「ワンオペ営業」無理のないはじめ方と続け方
人手不足が深刻化する飲食業界で、全てを1人で切り盛りする「ワンオペ営業」は、現実的な営業スタイルの一つです。継続的に営業していくために、ワンオペ営業で成功するためのヒントと注意点をまとめました。現在開業を考えている人も、既にワンオペ営業中の人も、本記事で運営のコツをつかみましょう。
目次
1.ワンオペ営業のメリットとデメリット
2.物件選びに大事な視点
3.おさえるべきポイント
4.後回しにしがちな、大事なこと
5.まとめ
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1.ワンオペ営業のメリットとデメリット
メリット
ワンオペ営業の最大の特徴は、自由度や戦略の柔軟性の高さといえるでしょう。
固定の人件費が不要で利益率が高く、意思決定も自分で行えることです。さらに、すべての工程を自分のペースで進めることができると同時に、経営全体のスキルを磨くことができます。
デメリット
ワンオペ営業には、すべての作業を1人で行うからこそのデメリットもあります。
長時間労働による体調管理の難しさや混雑時の対応力不足などは、1人ではコントロールしにくい点です。また、急な機材トラブルの対応や来客からのクレームにも、自分で対応しなければなりません。提供の遅れや対応ミスは、顧客満足度低下につながる可能性もあるため、サービスの質の維持も大きな課題となります。
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2.物件選びに大事な視点
ワンオペ営業では、物件の選び方が成功のカギを握ります。以下の4つのポイントを押さえて物件を選ぶことで、リスクを最小限に抑え、効率的な運営が可能になります。
①立地選びのポイント
②店舗の広さ・レイアウト
③初期設備が整った物件を選ぶ
④賃貸契約の条件を慎重にチェック
① 立地選びのポイント
1人で無理なく対応できる客数が見込める場所としては、住宅街やオフィス街の落ち着いたエリアが挙げられます。また、テイクアウトやデリバリー需要が狙えるエリアも向いているでしょう。
ただし、どんなに場所がよくても、売上に対して家賃が高すぎるのは問題です。家賃は、月商の10%以内に収めるのが理想とされています。また、近隣の店舗と差別化できるかどうかも、あわせてチェックするといいでしょう。
② 店舗の広さ・レイアウト
ワンオペ営業の場合は、店舗内が広すぎると管理が困難になります。また、厨房と客席との距離が短く、配膳から片付けまでの作業がスムーズに行える動線が確保できるレイアウトが、効率に大きく影響します。5〜15席程度の小規模物件が理想です。
③ 初期設備が整った物件を選ぶ
初期費用をなるべく抑えるためには、必要な設備がそろっている居抜き物件を活用しましょう。その際には、排気・水回り・電気容量を確認することも忘れずに。調理機器が問題なく使用できるかどうかもあわせて確認すると安心です。
④ 賃貸契約の条件を慎重にチェック
賃貸契約の内容もしっかり確認しましょう。保証金・敷金の相場を把握するなど、資金計画を立てておくとことも重要です。また、意外と盲点なのが短期解約違約金の有無です。万が一の撤退も想定した資金計画を立てることが重要です。
3.おさえるべきポイント
①メニューを設計する
②オペレーションをシンプルにする
③自動機器を導入する
④ピークタイムに備え、事前準備をしておく
①メニューを設計する
ワンオペ営業が成功するかどうかは、メニュー構成にかかっているといっても過言ではありません。限られた人的リソースで効率的に運営するために、戦略的なメニュー設計をしましょう。
・シンプルで作業負担の少ないメニュー構成
お客様を待たせないよう、提供時間は5分以内を目標にして、調理工程を徹底的に簡素化します。具体的には、同じ食材やソース、調理法を活用して、少ない手間でバリエーション豊かなメニューを実現するのです。例えば、唐揚げならタレや味付けを変えて3種類ほどを展開するなど、工夫次第で複数のメニューを生み出せます。また、仕込みで最終調理の手前まで仕上げておくことができるメニューを用意するのも一案です。
・ロスを最小限にする食材選び
保存が効き、廃棄ロスの少ない食材も上手に活用しましょう。冷凍野菜、乾麺、レトルトスープなども取り入れることで、メニューを広げることも可能になるでしょう。
・単価と回転率のバランス
一般的に、単価が低ければ回転数を上げる必要があり、単価が高ければ、必然的にその分リッチなメニューを提供することになるため調理工程やオペレーションが複雑になりがち。ワンオペ営業の場合は、客単価1,000円前後を目安にして、調理負担と収益のバランスを考えましょう。
②オペレーションをシンプルにする
