外国人観光客に「体験」させる接客が大好評

お好み焼き店の「つる次郎」では、英語でお好み焼きの焼き方の動画を制作。来店した外国人観光客に好評なだけでなく、その家族や友達の間で話題となり、口コミ的に店の認知が拡大した。

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インバウンド獲得対策の今─ vol.5

ぐるなび大学で外国人観光客の実情を把握。「体験」をキーワードにした接客が大好評

お好み焼きの焼き方を指南する「How to make Okonomiyaki」。2013年秋には、You Tubeにアップした

外国人の心をつかむ「体験」。焼き方の実演を動画で紹介!

都内最古の寺院として知られる浅草寺を中心に、土産物屋などの商店街が広がる東京・浅草は、和の情緒を求めて多くの外国人観光客が訪れる名所だ。その山門であり、ひときわ大きな提灯がトレードマークの雷門(風雷神門)近くに、2007年にオープンしたお好み焼き店「つる次郎」も、当初から外国語メニューを用意。外国人観光客に愛される店づくりを意識してきた。

しかし2011年、東日本大震災後の一時期、外国人観光客が激減。時間の経過とともに、徐々に客足が持ち直してきたタイミングで、店長の濱田圭二氏は「ぐるなび大学」(ぐるなびが加盟店向けに開催する、飲食店の経営・販促のノウハウを伝える講座)の「インバウンド(訪日外国人旅客)対策セミナー」に参加。あらためて外国人観光客の集客方法を練ろうと考えた。

「講座では、『VISIT JAPAN』(政府による外国人旅行者の訪日促進活動)の取り組みとともに、実際にどの程度、外国人観光客が増えているかが、具体的な数値でわかりました。インバウンド対策の必要性と重要性を感じると同時に、自分の認識が甘かった、と焦りました」と濱田氏。講座内で紹介された、他店による外国人客向けの料理体験イベントの実例も刺激となり、独自の取り組みへとつながっていく。「当店は、スタッフがお好み焼きを作って席に運ぶスタイルが基本ですが、外国人観光客は『自分が焼きたい』という方がほとんどです。ぐるなび大学で様々なヒントをつかむことができ、エンターテインメント性が求められているのもわかりました」(濱田氏)。

濱田氏はまず、英語・中国語の外国語メニューに、お好み焼き・もんじゃ焼きの焼き方の説明を追加。さらに自ら手本になるお好み焼きの作り方を実演して、スマートフォンで撮影。また、その動画に留学生のアルバイトスタッフの手を借りて英語のテロップを追加。「Howto make Okonomiyaki」の動画を完成させて、2013年の秋、YOU TUBEにアップした。

動画の効果として大きかったのは、単に焼き方の説明に留まらず、来店した外国人観光客が帰国した後も、その家族や友達の間で話題となり、口コミ的に店の認知が拡大していったことだ。その手応えから、メニューブックにはURLのほか、QRコードも掲載してアピール。中国語版のほか、もんじゃ焼きバージョンの作り方動画の作成にも力を入れるようになった。

販促ではぐるなびのほか、フェイスブックを利用。また、中国で浸透するSNS「微博(ウェイボー/Weibo)」も活用し、店や料理を紹介している。

「微博は、モバイルでエリア周辺にいるユーザーが店を確認することもできるうえ、写真を撮るのが好きな国民性も手伝い、帰国後の活発な情報交換につながっているようです」と濱田氏。今後も、再来店に備えて特典付きの英語版ショップカードの作成や、ぐるなび外国語版の活用など、様々な角度から外国人の集客を強化していく予定だ。

また、接客では、心のこもったサービスを意識している。「お客様のお手伝いで、一番喜ばれ、盛り上がるのがお好み焼きをひっくり返す場面です。おもてなしの気持ちを笑顔で表現できれば、たとえ言葉ができなくても『通じるんだ』と感じる瞬間です」(濱田氏)。2013年は訪日外国人旅客が初めて年間1000万人を突破。「つる次郎」も多いときには客の3~5割が外国人観光客だという。そういったこともあり濱田氏は、2014年を「飲食店の飛躍の年」と予想。「今後の目標は、日本にまた行きたいと思わせるようサービスの質を上げること」と、一層の進化を目指す。

メニューブックで、焼き方の動画を案内。QRコードも掲載してスムーズに誘導する
動画ができる前には、イラストと英文でお好み焼きの焼き方を案内をしていた
もんじゃ焼きの外国語メニュー。現在、動画の作成中だ
新規来店客に向け、店頭で外国語メニューの存在をアピール
焼き方の動画は日本語バージョンも用意。QRコードからも案内
「つる次郎」のショップカード。英語版の作成も予定している
お好み焼き・もんじゃ焼き・鉄板焼 つる次郎(東京・浅草)
東京都台東区浅草1-20-8
http://r.gnavi.co.jp/b891800/
地下鉄浅草駅から徒歩3分の好立地。モダンな店内は、人気のカウンター席のほか、テーブル席や掘りごたつ席があり、「晴れ着を着ていても入れる清潔感」を意識。来店客のほとんどが観光客で、特にシニア層の女性が多い。
つる次郎 店長 濱田 圭二 氏
宮城県仙台市出身。都内屈指の観光地・浅草における飲食店の役割を「単に食事を提供するだけでなく、楽しませること」と考え、サービスにも工夫を重ね、細やかな視点で店舗を運営する。

インバウンドとは?
「海外から日本へやってくる外国人旅客」のこと。国土交通省を中心に展開される「ビジット・ジャパン」事業(2003年~)などにより、2012年には約836万人もの外国人が訪日。また、2013年は1,000万人を突破。今後も増加が予想されるインバウンドの集客対策は、飲食店にとって重要な課題のひとつだ。

訪日外国人旅行者数 年間1,000万人達成! ぐるなび大学でインバウンド対策セミナー好評開催中!

