2012/11/27 特集

ぐるなびシェフ BEST OF MENU 2012 No.1メニューへの道のり(3ページ目)

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ぐるなびシェフ BEST OF MENU 2012 決勝審査会・表彰式 開催リポート

東京と京都で行われた二次予選を勝ち抜いた12名のシェフが、10月14日(日)、武蔵野調理師専門学校(東京・池袋)に集い、決勝審査会が開催。そして会場に程近い椿山荘(東京・目白)に舞台を移して表彰式が行われた。

決勝審査会:ファイナリストの調理を視察する決勝審査員。陳建一氏(中央)と脇屋友詞氏(左端)。

12人のファイナリストと最強の決勝審査員が集結

10月14日午前9時、料理部門7人、デザート部門5人のファイナリストが決勝審査会会場に集合した。ファイナリストだけに支給される、おそろいのコックコートに着替え、それぞれ食材や機器を確認。長い1日のスタートを待った。

シェフたちが緊張を高めているころ、決勝審査員11人も会場に到着。今年は審査員長に辻調理師専門学校理事長・校長の辻芳樹氏が就任。審査員には和食の田村 氏(つきぢ田村 代表取締役)、村田吉弘氏(日本料理 菊乃井 主人)、中華の陳建一氏(赤坂四川飯店 オーナーシェフ)、脇谷友詞氏(Wakiya 一笑美茶樓 オーナーシェフ)、イタリアンの奥田政行氏(アル・ケッチァーノ オーナーシェフ)、フレンチの吉野建氏(レストラン タテル ヨシノ総料理長)、パティシエの高木康政氏(ル パティシエタカギ オーナーシェフ)、鎧塚俊彦氏(Toshi Yoroizuka オーナーシェフ)ら日本を代表する一流のシェフに加え、犬養裕美子氏(レストランジャーナリスト)、滝久雄(ぐるなび 代表取締役会長)が集まった。2005年から2011年まで審査員長を務めた食生活ジャーナリストの岸朝子氏は名誉審査員長となり、「ぐるなびシェフ BEST OF MENU(BOM)」を支えている。

張りつめた空気のなか、調理と審査がスタート

午前10時。エントリーナンバー1の豊島重義シェフが調理に入り、決戦の火ぶたが切られた。料理部門は90分、デザート部門は180分が調理時間だ。シェフは時間内に、ビジュアルチェック用の完成品1皿と、各審査員の試食用11皿を完成させる。10時10分、エントリーナンバー2の佐々木優樹シェフの調理がスタート。こうして10分の時間をあけて、阿部翔平、林和貴、山口雅美、川崎祐介、八木正紀の各シェフが次々と調理に臨んだ。一方、デザート部門の江森宏之、坪井綾乃、田中雄一郎、木戸雅和、中井雅恵の各シェフも、午前10時5分から順番に調理を開始した。

途中、厨房には審査員が視察に入ることもある。シェフたちは集中力を高め、黙々と作業を積み上げていった。そして、調理時間が終了したシェフから試食審査がスタート。まず、スタッフが作品を持って審査員の前をゆっくりと回り、盛り付け方や彩りがチェックされる。その後、シェフが2分間のプレゼンテーションを行うとともに、審査員が実食。質疑応答を経て10分ほどで終了する。審査員はときに厳しく、ときにユーモラスにコメントを述べ、シェフの健闘を称え、さらなる活躍を期待した。

14時15分。12人の試食審査が終了。最終審査会では白熱した議論ののち、満場一致で両部門の優勝・準優勝が決定された。

最初に作品が各審査員の前を通り、彩りや盛りつけを採点する
試食審査後のコメントは、鋭い指摘の励ましあり、思わず唸る絶賛あり。写真左/村田吉弘氏。写真右/高木康政氏。
採点する奥田政行氏。プレゼンテーションも評価の対象だ

華やかな表彰式となごやかな懇親会

会場を移して18時。ぐるなび代表取締役社長・久保征一郎の挨拶で、表彰式がスタート。久保はシェフと審査員の労をねぎらうとともに、東日本大震災を乗り越えてBOMが開催できたことへの感謝を表した。続いて、協賛賞の「スーパードライ賞」(アサヒビール株式会社)、「秋田賞」(秋田県)、「美味開運・高崎賞」(群馬県高崎市)の表彰後、いよいよ優勝・準優勝の発表へ。12人のシェフは、解放感をにじませながらも、結果への不安と期待で、みな一様に緊張した表情で登壇した。

まずは、準優勝の発表。料理部門では八木正紀シェフの「豚バラ肉のもろみ酢煮込み マコモダケの豆腐よう炒め添え」と林和貴シェフの「次の世代へ繋ぐ想い」が、デザート部門では田中雄一郎シェフの「とよみつひめのロティ 生姜とショコラブランのグラス 黒糖のチュイル添え」が受賞。そして料理部門優勝の川崎祐介シェフ「比内地鶏の巣~新きりたんぽ~」、デザート部門優勝の中井雅恵シェフ「琵琶湖かぶせ茶のクレマ・カタラーナ 秋の詩のソース」が発表されると、会場は大きな拍手と歓声に包まれた。

辻芳樹審査員長は「(BOMは)重鎮の審査員が料理人とパティシエの精進魂を刺激し、料理界を牽引し、裾野を広げる役割を果たしている」と述べ、作品を総評。ぐるなび会長の滝久雄は、「世界一レベルの高い日本の食文化と、素晴らしい食材を守り発展させるために、ぐるなびが外食産業のサポーターとして力を発揮し、BOMのステータスをさらに上げていきたい」と語った。

引き続いて行われた懇親会では、なごやかな歓談が続き、シェフ同士、シェフと決勝審査員らの交流する姿があちこちで見られた。各々が明日からの活動の英気を養い、新たな目標を胸に秘め、2012年のBOMが閉幕となった。

表彰式:ファイナリスト12人が壇上に勢ぞろい。優勝・準優勝の発表へ緊張が高まる
料理部門優勝の川崎シェフ(上)と、デザート部門優勝の中井シェフ(下)。辻芳樹審査員長から賞状と賞金が贈られた
懇親会では、名誉審査員長の岸朝子氏が、乾杯の音頭をとった
闘い終わって、発表を待つシェフたち。不安と期待に包まれて……
懇親会では協賛の秋田県と高崎市の食材による料理も並んだ
ファイナリストと決勝審査員がなごやかに歓談
放送作家の小山薫堂氏。今後、BOMの総合プロデュースを担当

ぐるなびシェフ BEST OF MENUとは?

プロの料理人の熱き情熱とプライドを懸けた、日本最大級の料理コンテスト。優秀な技術を持つ日本のシェフたちが技と力の限りを尽くしてコンテストに挑み、日本の新しい食文化が開拓されることを目指している。また、本コンテストを登竜門として参加シェフが飛躍的に活躍し、世界のトップレベルである日本のシェフの実力と職業としての魅力がより広く伝播することを願い、2005年より年1回開催。

次回、栄冠をつかむのはあなた!

2012年の全入賞作品のほか、過去のテーマや受賞作品、シェフの活躍はオフィシャルサイトへ!

■ぐるなびシェフ BEST OF MENUオフィシャルサイト

http://recipe.gnavi.co.jp/bom/

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