“ソーシャルディスタンス”に特化したプランで宴会客にアピール

東京・築地場外市場にある居酒屋「板前DINING 斬」では、「ソーシャルディスタンスコース」を用意。料理は全て個別に盛り、席の配置も十分に間隔を空けて、来店客同士が向かい合わないようにしている。

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板前DINING 斬

東京・築地 居酒屋

 東京・築地場外市場に位置する居酒屋「板前DINING 斬」は2009年にオープンし、昼は若い層の観光客、夜は周辺の企業で働く30代以上のビジネス層を中心に集客。地下という立地もあって予約客が多く、歓送迎会などの宴会に多数利用されてきた。

店長の高橋氏(左)とスタッフ。日頃から体調管理を徹底し、営業中はマスクの使用を義務付けている

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響が出始めた3月。築地を訪れる人が徐々に減り、来店客の約3割を占めていた外国人観光客もゼロに。そのため、緊急事態宣言発出後はランチとテイクアウトのみの営業に切り替えた。「酒類提供の時間制限もあり、ディナー営業を止め、そのほかに注力することにしました」と店長の高橋基氏。その後、5月末からはデリバリーも開始。現在は、「本鮪丼」(3246円)や「サーモン丼いくら添え」(1273円)など10品ほどを提供している。

「ソーシャルディスタンスコース」に含まれる人気の「ハマチのカマ塩焼き」。料理は全て個別に盛って提供する

 緊急事態宣言解除後はディナー営業を再開し、自粛期間中に考案した「ソーシャルディスタンスコース」(2時間飲み放題付き5000円)を、宴会プランとして新たに打ち出した。「大人数での食事は不安という方に少しでも安心していただけるよう、コース名もわかりやすくしました」と高橋氏。提供する8品は全て個別に盛り、席の配置も十分に間隔を空けて、来店客同士が向かい合わないようにしている。この安心感が後押しとなり、早速、送別会での利用があったという。「厳しい状況が続いていますが、お客様が来てくださることの喜びを改めて感じています。電気の付けっぱなしを止めたり、仕入れを見直したり、無駄をなくす機会にもなりました」と高橋氏は前向きだ。さらに、料理のボリュームを抑えた女性限定「ソーシャルディスタンスコース」の提供も開始。扉の開放、入店時のアルコール消毒、サーキュレーターの設置などの対策をしながら、ニーズに応える店づくりを進めていく。

板前DINING 斬
東京都中央区築地4-12-2 ライオンズマンション東銀座B1
https://r.gnavi.co.jp/ga6h800/