ハイライトインターナショナル株式会社 代表取締役 和田 高明 氏 - 挑戦者たち -

2018/11/22

「従業員が輝ける職場」に。
人生のハイライトを作りたい

ハイライトインターナショナル株式会社 代表取締役 和田 高明

「10坪以下」「通りから奥まった場所」など、一般的に不利な立地にある小さな店ながら、繁盛店へと成長させ、現在、東京都内に8店舗を展開するハイライトインターナショナル株式会社。代表の和田高明氏は、飲食業未経験で開業した、まさに“挑戦者”。これまでの歩みから、今後、目指していく道についてうかがった。

――未経験で飲食業界に飛び込んだ経緯を教えてください。

 高校生のとき、地元にあるラーメン店の出前のアルバイトをしましたが、特に飲食業が身近だったわけではありません。そんななか、17、18歳のときに、漠然と自分で事業をやりたいという夢を持ったのです。ただそれは、「社長になってベンツに乗りたい」みたいな単純な憧れで、具体的なビジョンはありませんでした。そこで、まずは社会人としての経験を積もうと、大学卒業後は食肉メーカーに就職しました。ここに在籍したのは6年でしたが、様々なことを学んだように思います。

 実はもともと小心者で、人前で話すのが苦手。しかし、営業に配属され、クライアントとコミュニケーションを取ることが必要とされるなかで、苦手としていることも克服しなければと思い、とにかく“気合と根性”で頑張りました。その結果、売上など数字的な成果も上がり、同時に、入社すぐの研修ではボロボロだった人前でのプレゼンも、いつの間にか得意と言えるまでに。4年間ルート営業を担当し、その後の2年は本社で仕入れや企画の仕事などに携わりました。営業の人たちに商品を売ってもらうための仕組みづくりや、人を動かすための施策、何より、「安く仕入れて高く売る」という原理原則など、商売の基礎をここで学びました。そして、この原理原則をしっかり押さえておけば、どんな商売でも成功できるのではないかと思い始めました。

――会社を辞めて起業する際、飲食業を選ばれたのはなぜですか?

 ちょうど辞める前に会社で手がけていたのが唐揚げ専用の鶏肉で、当時、鶏の唐揚げがブームになっていたこともあり、「起業するならこれだ!」と思い立ったのです。会社員時代に貯めていた1000万円を資金に、2011年5月、東京・練馬に唐揚げが売りの1号店「AkiTaka」をオープンしました。飲食のイロハもわからない状態で出した店舗でしたが、順調に滑り出し、月100万円の利益を出すことに成功。調子に乗って2013年3月、板橋に2店舗目となる焼鳥店を出しましたが、ここで飲食業の厳しさを知ることに。あまり考えずに選んだ物件で立地が悪いうえ、「焼鳥とかいいんじゃない?」程度で業態を決めたため、商品にも魅力がなく、お客様はまったく来ない。いま考えると何もかもダメで、わずか3カ月で閉める結果になりました。同じ頃、「AkiTaka」の売上も落ちてきて、経営者として「何が欠けているのか」「利益を上げるには?」ということを、本気で考え始めました。

――この失敗が転機になったわけですね。その後、どう変えたのでしょう?

  まず、「売上がそう上がらなくても成立する、しっかり利益が出る店をつくろう」と考えました。そしてもう1つ、商売の原理原則に立ち返り、それまではある種ごまかしながらやってきた、「商品の価値」に目を向けたのです。見てくれの価値ではお客様は来てくれない、そこに本質的な価値を乗せなければ売れないと、あらためて考えました。その意識を持って高円寺にオープンしたのが、「肉Bistroパテ屋 高円寺」です。7坪と小さい店ですが、約10万円と家賃が安く、これなら利益が出せると考えました。テレビ番組に取り上げられたことも幸いし、なんとか軌道に乗せることに成功。その後は肉業態に特化して、1年1店舗のペースで神田、亀戸、練馬に「肉バル ブラチョーラ」を出店。同時に既存店のブラッシュアップも行っています。

――飲食業界での様々な経験を経て、いま、何が大事だと考えますか?

 当社のコンセプトは、「個店の集合体」。飲食店も個性が求められている時代ですから、魅力のある店であることがベースになります。そういう意味では、10坪以下の小さい店の方が色を出しやすいと考えています。今年、高円寺にオープンした、初めての和食の肉業態「やさい串巻き 肉巻屋串衛門」も7坪。今後も物件ありきで、「この立地、この物件なら、この業態」といった形で出店していきたいですね。

 ただ、やはりしっかり価値のある店を作らなければいけません。「安く仕入れて高く売る」原理原則だけでなく、10~20年後も続く店であることが大切です。そのためには、「気づき」が重要。店全体に目が届く小さい店だからこそ、お客様のちょっとした動きや表情などから、何をしてほしいのか気づくこと。マニュアルやルールではなく、気持ちでお客様に接することの積み重ねが、「また行きたい」につながり、常連をつくるのだと思います。

――スタッフの育成・教育において、大切にされていることは何ですか?

