2024/07/17 コラボ企画

“小ロット対応型”手作りレトルト商品が全国展開規模に成長!ビズフーズ株式会社 西嶋 祐基 氏

レトルト殺菌機を導入しレトルト商品に注力したことで、飲食店とは別の、広がりのある事業を獲得したビズフーズ株式会社・代表取締役の西嶋 祐基 氏。うどん店からカレー店へ、カレーなる転身で夢の全国展開するまでに至った開業ストーリーを伺った。

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※スマイラー100号(2024年5月)より転載

レトルトなどの製造加工で、新たなビジネスチャンスを創出

大阪市に本社を構えるビズフーズ株式会社は、「大阪和風出汁カレー」をはじめとする食品製造加工・販売・卸事業を展開しています。カレーうどんが名物の開業一号店「情熱うどん讃州 新大阪店」も経営しながら、うなぎのひつまぶし、パスタソースなどを製造しています。

ビズフーズ株式会社 代表取締役 西嶋 祐基 氏/将来の夢はロックンロールスター。高校卒業後音楽の専門学校に通うが一年で退学。音楽では食って行けず、たまたま入った店のうどんが気に入ってアルバイトを始めた、22の夜。ミュージシャンの道を諦めて電気工事の会社に就職しても週末はアルバイトを続けた。やり場のない気持ちのトビラを破りたいと思った、28の夜。結婚を機に会社員を辞めて8年間アルバイトを続けた「情熱うどん讃州」の“のれん分け”で独立。ついに自由になれた気がした、30の夜。師匠は「迷ったら辛い方を選べ」と情熱を込めて言ってくれた。

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仲間との再会が新たなビジネスを生んだ

2012年に開業した「情熱うどん讃州 新大阪店」

西嶋氏が開業した店「情熱うどん讃州 新大阪店」は新大阪駅から徒歩7分くらいのところにあります。新幹線の客ではなく、近くの会社員、そしてビジネスホテルの宿泊客が主なお客様です。昼どきは会社員のランチ、夜はうどん酒場として、競合店がひしめく中でも繁盛していました。コロナ禍前までは。

西嶋氏に転機が訪れたのは2015年、10代のときのバンド仲間がワーキングホリデーのオーストラリアから帰ってきてお店に来てくれたのです。西嶋氏が「なにか予定あんの?」と聞けば、安藤さんは「これから仕事探すねん」。実は西嶋氏は「情熱うどん讃州 新大阪店」のカレーうどんの評判がいいので、うどんだけでなく、カレーライスでもいけるのではないか、と考えていたのでした。

ということで安藤さんに近くの居酒屋で間借りするカレー店の店長をやってもらうことになりました。

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コロナ禍で全国展開の夢が打ち砕かれた

月日が流れて2017年。“このカレーを全国に広めたい”ということで、安藤さんは個人事業主として独立したのです。西嶋氏がカレーを製造し、安藤社長の新会社「ジパングフードリレーションズ」に卸すことになりました。

一方の西嶋氏は2019年、東京のコンサル会社と業務提携して、FCビジネスを展開する株式会社ビズフーズを設立しました。翌年からFC店を募集したところさっそく20人ほどの募集がありました。この調子だと年内に20店舗オープンできると思っていたところで新型コロナの緊急事態宣言。結局オープンにこぎつけたのは4店のみ。そのうちの2店は1年で閉店。

「たとえコロナ禍が収束しても、売上は7割しか戻らない。じゃあ3割をどうやって取り戻せるか2人で考えた結果、レトルトに注力していくことにしたんです。緊急事態宣言が発令しているなか、安藤さんと保健所に通っては、これがしたいあれがしたい、だからどうしたらいいんだと毎日聞きに行きました」。

どこでも認めてくれるという考えは大間違いだ

「最初はECサイトで販売すればそれなりの販路ができるんじゃないかと思ったんですが、そんなに甘くはありませんでした。結局販路を求めて百貨店、スーパーに売り込みに行くことになるのですが、実績がないという理由で門前払い。ただ、そういう中でも安藤社長が商談会に足しげく通っていると、あることがわかったんです。大阪にはOEMの会社が結構あるんです。どのカレー商品も裏を見るとその会社名がシールに書いてある。使ってる食材が違うだけでベースのカレーはほとんど一緒。ということはバイヤーさんはレトルトカレーに飽きてるんじゃないか、と。僕たちのウリはカレーうどんが人気のうどん屋をやっているということ。だったら、大阪のうどんの出汁を使ったカレー、出汁カレーをバイヤーさんに試食していただいたところ、一気に話が膨らんでいきました」。

オンラインで大阪和風出汁カレーを販売。バリエーションを増やすことでファンを拡大

どうやらバイヤーさんの中でも安いものを売る人と商品の思いをちゃんと汲んでくれる人の2パターンがいるらしい。西嶋氏たちは安売りはしないと決め、このカレーのストーリーや思いをバイヤーさんに熱心に伝えたら、それが響いたようだった。

レトルト殺菌機で飲食店とは違う、広がりのある事業になった

徐々に百貨店、スーパーにも置いてもらえるまでになったところで、西嶋氏は事業再構築補助金を利用して2021年、レトルトと冷凍食品が製造できる小規模なセントラルキッチンを作った。「2021年、2022年はずっと種まきをしてた感じです。そして2023年、少しずつ芽が出だしたところで某大手スーパーのコンペに応募しました。安藤社長が大阪の長ネギ、難波ネギを使用したレトルトカレーを開発してプレゼンテーションした結果、1万食の受注をいただきました」。

夢の全国展開はすぐそこまで

そこで、西嶋氏に素朴な質問をしてみた。

――プレゼンに参加できるのは中食の実績がある会社に限られるのでしょうか?イートインだけのお店でもプレゼンに参加することはできるのでしょうか?

「それは無理です。それなりの実績と許認可が必要です。飲食店がいきなりスーパーに卸してもらうのは難しいと思います」。

――やはりビジネスは何ごとも手はずを踏んでいかないと。では、俺たち成功したと思った時ってありましたか?

「いやまだ全然、まだ始まったばっかりだと思っています。でも、某大手スーパーからの受注が決まって関西を中心に166店舗に自分たちの商品を置いてもらった時は達成感がありました。というのも、そのスーパーは小学校の時から通っていたスーパーだったし、棚に並んだ商品に自分の会社名が載っているのを見たときは嬉しかったです」。


次は某大手スーパーの全国300店舗で、という話も出てきているそうなので、成功すればFC事業では成し遂げられなかった念願の全国展開です。最後に西嶋氏は、自分たちが作った料理がレトルト商品となって全国に広がっていくのは、やっていてすごく達成感があると語ってくださいました。

催事、展示会は重要な商談の場、積極的に出店した

ビズフーズの強みは小ロットでも対応できること

ビズフーズのセントラルキッチンはレトルトカレーだけでなく、ラーメン屋のスープなども作ることができる。OEMの会社に頼んだら3千とか1万が最小ロットなので、個人の飲食店ではさばききれない。その点、ビズフーズなら100とか500といった現実的なロット数で小回りが利くので、レシピさえあれば対応可能だ。

取材協力:「ビズフーズ株式会社」
大阪市淀川区東三国3丁目9番13号
https://bizzfoods.jp/
bizzfoods.jp/mailform/

情熱うどん 讃州 新大阪店
https://r.gnavi.co.jp/bcyk7rv30000/map/

スマイラー100号(2024年5月)より転載

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