2024/04/02 繁盛の法則

中華ベースのオリジナル粥でリピーターに愛される専門店とは_粥麺楽屋 喜々(東京・外苑前)

東京・外苑前のお粥と麺類の専門店「粥麺楽屋 喜々(かゆめんがくや kiki)」は、2005年6月のオープン以来、老若男女の幅広い客層から支持されている。中華ベースのオリジナル粥を主力商品にしており、夜は酒類も提供するがヘルシーさを強調するため、酒肴に揚げ物がないのも特徴だ。

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中華ベースのオリジナル粥でリピーターに愛される専門店とは

Key Point

  1. 生米から炊くオリジナル粥が主力商品
  2. 3種の麺が選べる麺メニューがもう1本の柱
  3. 揚げ物のない商品構成でヘルシーさを強調

脱サラから始めた移動販売で、独自のお粥が好反応を獲得

お粥と麺類の専門店「粥麺楽屋 喜々(かゆめんがくや kiki)」は、独自性の高い商品で常連客に親しまれている個性派店である。地下鉄外苑前駅から徒歩5分ほど、ビルの中2階にある13坪20席という小規模店ながら、2005年6月のオープン以来、老若男女の幅広い客層から支持されている。

経営者である株式会社kiki代表の佐々木洋介氏は、1964年東京生まれで、35歳のときに15年間勤務した音楽関係の上場企業を辞め、元同僚とともに飲食ビジネスを開始した。

まず、知人のワゴン車を借りてお弁当の移動販売を手がけることにした。当初はカレーがいいのではと考え、いろいろなカレー店を食べ歩いたが、ふとしたことから「お粥はどうか」という話になった。

都内でもお粥の専門店は珍しかったため、横浜中華街のお粥の人気店を訪ねたり、中華料理店やタイ料理店のお粥を参考にしたりした。

その中で、日本風の白粥は病人食というイメージが強いことから、生米からスープで炊く中華ベースのお粥を選んだ。基本のお粥は1種だが、トッピングを変えてバリエーションをつくり、ビーフンを用意して麺メニューも提供できるようにし、2001年3月から東京・品川エリアで移動販売を開始した。

始めてみると、予想以上にお粥が好評を得た。心配していた夏場も、オフィス内の冷房が効き過ぎているので温かいものを食べたいというお客様が買いに来てくれ、通年で通用する商品だということもわかってきた。

また、とりあえず仲間の自宅のキッチンでお粥作りを始めたが、ほどなく手狭になったため、品川区中延のそば店の居抜きを借りてセントラルキッチンとした。翌2002年には会社組織にするなど、事業としての体裁も整えていった。

しかし、3年ほど営業する中で、移動販売の限界を感じるようになった。天気に左右されやすく、また道路交通法などの法規上はグレーゾーンにあり、今後は規制がより厳しくなることが予想されたからだ。

そんな折、ある知人から持ち込まれたのが、「現物件を2年契約で借り、バーをオープンしたが、うまくいかないので撤退したい。あと1年の契約が残っているから、ここでお粥の店をやってみないか」という話だった。

そこで、お粥をよく買いに来てくれていた店舗デザイナーなどの協力を得て、できるところは自分たちで店内の改装を行い、店をオープンした。

3種の麺をそろえた麺メニューが、もう1本の柱として機能

左が一番スタンダードなお粥の「鶏粥」(880円)で、蒸し鶏やシャン菜をトッピングしている。塩分は控えめに仕上げており、卓上に用意しているヒマラヤ岩塩や調味黒酢などを適宜加えて味変えを楽しんでもいい。右が汁そばの「トムヤムクンそば」(980円)で、スープにオリジナルのトムヤムクンペーストを溶き入れて調味している。麺は、通常の中華平打ち麺のほか、ビーフン麺、ヘルシーこんにゃく麺(いずれも普通盛り150g)から選べる。同じトムヤムクンペーストを入れた「トムヤムクン粥」(980円)も人気商品

お粥は五分粥で、普通盛りで500gを提供する。東京・武蔵小山の米店「清水屋」に一任してお粥に向く良質な米を届けてもらい、少量の玄米と押麦を加えて前日からひたひたの水で浸漬させておく。

翌日に自家製ネギ油を鍋底に引いて米を入れ、鶏ガラ、干し貝柱、数種の野菜から取ったスープを加えて火にかける。沸騰後しばらくは米が対流するような火加減とし、粘度が出てきたら焦げないように湯せんにする。約90分で炊き上がるが、ランチタイムはそのまま湯せんしておいて提供し、夜はオーダーごとに再加熱する。

蒸し鶏やシャン菜(パクチー)をトッピングしたスタンダードな「鶏粥」(880円)、自家製肉みそを入れた「肉粥」(880円)、1番人気の自家製トムヤムクンペーストを加えた「トムヤムクン粥」(980円)などのほか、曜日ごとに登場する「日替わり粥」(980円)、その日限定の「本日のスペシャル粥」(980円)も用意し、リピーターを飽きさせない工夫をしている。

さらにランチタイムは大盛(650g)無料、ランチセット(+220円)としてセルフサービスでサラダ、ドリンクがお替り自由といったサービスも好評を得ている。

お粥だけだと男性には敬遠されるのではないかという懸念から加えた麺類は、現在は福島の羽田製麺に作ってもらっている中華平打ち麺のほか、ビーフン麺、低カロリーの群馬の下仁田こんにゃく麺を用意している。

汁そばのスープは、野菜類のスープに鶏ガラスープを加えたあっさりタイプで、つけそばもそろえている。また、夜は酒類や酒肴も多彩にそろえるが、サラダや水餃子、茹で餃子など、揚げ物以外のアイテムに絞り、ヘルシーさを強調している。

昼は客単価1,000円で1日40~50人、夜は客単価1,800円で1日20~30人を集客している。トータルでは女性のお客様が7割を占めるが、時間帯によっては男性客しかいないこともあるほど、男性の根強いファンも多い。お粥と麺類の出数比は7対3になる。

中華ベースのオリジナル粥を主力商品に、堅実な営業を続けている要因は、以下のようになるだろう。

  1. 生米からじっくりと炊くオリジナル粥を主力商品としている。
  2. 麺類もひとつの柱に加え、3種の麺を用意して選択肢を増やしている。
  3. 夜は酒類や酒肴もそろえるが、料理は揚げ物がなく、ヘルシーさを強調している。

現在、移動販売当時からの共同経営者であった他の2人は運営から離れたが、佐々木氏はサラリーマン時代以上の年月の間、お粥専門店の経営に携わってきた。

「コロナ禍ではランチだけ営業し、夜は予約のみとしてしのぎましたが、それでも食に関わる事業は絶対になくならないですし、強いと思います」と佐々木氏は述べている。

(Text and shop photo by Food Biz, )

粥麺楽屋 喜々
住所
東京都渋谷区神宮前2-6-6 秀和外苑レジデンス101
TEL  03-5474-6691
営業時間
11:30~15:00 (LO. 14:45)、17:30~22:00 (LO. 21:30)、土曜日12:00~15:00 (LO. 14:45)、17:30~21:00 (LO. 20:30)
定休日
日曜日・祝日
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