株式会社 そら 代表取締役 都築 学 氏 - 挑戦者たち -

2017/06/15

多くの人が輝くことができる
多彩なステージを創りたい

株式会社 そら 代表取締役 都築 学

千葉県船橋市に本社を置く、株式会社そら。「そら」には、同じ理念のもとに無限に広がる企業になりたいという想いが込められている。代表取締役の都築学氏は、31歳のときに独立。焼鳥が売りの店を皮切りに、現在、22店舗を展開するまでに成長。さらに、他分野のビジネスも手がけ、将来はホールディングス化を目指している。

――転職して飲食業界に入られたとか。その経緯を教えてください。

 実家が居酒屋を営んでおり、高校時代から店を手伝っていました。一方でスポーツが好きだったことと、スキー・スノーボード用品の開発に携わりたかったので、工業系の大学を卒業後は、スポーツ用品メーカーに就職。しかし、企画を出しても通らず、力を発揮できずに悶々とした日々。当時はそんななかでできることを模索し、様々な資格に挑戦しては挫折していました。そしてあるとき、自分の原点である飲食業に戻って家業を継ごうと決め、入社3年目に退職したのです。

――最終的に実家の居酒屋を継がず、ご自身で店を出された理由は?

 当初から、いつか飲食ビジネスで起業したいという思いはありましたが、まずは昔ながらの実家の居酒屋を、若い世代も来店するような“かっこいい”店にしたいというミーハーな考えのもと、修業に出ることに。ぐるなびで、東京や大阪など大都市の気になる店をピックアップし、とにかくかっこいいイメージの店に片っ端から電話をして、面接を受けに行きました。面接では将来の独立について、また、40歳でオーストラリアに移住したいことなど、夢を語りました。そうやって30くらい受けたなかで、夢に共感してくれた飲食企業が2社ありました。そのひとつで、千葉に本社がある株式会社くふ楽(現・株式会社KUURAKUGROUP)に入社を決めました。たまたま、名古屋時代からの数少ない友人の1人が近くに住んでいたのも、何かの縁だったかもしれません。

 くふ楽には計6年半在籍し、調理、店舗作り、マネジメント、マーケティング、採用・教育など、飲食業に必要なことをすべて勉強させていただきました。その結果、実家を継ぐより自分が思い描く店をつくろうと、2006年、千葉の北習志野に1店舗目となる「串焼・旬菜食堂 うっとり」をオープン。お世話になったくふ楽で学んだ焼鳥を、メインに据えた店でした。

――その後、店舗を展開し、会社も設立。業績は順調だったのでしょうか?

 1店舗目は約3カ月で軌道に乗ったのですが、翌2007年に手がけた店で手痛い失敗をしました。ちょうど2店舗目を考えていたときに知り合いから話があり、スパニッシュ・イタリアンの不振店舗を引き受けたのです。しかし、初月から大赤字で、1号店の利益をすべてつぎ込むことになりました。私は、飲食店で重要なのは「採用・教育・業態開発」の3つだと考えているのですが、そのときはなじみがないジャンルなのに、深く研究をしなかったので、業態を磨くことができませんでした。さらに、社員を1名投入したのですが、元いた店舗スタッフとは文化も店に対する考え方も異なっていたため、お互いに不満がくすぶって、疲弊してしまいました。結果、4カ月で閉めることになりました。

 その経験から、しっかり社員を守っていかなければという思いが沸き、今度は、経営が安定していた1店舗目の要素を取り入れた「博多 串焼・もつ煮込み うっとり」を出店。直後に株式会社そらを設立し、今まで培ってきたものをまとめて、企業理念も作りました。みんなのベクトルが同じになる指針がないと、バラバラになる。2店舗目の失敗でそう痛感したのです。理念は、「真っ直ぐに、個性を大事に、愛情一杯に、イキイキ働く!」「世の中に価値を提供できる人になる!」「すべてはお客様の幸せのために!」の3つです。

――理念を定めた効果は? また人材育成についてはどう考えていますか?

