Vol.1
今や日本でもおなじみの韓国人のファースト・フード、トッポギ事情とは?
「2週間に1回は無性に食べたくなる、中毒性のあるおやつ」。取材中、お店で出会ったソウル在住の30代OLがそう表現するのは、韓国を代表するファースト・フードで、棒状の餅をコチュジャンや砂糖で甘辛く煮た韓国定番のおやつ、トッポギだ。
その市場に今、新風が吹いている。屋台などの個人店が減り、チェーン店がめまぐるしく増えているのだ。韓国全体のトッポギ フランチャイズ加盟店数は、 2008年から2009年の1年間で約2倍に増加し、まさに急成長中。露店への規制強化、比較的安価なオープン費用はその要因だが、背景には、米の消費増を掲げる政府のトッポギ産業育成政策がある。2009年のトッポギ研究所設立や定期開催されるトッポギフェスティバルの開催はその一環だ。
2002年ごろから、トッポギの様々なチェーン店が続々登場し、いわば戦国時代の様相を呈している。一方で、すでに勢力拡大済みの大手数社について、「店舗が増えすぎて味にあたりはずれがある」という市場の声も高まり、昨今、新進気鋭のチェーン店が力を増している。人気トッポギ店が並ぶ若者の街・ソウルの弘大(ホンデ)で、彼らの実力を探ってみた。
懐かしい味のトッポギ専門店に熱い支持!気さくな男性スタッフも売り
人気の店一軒目は、國代(ククテ) トッポギ弘大店。韓国のファースト・フード店としては珍しいシンプルな店舗デザインと威勢のよいかけ声は、道行く人を振り向かせる。
21歳の女性客3人組に話を聞くと、「お餅がやわらかいのに適度に弾力があって、あっさり味」とその魅力を話す。「原点回帰で伝統的な昔ながらのトッポギの味を受け継いで、若い世代にも好評です。店のデザインもそれに合わせて懐かしい雰囲気なんです」弘大店店長のチョ・キョンミン氏は言う。
同店は、"スタッフが若い男性ばかり"という点でも話題になっている。「正式なスタッフは全員男で、彼ら目当ての女性常連客もいます。活気溢れる接客が売りで、お客さんとは気さくに話すのが方針。スタッフを採用するときも、バイタリティ溢れるキャラクターを選びます」(チョ店長)。その接客やサービスが評判となり、リピーターは全体の70%にもおよぶ。やみつきになる味はもちろん、洗練されたインテリアと店員との交流。そんな國代ならではの付加価値がここにはあるようだ。(次回、韓国・ソウル 後編に続く)
ソウル市麻浦区西橋洞486/
서울시 마포구 서교동 486
(地下鉄2号線弘大入口駅9番出口から徒歩7分)
TEL
02-322-6124
客単価
2,500ウォン(約175円)
営業時間
12:00~23:00
定休日
毎週月曜、旧正月、旧盆3連休
http://kukde.co.kr/
※通貨レート:2011年9月12日現在100ウォン=7円で計算
Text by 東郷葉月
Photo by 重松みさ
Coordination by 宋信海(TANO International)