアウトするだけで、簡単に外国人客用のメニューとして使用できるほか、接客に不可欠な会話を前述の4言語・字体でサポートする音声ペンや「指差し会話集」も手に入る。内容や掲載料金、加盟特典等に関する詳細は、担当営業またはサポートセンターまで。