2019/11/26 特集

【PART3】外国人客 受け入れキーワード10-外国人受け入れ対応事例(5ページ目)

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料理の売りを明確にアピール! 訪日外国人向けサイトも積極活用

季節を愉しむ 櫃屋 ~ひつや~[奈良県奈良市]

奈良らしさを前面に! 清潔で快適な空間も好評

 奈良市内で宿泊事業などを展開する株式会社花小路が、近鉄奈良駅至近の自社ホテル1階に2017年5月、会席料理店「櫃屋」をオープン。当初からインバウンド対策にも注力し、直近では訪日外国人向け観光情報サービス「LIVE JAPAN」関西版のスタート(7月24日)に合わせて情報を掲載したところ、開設当日に早速外国人カップルが来店。「多い月では来店客の約2割が外国人のお客様です。今年8月はその半数がトリップアドバイザー、ぐるなび外国語版、LIVE JAPANからの来店だとわかりました」とマネージャーの尾塚理恵子氏は話す。

折り紙の鹿をテーブルにディスプレイし、トリップアドバイザーへの投稿も促進。この折り紙がほしいという外国人にはプレゼントしている
投稿への特典は「蚊帳生地ふきん」(写真)、または料金10%割引。大半がふきんを選ぶという
「LIVE LAPAN」関西版(上はPC画面、下はスマホ画面)。季節に応じて料理写真は変更しており、画面を見せてオーダーする外国人もいる

 「LIVE JAPAN」では、お造り、ローストビーフ、揚げ物、季節の前菜などバラエティに富んだ御膳「松花堂」をメインにアピールし、来店客にはトリップアドバイザーへの投稿も依頼。「奈良の伝統工芸品『蚊帳生地ふきん』をプレゼントするなどして投稿数が増えたことも、集客増につながっていると思います」と尾塚氏は分析する。また、ホテル部門との連携で、昼は団体専用フロアにて2日に1回ペースでフランス人グループのランチビュッフェを獲得。ビュッフェのみでも月に平均300名前後を集客する。

  • ランチ用(左)とディナー用(右)のメニューブック。ランチはメニューの変更が多いため、あえて日本語表記のみ。口頭で説明してコミュニケーションを図る
  • 料理は旬の食材をふんだんに使用。欧米人はもちろん、中国など東アジアからの訪日外国人にも人気だ
  • カウンターに飾っている「日本酒飲み比べ」用の瓶。日本人客に人気が高いが、指を差して注文する外国人も多いという
  • レジ周りにはキャッシュレス決済が可能であることをわかりやすく表示。口コミ投稿も促している

 「料理がおいしいのは基本中の基本。接客ではていねいさ、明るさを大切にしています。外国のお客様から料理に対して『マーベラス』『デリシャス』という反応は多いのですが、空間も含めた『コンフォータブル!』(快適)のお言葉をいただくと特にうれしいですね」と尾塚氏。今後もメインターゲットの欧米人に向けた取り組みを強化していく。

季節を愉しむ 櫃屋 ~ひつや~
奈良県奈良市小西町23花小路ビル1F
https://r.gnavi.co.jp/k557300/
近鉄奈良駅から徒歩1分の好立地。奈良県産の食材を活かした会席料理を売りに、昼は気軽に楽しめる各種御膳も用意。希少銘柄の日本酒もそろえており、外国人にも好評だ。
マネージャー 尾塚理恵子氏
大学で教鞭を取り、服飾デザイナーとしても活躍後、民間人初の女性校長として守口市の小学校に着任。現在は豊かなコミュニケーション力を活かして外国人の接客にもあたる。

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