いよいよ始まった忘年会シーズン。この時期に来店してくれた人たちをいかに来年以降につなげていくかが、店の将来を左右する。忙しいときだからこそ、いつも以上の心のこもった接客を心がけたい。新たな顧客をつくるためのヒントを、プロの解説と、飲食店のケースから探る。
高まる飲食店の接客への期待。繁忙期こそ120%の笑顔と声で店への好感度を上げよう!
店の人員を増やすよりも、各自の役割と責任を明確に!
宴会を中心に新規客が多く来店する忘年会シーズンは、飲食店にとって新たな常連客をつくるチャンスでもある。そのチャンスを最大限に活かすため、店側はどのような準備をすべきなのか。接客を通して人を育てる指導に定評がある、株式会社アンドワークスの片出えみ氏は、「繁忙期は想定外の事態を想定して、『接客』が『作業』にならないよう、ロールプレイングをしておくことが大切です」と語る。つまり、事前にいくつもシナリオを想定して接客のトレーニングをしたうえで、さらに、その想定を超えた事態への心構えが必要なのだ。「もっとも重要なのは、やはり『笑顔』と『声』。例えば忙しいときは、オーダーが決まっていない状況でスタッフを呼ぶお客様に対して、『注文が決まったら、お呼びください』などと、そっけない態度を取ってしまいがち。そういうときこそ、『お決まりでないようでしたら、○○などいかがですか。早めにご用意できますよ』などと通常以上、120%の笑顔でハキハキ対応すれば、好感度は一気に上がります」と、笑顔と声の効果を強調する。