2020/09/23 特集

今から備える“おうち忘年会” テイクアウト、デリバリー、ECが大きな武器になる!

2020年末はコロナの影響で、飲食店のイートイン利用が減り、代わりに家飲みなど“おうち忘年会”が増えることが予想される。そこで、そのニーズをつかむテイクアウト、デリバリー、EC(ネット通販)の事例を紹介する。

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懐石料理を気楽に自宅で! 見た目も豪華な「馳走箱」が人気

蕎麦酒房と懐石料理 一献 庵(愛知・豊田)

店の強みと特徴を生かしたテイクアウト販売が好調

 2019年にリニューアルオープンした、愛知・豊田の「蕎麦酒房と懐石料理一献庵」。「カジュアルに蕎麦や一品料理を楽しんでもらう居酒屋と、静かな個室で堪能してもらう懐石料理、両方が融合する店を目指しました」と話すのは、フレンチ出身で現在は蕎麦打ちもこなす、代表取締役の野村政史氏。客層の中心は40~50代で、土地柄、自動車関連企業のビジネス層から近隣のファミリーまで、幅広く親しまれている。

大将の一押し弁当 935円/ランチで人気の日替わり定食を弁当に。毎日メニューは異なるが、肉・魚・野菜の栄養バランスに配慮している。持ち帰りは夜もOK

 テイクアウトを始めたのは今年4月初旬。「コロナの影響で企業の宴会予約がほとんどなくなったので、すぐに動きました」と野村氏。4月中旬にはランチの日替わり定食を弁当にした「大将の一押し弁当」(935円)を販売。家族の夕食用や、宴会などで利用してくれていた企業からの予約が、電話やSNSを通じて入ってくるという。続けて、家飲みやパーティー需要を取り込もうと、「オードブル」(2~3人前2200円~)もスタート。「『洋食の肉料理をメインにボリューム重視』や『魚中心でヘルシーに」など、料理へのさまざまなリクエストに全て応えています」と野村氏は話す。

「オードブル」は使用する食材やメニューはもちろん、調理方法などもできる限り注文した人のリクエストに対応している
  • 揚げた蕎麦生地をさらに焼き上げ、パリパリの食感にした「蕎麦ピザ」(550円)など、一品料理のテイクアウトも豊富
  • 弁当・オードブルのほか、丼物や揚げ物など多彩なメニューがテイクアウト可能。店内ではチラシでアピールしている

 さらに、4月後半には自慢の懐石料理を折箱に入れた「馳走箱」(2人前3300円~)も開始。旬の食材を使った約20品が詰め込まれ、メニューは月替り。8月は伊勢エビ酒蒸し、アユの風干し焼き、アワビバター焼きのほか、愛知県産鴨のロースや南瓜蕎麦揚げなど、店の特色を生かした料理が見た目も鮮やかに盛り込まれる。「懐石料理を自宅で気軽に楽しんでいただき、店の味を知ってもらうという狙いもありました」(野村氏)。その狙いが当たり、日常使いの居酒屋として店を利用していた常連が、記念日用に注文したり、友人・親族のお祝いのプレゼントとして購入することが多いという。また、来店時にお土産として持ち帰る人もいて、売上アップにつながっている。

馳走箱 2人前3,300円~(写真は4,950円)/旬の食材を使った月替りの懐石料理を約20品詰め込み、見た目も豪華。記念日用の食事に購入する人が多く、冷蔵で3日間保存できる(販売時は二段重ねの折箱で提供)

 「一献庵」ではコロナ以前、月1回のペースで「日本酒友の会」と題した店内イベントも開催していたため、リピーターの中には日本酒ファンも多い。そこで現在、「馳走箱」に合う季節の日本酒セット(1合×3本セット1980円)を、ペアリングで提案。客単価アップに一役買っている。

日本酒1合瓶× 3種をセットで販売。日本酒通の野村氏が自ら酒蔵を訪ね、厳選して仕入れた酒を「馳走箱」にペアリングして提案している
季節に合わせて販促用のチラシを作成。今夏に販売した「夏の馳走箱+生蕎麦セット」(5,830円)は常連に人気

 「年末には、蕎麦屋ならではの出汁を使った鴨鍋や、アッパー層をターゲットにしたフグ鍋など、鍋セットのテイクアウトを考えています」と野村氏。さらに、「馳走箱」も年末年始バージョンを検討している。現在、テイクアウトの売上は全体の約20%。今後は自社サイトを立ち上げ、電話や個人のSNSで受け付けていた注文をオンラインで予約できるようにすると共に、情報発信を強化していく考えだ。

蕎麦酒房と懐石料理 一献 庵(愛知・豊田)
愛知県豊田市桜町1-63 シングルプレイス1F
https://r.gnavi.co.jp/n889402/
豊田市駅から徒歩5分。入口付近には気楽に食事が楽しめる居酒屋スペースが広がり、店内奥には接待などに使える落ち着いた雰囲気の個室がある。用途に合わせた使い分けができると好評。
代表取締役 野村 政史 氏
名古屋のフランス料理店でフレンチのシェフとして修業を開始。その後、両親が経営する飲食店に入り、和食の道へ。経験を生かして洋食のリクエストにも柔軟に対応する。

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