 理念を決めたことで、それに共感してくれる人が集まり、その後の会社の成長につながったと実感しています。

 また、私は「飲食ビジネスは教育産業」と考えています。ですから、社内に教育チームを作り、独自の教育ツールを使って、店長、ナンバー2、業態別の料理部門やサービス部門など、様々な階層別、部門別研修を実施。新卒採用を本格的に始めてからは、採用の段階で理念を説明し、共感できる人のみを採用。オリエンテーションと理念浸透の時間を設けています。

 さらに、年2回の評価に基づく表彰制度も作りました。顧客満足・従業員満足・人材教育・仕組み作り・売上利益貢献という、QSCに基づく5つの成果などを、それぞれの基準に沿って評価し、社員、アルバイトの上位各15人を表彰しつつ、2班に分けて報奨旅行を実施します。そのほか、サービスに関するコンテストも開催しています。これらは、スタッフのモチベーションアップや意識改革、仕事レベルの向上に効果があると考えています。

 また創業時から、様々なイベントを通じて社内のコミュニケーションを深め、風通しをよくしてきました。コミュニケーション不足は、人材の問題に発展するからです。社員が100人を超え、大所帯になってからは、より組織の層に合ったイベントを実施しています。例えば、若い世代を迎え入れる新卒社員の入社式は、花見を兼ねたバーベキューを行い、活気や楽しさを感じてもらう。その後は、富士登山に行き、キャンプファイヤーなどで一体感を培います。そのほか、渓流釣り、花火鑑賞会、カジノパーティ、誕生月の社員を集めた会などを、全社的、チーム別など、様々な枠組みで行っています。

――飲食店の多業態化と同時に、飲食以外の事業へも進出していますね。

 優秀で、当社の理念にも共感しているけど、どこか飲食ビジネスになじめない。そんな人材を活かせる場を作ろうと考えたことが、事業の多角化のきっかけ。スポーツが好きだったこともあり、スポーツ・ストレッチ事業部を立ち上げたのが最初で、それからコンサルティング事業部やのれん分け事業部などを始め、今年の5月には、車の販売などを行うカー事業部もスタートさせました。

 柱の飲食事業部は経営店舗が22に拡大し、業態もエリアも広がっています。既存の業態を掘り下げ、独自化していくのが当社のやり方です。エリア選びは“地域一番店”になれることが大事。これまでは大都市周辺に出店してきましたが、今年は代々木や麻布十番など、都心の激戦区に進出しました。また、一度頓挫した海外出店の準備も進めています。

 私は、チャレンジできなくなった企業は成長しないと思っています。だから今後も、新業態、新ビジネス、新たなエリアへとチャレンジを続けます。「こういうことをやりたい」と手を挙げる社員がいれば、その実現に向けて最大限の力を尽くし、多くの人が輝けるステージを用意したいですね。

 事業部は今後も増やしていきますが、今は社内をデザインし、バーチャルな子会社をたくさん作っているイメージです。各事業部が3億円、5億円を売り上げる企業として独立し、グループとして集合体になれば、強い組織になるはず。そうして、将来的にはホールディングスを作りたい。私自身は、人、モノ、お金、地域、ビジネスなどを結びつけ、ステージを創る「プロデューサー」でありたいですね。

都築 学 氏
都築 学 氏
 
Azzurro520 ほぼ新宿のれん街店(東京・代々木)
Azzurro520 ほぼ新宿のれん街店(東京・代々木)
https://r.gnavi.co.jp/4k1gxaf80000/
東京・代々木駅前の、古民家をリノベーションした一角に店を構えるスパニッシュ・イタリアン。産地直送の新鮮な魚介料理が自慢。
焼鳥 佐田十郎(東京・麻布十番)
焼鳥 佐田十郎(東京・麻布十番)
https://r.gnavi.co.jp/4ta06vhu0000/
東京・麻布十番の飲食激戦区に2017年3月オープン。低温熟成鶏の焼鳥と鴨しゃぶ、おしゃれな空間で地域一番店を目指している。
様々な社内イベントで、社員とコミュニケーションを図る。彼らのなかから社長を生み出すことが都築氏の夢
様々な社内イベントで、社員とコミュニケーションを図る。彼らのなかから社長を生み出すことが都築氏の夢
都築 学 氏
Profile
Manabu Tsuzuki
1975年、愛知・名古屋生まれ。実家は居酒屋を経営。大学卒業後、スポーツ用品メーカーを経て、飲食業へ。2006年に独立・開業。2008年に株式会社そら設立。現在、飲食店22店舗のほか、ストレッチ8店舗、カーセールス1店舗を運営。趣味はサーフィン、ゴルフなど。
Company Data
会 社 名
株式会社 そら
所 在 地
千葉県船橋市習志野台2-26-11
Company History
2006年
「串焼・旬菜食堂 うっとり」オープン
2008年
「博多串焼・もつ煮込み うっとり」オープン。株式会社そら設立
2011年
「炭火のうっとり」オープン
2012年
スポーツストレッチ事業部設立
2013年
「炭火イタリアンAzzurro520+Caffe」オープン
2016年
シンガポールにSOLA ASIA設立
2017年
「Azzurro520 ほぼ新宿のれん街店」「焼鳥 佐田十郎」オープン

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