近年、増加の一途をたどる訪日外国人観光客。日本政府観光局(JNTO)によると、2013年は12月20日に訪日外国人観光客1,000万人を達成。成田空港で記念セレモニーが行われた。

今後もさらなる増加が期待される中、ぐるなび大学ではインバウンドの集客対策として、「インバウンド対策セミナー」を開催。インバウンドの現状、集客するためのポイントや「おもてなし」をするうえでの注意点を伝えるとともに、実際に外国人観光客が来店したときの対応について、VTRを見るなどして学ぶ内容になっている。

ぜひこのセミナーを活用し、集客に役立てていただきたい。

開催スケジュール

※時間は各会場とも午後を予定。詳細はWebもしくは電話でお問い合わせを。
※参加対象はぐるなび加盟の飲食店様となります。
※4月以降のスケジュールは別途お問い合わせください

大阪・梅田の「ぐるなび情報ラウンジ」が「JNTO認定外国人観光案内所」に認定!

2013年12月17日、ユーザーの希望に沿った飲食店を紹介するコンシェルジュ常駐の「ぐるなび情報ラウンジ」が、日本政府観光局(JNTO)により「JNTO認定外国人観光案内所」に認定された。

「ぐるなび情報ラウンジ」は、大阪駅直結の商業施設「グランフロント大阪」内のうめきた広場に2013年4月26日にオープン。コンシェルジュによる飲食店の紹介のほか、大阪の飲食店やシェフと連携して、飲食関連のイベントやフェアなど“今日の情報”を発信。ぐるなびならでのお得な情報を入手できる場として機能してきた。そしてこのたび、日本政府観光局(JNTO)が訪日外国人観光客の受け入れ環境整備の一環として運用している、外国人観光案内所の認定制度に基づいた審査の結果、「JNTO認定外国人観光案内所」として認定。公平・中立な案内を行う「JNTO認定外国人観光案内所」として、観光案内専任のスタッフが常駐し、大阪を訪れる外国人観光客へ関西圏の観光案内や地図・ガイドブックの提供も行っていく。また、飲食店情報についても、要望(業態、予算、人数等)に合わせて複数店舗を同時に紹介し、自ら選択してもらうサービスを提供する。

ぐるなびでは今後、外国語対応スタッフの増員、配布資料の充実、日・英・中・韓の言語に対応したデジタルサイネージによる情報提供など、「ぐるなび情報ラウンジ」でのサービスをより充実させるとともに、ぐるなび外国版やWebサイト「Japan Trend Ranking」の運営などを通じて、日本が目指す観光立国の実現に貢献する取り組みを続けていく。

ぐるなびによる訪日促進サイトJapan Trend Ranking

「行ってみたい日本、もう一度行きたい日本へ」をコンセプトに、ぐるなびが2013年4月25日に開設した、日本の今の魅力を伝えるWebサイト。

全国50万件の飲食店情報と、全市区町村の生産者とのネットワーク、約2万人のシェフのコミュニティを有するぐるなび独自の“本物の情報”を駆使し、海外や外国人に対して正しい日本食や食文化を発信。それを理解してもらうことにより、結果として日本の外食文化の健全な発展、そして海外における“日本のファン”作りを狙い、訪日外国人観光客の拡大を目指していく。

■会員(登録無料)になることで様々なキャンペーンへの参加が可能。サイトの随所に「ぐるなび外国語版」への誘導口を設け、店舗ページの閲覧を促進。
■日本の伝統料理やご当地グルメのほか、名所旧跡、温泉、文化・芸能や、ショッピング、四季のイベントなど、日本全国の最新トレンドをランキング形式で紹介。

ご存知ですか?増加するインバウンド対策には詳細情報を発信可能な「ぐるなび外国語版」!

外国人客の来店を促進する販促と、外国人を受け入れる体制整備を両立する「ぐるなび外国語版」。店舗ページを英語、韓国語、中国語(簡体字、繁体字)に対応させ、店の売りや特徴をアピール。PC・スマートフォンにも対応する。また、受け入れ体制の整備として、店舗ページのメニュー情報をプリントアウトするだけで、簡単に外国人客用のメニューとして使用できるほか、接客に不可欠な会話を前述の4言語・字体でサポートする音声ペンや「指差し会話集」も手に入る。内容や加盟特典など、掲載についてのお問い合わせは、担当営業またはサポートセンターまで。

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※本記事の情報は記事作成時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報はご自身でご確認ください。

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