各界の知見を集めて選定。1年の食の顔はジビエ料理
世界に誇る日本の食を、文化として人々の記憶に残し、後世に語り継ぐことを目的に、株式会社ぐるなび総研(代表取締役 滝久雄)は、1年間の「日本の食」を象徴する料理を選定。去る12月4日に「2014年 今年の一皿」として記者発表した。
選定の基準は、①2014年に流行、または話題になった ②社会の動きと深く関わり、世相を反映している ③食文化として後世に語り継ぐ価値がある、の3つ。選定手順はまず、ぐるなびのビッグデータ(月間4200万人のユニークユーザーによる検索ワードなど)を駆使してトレンド性の高いキーワードを抽出し、次にそれを選択肢としたアンケート調査を、ぐるなび会員を対象に実施して(有効回答約1万2000件)、上位キーワードを選出。それをメディア関係者が審査し、さらに、ぐるなび総研が各界の専門家の意見を得て最終決定を行った。
ぐるなび本社で開催された記者発表会には、ぐるなび総研の滝久雄をはじめ、同理事で「今年の一皿」発案者の小山薫堂氏、料理人の道場六三郎氏らが出席。滝は「『今年の一皿』を通じて、1年の食を振り返る機会となるよう願っています」と挨拶。小山氏は「『今年の漢字』や『流行語大賞』があるなら、『今年の食』も必要なはずと考え、今回の実現に至りました」と、「今年の一皿」誕生のきっかけを語った。
また、「毎日、献立を墨で書き、それを見ながら仕込みをしてきました」と、食と書の関わりを語る道場氏は、題字「今年の一皿」を披露した。
続いて、審査結果の発表へ。2014年の「今年の一皿」に選ばれたのは、「ジビエ(食用の野生鳥獣)料理」。同時に、「今年の食流」(話題になった食のトレンド)として「高級かき氷」、「今年の食材」としては「うなぎ」が選出された。「今年の一皿」では、道場氏が会場で書の腕をふるい、第1回「RED U-35」グランプリに輝いた、フレンチの杉本敬三シェフによるジビエ料理「蝦夷小鹿の赤ワイン煮込み ちりめんキャベツのカネロニ仕立て」が登場。小山氏らによる試食と杉本氏の解説に、記者席の目と耳が集中した。
今回、初めての選定となった「今年の一皿」だが、今後も毎年発表される予定。日本の食文化発展に寄与する1つとして、大きな意義を持ちそうだ。