2024/05/01 特別企画

高田馬場「麺屋宗」が身に付けた、ラーメン激戦区で生き残るための戦い方

東京・高田馬場の人気ラーメン店「麺屋宗(SOU)」。経営母体でラーメン店4店舗を経営するSOU株式会社の柳宗紀氏にインタビュー。店舗運営をしつつ、野外のラーメンイベントへの出展やインフルエンサーとのコラボなど、ラーメン激戦区で成功するための戦略を伺いました。

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「日本一の塩ラーメン」に輝き、野外イベントでも戦略的に成功!

「ラーメンWalker」で2年連続グランプリの受賞や全国投票で「日本一の塩ラーメン」にも輝いたことがあるのは都内でラーメン店4店舗を経営するSOU株式会社の柳宗紀氏。店舗運営の傍ら、野外のラーメンイベントへの出展や企業やインフルエンサーとコラボするなど、意欲的に活動する柳社長にお話を伺いました。

SOU株式会社 代表取締役
高田馬場ラーメン組合 代表理事
柳 宗紀 氏

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イベントを企画し、集客に取り組む

独立開業したのは2007年。ラーメンの激戦区、新宿区高田馬場に「麺屋宗」をオープンした。物件の近くに地下鉄が開通するという計画がでていたことや、近隣の大学生の集客が見込めることから、この地を選んだという。当時の様子を伺うと、

「8月と3月は大学が長期休暇に入るため売上が下がり、頭を悩ませたものです。しかしさまざまな販促を実施していく中で、街の閑散期に焦って広告を出すよりも、街に人が戻ってくるときに備えて何を準備するかの方が大切だという考えを持つようになりました」。

2010年には「高田馬場ラーメン組合」を発足した。高田馬場で切磋琢磨(せっさたくま)するラーメン店に声を掛けイベントを企画。例えば、

「88(馬場)の日」と題して、ラーメン組合の参加店舗が限定ラーメンを提供するイベントを実施したこともあった。最近では株式会社全農ビジネスサポートとコラボし、「高田馬場ラーメンウォーク2023」を実施。高田馬場にあるラーメンの名店5軒が、それぞれ発酵系ラーメンを開発し提供するイベントだ。同時にスタンプラリーを実施し、制覇したお客様にはオリジナルシールをプレゼントする。シールは30~40代世代が子供の頃に熱中して集めていた、あの有名なシールのデザインということもあり、それを目当てに来店するお客様も多い。

SOU株式会社が運営する「麺屋宗」。ラーメンの激戦区・新宿区高田馬場に2007年オープンし、人気店に成長した

イベント集客のノウハウが「ラーメンEXPO」1位獲得へ導く

野外イベントや、百貨店の催事にも数多く出展している柳社長。

一般的に野外イベントでは「塩ラーメンは絶対に売れない」と言われるほど、売るのが難しい。定番の醤油ラーメンや熱狂的なファンの多い味噌ラーメンに比べてパンチが弱く、わざわざ並んで食べようとは思わない顧客の心理からだろう。

そのような中で、日本最大級のラーメンイベント「ラーメンEXPO」では1万杯以上を売り上げ、全国の有名ラーメン店30店舗中1位を獲得した。イベント成功の秘訣を伺うと、「野外イベントの成功の鍵は、準備9割」と話す。事前調査をいかに行い戦略を立てイベントに臨めるか。数々のイベントに出展してきたことでノウハウが蓄積されていった。

野外イベントはさまざまな形態があるが、出展初心者の方で、なおかつこれからイベントに注力していきたい方には、5日間の出展がおすすめだ。初日でラーメンの出数を見て、残り4日間の売上予想を立て、必要に応じて食材を発注する。1、2日の短期間の出展では、食材調達などが難しい場合もあることから5日間がおすすめだと柳社長は話す。また、地方のラーメン店は東京でのイベントに出展することで、「東京に出展した」という実績が後々の宣伝活動にも活用できるのでおすすめと教えてくれた。

企画を発展させる

同社では、大手製薬会社や、食品メーカー、インフルエンサーやアイドルなど、さまざまな企業や団体とのコラボ企画を実施している。例えば、あるライブ配信サービスとのコラボ企画では、当初はライブ配信に参加しているライバー(インフルエンサー)ののぼりを店前に置くという話だった。しかし、それだけでは面白くないと判断し、ライバーをイラスト化したシールを来店特典としてお客様に提供する案に変更。これにより、のぼりを撮影に来たライバーのファンを店内に呼び込み、集客につなげることができた。さらに、シールはシリーズ化することで、繰り返しの来店を促進した。

このようにイベント企画を成功させることで、店の認知度が拡大し、次第に企業側からイベントへの出展やコラボ企画のオファーが増え、結果として店舗の集客が増加し、繁盛店へと成長していった。

「さまざまなイベントや企画を通じて、限定ラーメンを開発する機会も増え、それをお客様に食べて頂き、反応を得ることは楽しくやりがいを感じています。これからも新しいことに積極的に取り組んでいきたいと思っています」。

スマイラー94号(2023年10月)より転載

取材協力:「麺屋宗」
東京都新宿区高田馬場1-4-21

https://www.menya-sou.com/
※「麺屋宗」「高田馬場ラーメン組合」とコラボを希望する企業様は「麺屋宗」(03-5876-7640)にご連絡ください

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