系列全店でぐるなび台帳を導入。空席を共有して満席時は姉妹店に誘導

ぐるなび台帳とは？
「ぐるなび台帳」は、空席管理や予約管理、顧客管理など、飲食店の業務を支援する目的で作られた予約台帳システム。「ぐるなびネット予約」と完全連携しており、「ぐるなびネット予約」から入った予約は「ぐるなび台帳」に自動で反映される。また、混雑時に電話に出られなかったり、営業時間外に電話で予約受付をしたいときに、電話自動受付予約機能（オプション：有料）を設定しておくことで、自動音声で予約を受け付けることができ、予約の取りこぼしを防げる。さらに、「ぐるなびネット予約」から入った情報は、そのまま顧客情報として自動で顧客台帳に登録され、登録済みの顧客情報を検索したり、来店回数を確認することも可能だ。

予約客の情報の共有や、客数の推移の分析にも活用

　2017年、JR名古屋駅直結のタワービルの開業と同時に12階の飲食店フロアにオープンした居酒屋「厨（だいどこ） 盛田」。東海・中部地方の良質な旬の食材と、1665年創業の蔵元「盛田」の日本酒や発酵調味料を使った日本料理、名古屋の街を一望できるロケーションが人気で、アッパー層を中心に集客。店内は、テーブル席やカウンター席、完全個室など全78席で、会食や接待、記念日など幅広く利用されている。

　「ぐるなび台帳」を導入したのは、2019年の春。「それまで他社の予約台帳システムを使っていましたが、機能の充実度やコスト面を比較して、切り替えることにしました。予約受付などの入力画面がわかりやすく、学生のアルバイトからベテランのパートの方まで、誰でも視覚的に使い方がわかるので、操作にもすぐ慣れました」と、執行役員の海老原勝美氏は語る。

　予約の経路は、7割がネットで、3割が電話。「ネット予約をされた人には、スタッフが必ず一度電話をして、食物アレルギーの有無などをうかがっています。また、個室希望のお客様には、チャージ料が発生することなどをご説明して、了承を得るようにしています」と店長の坂井優太氏。ヒアリングしたアレルギー情報や、チャージ料などについて説明済みであることは、台帳の備考欄に入力。後で坂井氏がチェックし、連絡漏れがないかを確認している。

　台帳用のタブレットは店舗入口に1台常備しており、電話予約の受付はもちろん、予約客の席の確認・案内にも活用。「弊社では、系列全店舗で『ぐるなび台帳』を導入しているので、ネットワーク上で情報を共有し、姉妹店の空席情報もリアルタイムで確認できます。もし当店が満席の場合は、空席のある近くの姉妹店へお客様をご案内するようにしています」と海老原氏。

　また、ぐるなび台帳では、日ごと、月ごとの来店客数や組数の変動をグラフで確認することも可能。今年の春から数カ月間の客数の推移を確認すると、ランチの客数が減少傾向だった。「これは、商業施設のオープン景気が落ち着いてフリーのお客様が減ったためだと推測しました。そこで、それまでフリーのお客様を取り込むためにお断りしていたランチの予約受付を開始しました。すると、アッパー層の常連の方から多くの予約が入るようになり、客数、客単価ともに上昇傾向に転じました」と、海老原氏は笑顔を見せる。今後は、ぐるなび台帳に蓄積した顧客情報を活用し、さらなるサービス向上につなげたいと考えている。