通年脂が乗る山陰のノドグロ。小ぶりでも極上の味
島根県西部、日本海に面した浜田市。県下随一の水揚げ量を誇る浜田漁港を擁し、市の魚でもある「ノドグロ」、加工が盛んな「カレイ」、脂質10%以上の「アジ」の三種を、水産ブランド「どんちっち三魚」に指定(どんちっちとは、地元の伝統芸能である「石見神楽(いわみかぐら)」のお囃子(はやし)を表す幼児言葉)。その加工品の製造・販売にも力を入れている。この「どんちっち三魚」を軸に成長を続けているのが、河上清志氏が代表取締役を務める株式会社シーライフだ。
浜田市は干しガレイの生産量日本一で、他の魚種の加工を手がける事業所は少なかったが、河上氏は高級魚のノドグロに着目。「干物の生産からスタートしたものの、水揚げされるノドグロは、干物の原料としては小さいものが7~8割。それらはふりかけやお茶漬けなど様々な商品に加工しました。その後、飲食店への販路拡大を考えて新商品を模索していたとき、知り合いの寿司店が、小さなノドグロの頭を落として唐揚げにしてくれました。骨まで食べられてとてもおいしかった」と河上氏。そして、今年2月から本格的に商品化。体長10センチ程度のノドグロの頭、内臓、ヒレを落として洗浄し、急速冷凍。1キロ単位で販売を始めた。「この頭をとったノドグロをシェフたちに自由な発想で使ってもらえないかと思ったのです」と話す河上氏は、ぐるなび担当者のすすめで「山陰食材フェア」(7月中旬~9月中旬の2カ月実施)に参加したところ、20軒近くの飲食店からオーダーがあった。
その1つが東京・築地のフレンチレストラン「セ シュエット」。「伝統的なフランス料理を、手頃な価格で気軽に」と語るオーナーシェフの河野匡泰氏は、食材に対するこだわりも強い。この地に出店したのも、築地市場が近いことが大きな理由だ。一方で、産地から直接食材を仕入れたいという想いもあり、「山陰食材フェア」に参加した。「ノドグロは、大きなものを切り身にしてポワレで提供することはありますが、このサイズは初めて。シンプルなマリネなどではなく、ブイヤベースに使うことにしました」(河野氏)。そしてフリットにしたノドグロ2尾をトッピングした「浜田産ノドグロの特製ブイヤベース」が完成。魚介から取った濃厚なスープに、カサゴ・スズキの切り身や、ムール貝・ホタテの入ったブイヤベースとノドグロとの相性は抜群だ。フェアメニューの中でも人気の一品となり、「秋以降もメニューに残していきたいですね」と河野氏。
「新しい食材との出合いは新鮮。メニュー開発の刺激となり楽しいですね。これからも産地フェアにはぜひ参加したい」と意欲を燃やす河野氏。生産者とシェフのこだわりが出合い、今後も新たな料理が誕生し続けていくだろう。
シーライフ
島根県浜田市原井町907-2
http://sealife-hamada.net/
2006年創業。スタッフは総勢16名。「どんちっち三魚」を中心に、浜田市で水揚げされた新鮮な魚介の加工品の製造、卸、販売までを一貫して手がける。常に新しい商品を開発し、販路を拡大。浜田市の活性化を目指す。
セ シュエット
東京都中央区築地2-12-16 イーストギンザ2F
http://r.gnavi.co.jp/a143900/
肩肘張らずに本格的なフランス料理を味わえる、築地の裏通りに面した隠れ家的レストラン。旬の食材を活かした豊富なメニューは、何度来店しても新鮮で“夜ランチ”のセットも好評。近隣の勤め人や住民のリピーターで常に賑わう人気店。
「産地フェア」で全国の食の魅力を発信!
http://r.gnavi.co.jp/foodfair/
テーマにあわせた各地の食材フェアをぐるなびが紹介する「産地フェア」。全国の“厳選食材”の生産者と飲食店を結び、ユーザーに提供することで、お店のファン獲得を狙うこの企画。実施エリアや開催スケジュールなどの問い合わせは担当営業まで。