2014/10/21 特集

やっぱり〝肉〟が好き!人気の肉料理、その秘密(2ページ目)

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ランチの行列が目指すは、〝ここにしかない〟肉料理。2大看板が夜の集客にも貢献

【東京・市ヶ谷】旬菜すてーき処 らいむらいと

決め手はオリジナルのバターソースらいむらいと風チーズハンバーグステーキ 1,728円~ (ランチタイムは1,380円~)一番人気のメニュー。雑誌の覆面調査でハンバーグ部門のNo.1に選ばれたこともある

注文率50%超えのハンバーグ。女性にも人気の肉料理

靖国神社や日本武道館がある、東京・九段下の靖国通りから少し入った裏通りに位置する「旬菜ステーキ処 らいむらいと」は、1986年創業の人気店。ランチタイムには行列ができることも珍しくなく、客の目当てはオリジナルハンバーグなどの肉料理だ。

オーナーシェフの川上健司氏は、フレンチ出身。その川上氏がボリュームもある肉料理を店の看板メニューにしたのには理由がある。「このエリアはディナーの集客が弱い傾向にあります。そこで、ランチの目玉となるメニューで味と雰囲気を知っていただき、夜につなげたかったのです」と話す。そして、ハンバーグとステーキ丼をランチのメインメニューに据えたほか、近隣のオフィスには残業する人も多いことから、夜も同じメニューを単品で用意。コース料理にも組み込んだ。

だが、当初はハンバーグの出数は少なく苦戦。「ハンバーグは子供の食べ物と思い込んでいる男性が多く、おすすめしてもオーダーにつながりづらかったですね」と川上氏。しかし、一度食べた人がその味のとりこになり、友人・知人を連れて来店。さらに、おいしいものに敏感な女性たちもハンバーグ目当てに訪れるようになり、次第に店の売りとして定着していった。

ハンバーグのパテは牛肉と豚肉の合い挽きで、部位や脂の量を指定し、20年来取引をしている2軒の業者から仕入れている。また、牛肉と豚肉の割合は、消費者の嗜好の変化を考慮しつつ、川上氏自身の舌を頼りに何度か変えてきた。そして、「らいむらいと」ならではのハンバーグとして、オリジナル性をアピールしているのが、フレンチの手法を取り入れた濃厚なバターソース。レシピは企業秘密で、何回か改良したが基本は変わらないという。ご飯とも、ビールやワインとも相性がよく、この味に引かれて通うリピーターは数多い。今ではランチ客の約55%がハンバーグをオーダーするが、看板メニューはパテにチーズを乗せた「らいむらいと風チーズハンバーグステーキ」だ。肉の量は、200グラム、250グラム、300グラムの3種類選べ、女性客でも〝ガッツリ〟食べる人が少なくない。

もう1つの看板メニュー「特製ステーキ丼」は、オープンから28年変わらない甘辛のタレが男性に好評。そして、後からメニューに加えた、さっぱりした酢飯に薄く切ったレア焼きの牛肉を乗せた「牛ロース肉 特製レア焼き丼」は、特に女性に人気が高い逸品だ。そのほか、自慢の「特選和牛モモ肉のローストビーフ」は、他の料理に比べると高いが、自分へのご褒美にオーダーする常連客が多い。キャンペーンなどサービス価格で提供する際は毎日通う人もいるという。

人気店と呼ばれるようになっても、川上氏の探究心が衰えることはない。常に話題の店や気になる店に出かけて新しい味を研究。店としても、年2?3回企画するフェアの際は、店長やマネージャーがチラシを持って企業への営業に出かけ、DMも送る。こうした努力で、創業時からのファンに加え、新規客も増え続けている。

粗挽の合い挽き肉のハンバーグは肉汁がソースにからみ、柔らかくてジューシー
オリジナルバターソースのレシピは門外不出。他にはない味を求めて通う常連は多い
酸味が効いたタレで女性からも大人気牛ロース肉特製レア焼き丼(150g)1,944円(ランチタイムは1,598円)ゴマと海苔を加えた酢飯に、レアで焼いた牛ロース薄切り肉と、野菜の天ぷらをトッピング
ディナーのメニューブックでもオリジナルハンバーグをアピール
オーナーシェフ
川上 健司 氏18歳で料理の道を志し、ホテルで西洋料理の修業をした後、都内のフレンチレストランで研鑽を積む。1986年に独立。来店客の満足度を最優先したオリジナル料理を追求する。
旬菜すてーき処 らいむらいと
東京都千代田区九段南3-4-8パディホームズ 一口坂B1・1F
http://r.gnavi.co.jp/g420100/1986年に12坪20席でオープン。12年後に現在の地に移転。5年前に地下にも店舗を広げ63席に。著名デザイナーが手がけた店舗の1階は明るく開放的、赤と黒を基調にした地下(写真)は落ち着いた大人の雰囲気だ。

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