ワンオペ営業を効率的に行うには、注文・調理・配膳の流れを簡素化することも重要です。
例えば、注文はモバイルオーダーなどのシステムで、水はセルフサービスなど、必要な箇所にセルフ方式を採用すると1人でも複数のお客様に対応できます。また、店のレイアウトにもよるので一案ですが、食器返却口を設置すれば片付けの手間は大幅に削減できるでしょう。
会計面では、事前決済やキャッシュレス決済の導入がおすすめです。現金授受の手間がなくなり、会計ミスも防止できます。他にも便利な設備やツールがあるので、必要な箇所に活用すると、より効率的な店舗運営が可能になります。
③自動機器を導入する
事前決済やキャッシュレス決済に限らず、ワンオペ営業では、積極的に自動化することが鉄則です。例えば、タブレットやQRコードを活用したオーダーシステムを導入することで、注文受付の手間が減りますし、食器洗浄乾燥機があれば、片付けが時短できます。
④ピークタイムに備え、事前準備をしておく
忙しい時間帯でもスムーズに営業するには、事前準備が不可欠です。食材の下処理や半調理を営業前に済ませることで、注文を受けてから短時間で料理を提供できます。
テイクアウトやデリバリーを実施する場合は、事前予約制や受付時間を制限することで、時間配分を自分でコントロールしやすくなります。また、パッケージはシンプルにしつつも、保温性に配慮したものを選ぶことで、効率と品質を両立できます。
また近年は、数時間、1日だけという短時間の働き方が身近となり、「スキマバイト」サービスが定着してきました。どうしても1人では対応しきれない混雑が予想される日は、補助的な作業を任せられる人員を確保することも有効な手段といえるでしょう。
【関連記事・スキマバイトサービス記事はこちら】
飲食店の人手不足は“スキマ埋め“から!スキマバイトサービス「メルカリ ハロ」
4.後回しにしがちな、大事なこと
①衛生管理の徹底
②安全対策
③クレーム対応
④無理のない営業時間設定
①衛生管理の徹底
ワンオペ営業の場合、忙しさから衛生管理が疎かになりがちですが、ここは絶対に妥協できないポイントです。食材の鮮度チェックや適切な保存方法、調理場の清掃は日々欠かさず行いましょう。これが食中毒予防の基本となります。
また、体調不良の時は思いきって休業することも重要です。特に感染症の場合は、お客様への二次感染リスクの心配があります。毎日の手洗いや消毒は徹底して行いましょう。手洗いや消毒は、調理の合間や食材を扱う前後にも行うことで、交差汚染の防止にもつながります。
②安全対策
すべての作業を1人で行うため、火器や刃物の取り扱いや動線の足元など、怪我を防止すべく細心の注意が必要です。使用した調理器具はすぐに片付けたり、滑って転ばないように安全な靴を履くなど、不測の事故を未然に防ぐ意識を持ちましょう。そういった安全確認をする習慣が、長期的な営業継続のカギとなります。
また、ワンオペ営業は防犯面が弱点となるため、防犯カメラの設置や緊急通報システムの導入など、事前の対策を講じておくと安心です。
③クレーム対応
ワンオペ営業では、クレーム対応に割ける時間や精神的余裕が限られています。提供遅延や注文ミスを防ぐ仕組みを整えておきましょう。
また、事前に「1人で営業している」ことを明示することも重要です。提供時間や対応への理解を促すことで、後々のトラブル回避につながります。
しかし、これらの準備を整えた上でも、クレームが発生する可能性は拭えません。あらかじめ、クレームが発生した場合の対応手順も決めておきましょう。謝罪の言葉や代替案、最悪の場合の返金対応などの準備は、精神的な支えにもなります。
④無理のない営業時間設定
ワンオペ営業で長続きするコツは、自分の体力と精神状態に合った営業時間を設定することです。ランチタイムだけ、または夕方からの数時間など、売上が見込める時間帯に絞ることをおすすめします。
また、昼と夜営業の間に一時閉店するなど、休憩を確保する設定も忘れずに。週に1〜2日の定休日を設けることも重要です。適度な休憩を挟むことで疲労の蓄積を防ぎ、判断力や接客の質の低下、健康問題の防止にもつながります。
5.まとめ
ワンオペ営業を成功させるさまざまなポイントをお伝えしました。大きくは、以下の3点です。
・物件選びでは 小規模、動線の良い、低コストな居抜き物件を狙う
・メニュー設計は、シンプル&効率的な調理ができるものにする
・自動機器やセルフサービスを活用し、負担を軽減する
ワンオペ営業では、1人でも対応できる仕組み作りが大切です。そして最終的には、自分の体力と相談しながら無理のない営業スタイルを見つけ、長く続けられるビジネスとして確立させましょう。
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