2023/09/26 特集

【注目の新業態】Z世代&ミレニアル世代を意識した進化系もんじゃ業態~「元祖海老出汁 もんじゃのえびせん」

2023年に入ってからもんじゃ業態を出店する企業が増えている。その先駆けが株式会社ダイナックの「元祖海老出汁 もんじゃのえびせん」だ。Z世代を意識した創作もんじゃやドリンクで人気を集めている。

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 コロナ禍以前は、大型宴会を誘引するオフィス立地の飲食店を手掛けてきた株式会社ダイナック。2021年9月、再建を託された新社長の秋山武史氏は、それまでのビジネスモデルからの転換を図ってZ世代・ミレニアム世代にフォーカスした新業態を次々と打ち出した。その一つが、2022年11月に大阪・天満に1号店を出店した「元祖海老出汁 もんじゃのえびせん」だ。以降、2号店(大阪・梅田、2023年7月)、3号店(同・福島、8月)を相次いで出店し、いずれも好調。なかでも43坪の天満店は客の7割がZ世代と狙い通りの集客に成功し、平均客単価2,300円弱で最高月商916万円(2022年12月)を売り上げている。

目次
「もんじゃ」の可能性に注目し、若い世代向けの業態に
「海老出汁」を使ったもんじゃが看板
名物「みぞれサワー」も若い世代を意識
渋谷店では客単価アップ&月商1,600万円を目指す

いち早く「もんじゃ」の可能性に注目し、若い世代向けの業態として開発

元祖海老出汁 もんじゃのえびせん 渋谷ストリーム店(東京・渋谷)
東京都渋谷区渋谷3-21-3 渋谷ストリーム2F
https://r.gnavi.co.jp/akn6c6k40000/
東京初出店は、2023年9月11日オープンの4号店「渋谷ストリーム店」。若者やビジネス層、買い物客らで賑わう渋谷駅直結の複合商業施設内のレストラン街にある

 もともと、もんじゃは東京のローカルフード。下町を中心に愛されてきたが、近年は若者を中心に徐々に人気が高まり、「ブームの兆し」と言われるほどの広がりを見せている。実は秋山氏は、早くからもんじゃ業態に注目。当時、サントリーのグルメ開発部長として年間300~400の飲食店を視察していた秋山氏は、「メニューの中にもんじゃを取り入れる居酒屋が増えており、それにZ世代・ミレニアム世代がよく反応していたんです。そこで『彼らにとってもんじゃは、新しい食体験なのだ』と気付きました」と振り返る。

 また同じ時期に、洋食のシェフが作る独創的な創作もんじゃの店にも出会い、もんじゃの持つ可能性への期待をさらに高めた。

 2020年春には、東京・新宿に実験的にもんじゃ酒場を出店。こうした経験と知見が、新生ダイナックの「元祖海老出汁 もんじゃのえびせん」に結実したと言っていい。もんじゃ文化のない大阪から始めたのは、東京より先に物件が見つかったからだ。


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海老だしを使ったもんじゃが看板。ほかにも概念を覆す創作もんじゃが多数!

オリジナル&アレンジもんじゃ各種。手前が一番人気の「元祖海老出汁もんじゃスペシャル」(1,749円)、左が「毛沢東スパイスマーボー」(1,089円)、奥は「タイ風ココナッツカレー」(1,089円)

 新業態の開発にあたって力を入れたのは、「従来のもんじゃにとらわれないオリジナリティー」と秋山氏。その一つが店名にもある「海老出汁」だ。事業開発本部部長の大森俊哉氏は「洋食の技術を活用し、開発に数カ月をかけた自慢のだし」と胸を張る。その濃厚な出汁に海鮮と野菜をたっぷり盛り込んだ「元祖海老出汁もんじゃスペシャル」(1,749円)は、駄菓子屋のおやつとして始まったもんじゃの概念を完全に覆すクオリティーを獲得している。

  • 「元祖海老出汁もんじゃスペシャル」の調理風景。具材は、エビ、明太子、イカ、ベビーホタテ、もち、チーズ、紫キャベツ、ネギ。土手を作り、中央にだしを入れて仕上げる。一般的なもんじゃ焼きと比べても素材の大きさが際立つ
  • 最後にチーズをかけて完成。こだわりの「海老出汁」の香りが食欲をそそる
さまざまな創作もんじゃを用意。(写真左上から時計回りに)「明太子もちチーズ」(1,419円)、「ベーコンともろこしのクワトロチーズ」(1,419円)、「博多とんこつラーメン」(1,089円)、イカ墨リゾット(1,419円)

 さらに“旅するもんじゃ”をテーマに、タイ料理や中国料理などをベースにしたアレンジもんじゃを多数考案。旬の食材を使った期間限定もんじゃも投入して、リピーターを獲得している。

酒類のおつまみとして、一品料理や鉄板料理を約30種類用意。枝豆などの定番から、鉄板を生かして熱々を提供するメニューまで幅広い。ほかにお好み焼きや〆の甘味も
  • 一品料理の一番人気「謹製 牛すじ塩煮込み」(539円)。厨房で作り、ステンレスの器に入れて客席の鉄板に置くことで、最後まで熱々を食べられる
  • 「あれこれ巻けるたまご焼き(ほぼカニタルタル)」(649円)。スタッフが目の前の鉄板で焼いて提供するスタイル。キムチやチーズなど巻く具材を選ぶことができる
  • 「あんこ巻き」(539円)。昔ながらの「もんじゃ焼き」の定番甘味。ソフトクリームのトッピングもある
  • 「おいりソフトクリーム」(539円)。「おいり」は四国名産のカラフルなあられ。SNS映えするビジュアルが人気

名物「みぞれサワー」と筆頭に、ドリンクも若い世代を意識

焼酎に加水してみぞれ状にした名物ドリンク「みぞれサワー」。(写真左から)「キャラメル焙じ茶ラテハイ」(649円)、「純生レモンサワー」(539円)、「こだまのバイスサワー」(539円)、「大人のスパイシージンジャーサワー」(649円)、「杏仁イチゴのみぞれサワー」(649円)

 もちろん、ドリンクも他店との差別化を追求。加水した焼酎をみぞれ状にした「みぞれサワー」、生のパイナップルを客自身が絞って仕上げる「えびせんのジャンボ生搾りパイナップルサワー」(979円)など、見た目のインパクト十分なオリジナルドリンクを用意している。

ビールや焼酎、ハイボールなどの定番のほか、名物の「みぞれサワー」「生搾りサワー」「おいりフロート」などインスタ映えするメニューを多数ラインナップ

渋谷店では客単価アップで、目標月商は1,600万円を目指す

 2023年9月には東京1号店として「渋谷ストリーム店」(60坪、110席)をオープン。若者やビジネス層が多く行き交う渋谷駅直結の複合施設で、カウンターとテーブル席のほかに個室も用意し、多様な食シーンに対応している。また、同じビルの階上にオフィスがあることからランチも提供。もんじゃと一品料理のほか、鉄板を利用した「トンテキ定食」(1,100円)などをそろえている。

 今後は、東京・神奈川を中心に出店を計画。東日本における旗艦店となる「渋谷ストリーム店」は平均客単価を約3,000円と見込み、目標月商は1,600万円。Z&M世代を中心に“古くて新しい食体験”の認知を広め、さらなる成長をめざす。

株式会社ダイナック代表取締役社長 秋山 武史 氏
サントリーのグルメ開発部でメニューや業態開発に従事し、角ハイボールブームを牽引。2021年9月より、サントリーの100%子会社として再出発した株式会社ダイナックの代表取締役社長を務める。

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