 社名にもあるように、「誇りを持てる会社 人生のハイライトを作る!」が経営理念。社員が、この会社に入ってよかったと思える仕組みや体制を構築しなければならないと考えています。そのための第一歩として、いま計画しているのが「社内独立制度」。2020年からは業務委託という形で、現在ある店をやる気のあるスタッフに渡していく予定です。業務委託という形であれば、店を任された側の自由度も高いですし、自分の頑張り次第で収入も上がる。そういう夢を抱けるシステムは、人材不足の飲食業界にとってこの先、必要不可欠になると考えています。

 一方、社員の多くは20代と平均年齢が若く、彼らが抱く夢が必ずしも独立起業とは限りません。そういう社員のために、会社にいながら様々な経験が積めるよう、飲食事業だけでなく、食肉卸事業やイベント事業、農園事業と、多角的な経営を進めています。様々なフィールドを経験することで、より自分に合ったことを見つけられる可能性がありますし、農園事業で得た知識などは、接客の際に役立てることもできる。あるいはイベント事業で出展し、「お祭りの屋台で食べる焼きそばのおいしさの秘密は何なのか?」と突き詰めて考えることで、飲食店における“空気感”の大事さに気づく。そういう相互作用によって、人間としても成長できるはずです。1~2年で転職する人が多いと言われる飲食業界で、何も変革しなければ先細りだと思っています。ですから、いろいろな夢を持った社員一人ひとりが輝けるよう、社内の制度を整えていきたいですね。

――経営者として感じていること、今後、注力したいことは何ですか?

  数年前から純粋に感じているのは、「信用できる人が周囲に増えていくことが何よりうれしい」ということです。「社長になっていい車に乗りたい」みたいな、自己の欲求からスタートしましたが、今は「人のために」に変わりました。なぜなら、これまでの経験を通して、飲食店は人ありきと実感しているからです。だからこそ、一緒に働く仲間を様々な形でサポートしていきたいという想いが大きいですね。社員が誇りを持って働き、夢を叶えていくためにはどうすればいいのか、それを考えるのが私の役目。今後も、従業員やお客様を含めて、「人生のハイライト」を作れるように頑張っていきます。

和田 高明 氏
和田 高明 氏
肉Bistro パテ屋 高円寺(東京・高円寺)
肉Bistro パテ屋 高円寺(東京・高円寺)
https://r.gnavi.co.jp/gamu201/
120日以上熟成した穀物肥育牛をグラム単位で量り売りするスタイルが好評。記念日・誕生日の利用も多く、女性を中心に集客する。
 
炭火個室肉バル ブラチョーラ練馬(東京・練馬)
炭火個室肉バル ブラチョーラ練馬(東京・練馬)
https://r.gnavi.co.jp/7bspkfvj0000/
カウンター、テーブル席、ソファ席の半個室などがあり、70名の貸切にも対応。肉が満載のコースなどが人気で、宴会での利用も多い。
大多数が20代とまだ若い社員たち。彼らの心をつかむべく、和田氏自身も店に立って自らの姿勢を見せている
大多数が20代とまだ若い社員たち。彼らの心をつかむべく、和田氏自身も店に立って自らの姿勢を見せている
和田 高明 氏
Profile
Takaaki Wada
1982年、東京都町田市出身。大学卒業後、食肉加工メーカー「米久株式会社(現伊藤ハム米久ホールディングス)」に入社。4年間、ルート営業として働いた後、仕入れや商品企画に携わり、28歳で退社。2011年、「AkiTaka」をオープンして開業。現在、都内に8店舗を展開する。
Company Data
会 社 名
ハイライトインターナショナル株式会社
所 在 地
東京都練馬区豊玉北5-17-21 2F
Company History
2011年
東京・練馬に「AkiTaka」オープン
2013年
ハイライトインターナショナル株式会社設立。「肉Bistroパテ屋 高円寺」オープン
2014年
「肉バル ブラチョーラ神田店」オープン
2015年
「肉バル ブラチョーラ~亀戸~」オープン
2016年
「炭火個室肉バル ブラチョーラ練馬」オープン。
2017年
「肉バル ブラチョーラ 高円寺」オープン
2018年
「肉巻屋串衛門 高円寺店」「肉イタリアンパテ屋」オープン

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