インバウンド獲得対策の今─ vol.13
日本の文化、楽しさを伝える店づくりと細やかな気配りで外国人リピーターを獲得!
英語版メニューの作成でオペレーションが軽減
日本第三の都市・名古屋の玄関口である名古屋駅から、電車で8分程の金山に2002年オープンしたお好み焼店「新萬丸亭」。「ここ数年、近隣のホテルの紹介などにより外国人客が増え、欧米からの個人旅行者、中国や韓国からのツアー客らが日常的に来店されます」と語るのは、新萬丸亭合同会社 代表取締役の黒柳武彦氏だ。金山はJRや名鉄、地下鉄が乗り入れる利便性の高いエリア。近年、開発が進み、ビジネス街・繁華街・住宅街など様々な顔を持ち、外国人客の集客チャンスも次第に高まっている。
店の自慢は、大阪仕込みの本場のお好み焼。薄力粉と中力粉を季節により配合を変えてブレンドし、外はサクサク、中はフワっとした食感に仕上げる。さらに、とん平焼やたこ焼など、テーブルの鉄板に運ばれるアツアツの“粉もの料理”や、野菜炒め、餃子といった豊富な“居酒屋メニュー”も外国人客を喜ばせている。「外国人用にフォークを用意していますが、お箸にチャレンジするお客様がほとんどですね」と黒柳氏。外国人客は鉄板で調理するシェフの姿、店頭に掲げたお好み焼とヘラの巨大オブジェにも興味津々。店全体を日本文化として捉え、日本らしい食事を求めて来店すると、黒柳氏は分析する。「うれしいのは観光やビジネスの長期滞在者や、近隣に住んでいる外国人のリピーターが多いこと。以前来店したアメリカ人の方が再来日の際、外国人の仲間を大勢連れて宴会をしてくれたこともありました」(黒柳氏)。
積極的に意思疎通を図る。ポケットにはいつも紙とペン
現在、英会話が得意なスタッフはいないが、積極的にコミュニケーションをとる姿勢を大切にしている。「例えば瓶ビールなら、数種の瓶を席まで運び、銘柄を選んでもらいます。意思疎通はジェスチャーで通じなければ、食材の絵を描いたりして説明するとわかってもらえますし、ウケることも多いです。ポケットには常に紙とペンを入れて持ち歩いています」(黒柳氏)。
販促面では、ぐるなび外国語版に加盟。5年前には、当時の学生アルバイトの協力で、英語のメニューブックを作成。指差しだけでオーダーを取ることも可能になり、オペレーションの軽減にもつながったという。「外国人のお客様は宗教的な理由で肉の種類が制限される方や、ベジタリアンも多いですが、メニューに食材や調理法を記したため安心感が生まれ、互いの理解の幅が広がりました」と黒柳氏は話す。
東海道新幹線の停車駅や、中部国際空港を有する名古屋は、観光拠点や国際会議の開催地の役割を担う都市の1つ。今後はさらに訪日外国人の増加とともに、競合も予想されるが、黒柳氏は、「楽しく、おいしく食べたいという飲食の目的は、日本人も外国人も同じはずです」と、さらにかゆいところに手の届く気配りに注力。来店した外国人客に「もう一度行きたいと思わせる店」の姿を追求していく。
愛知県名古屋市中区金山4-2-7
http://r.gnavi.co.jp/n169000/
インバウンドとは?
「海外から日本へやってくる外国人旅客」のこと。国土交通省を中心に展開される「ビジット・ジャパン」事業(2003年~)などにより、2013年には過去最高の1,036万4千人もの外国人が訪日(日本政府観光局[JNTO]発表)。これまで過去最高であった2010年の861万1千人を上回り、1964年の統計以来、初めて1,000万人を突破した。今後も増加が予想されるインバウンドの集客対策は、飲食店にとって重要な課題のひとつだ。
データでCHECK!
平成24年度の名古屋市の外国人年間宿泊実人数は48万2,571人(推計値)
Information
受講無料 ぐるなび大学でインバウンド対策セミナー好評開催中!
近年、増加の一途をたどる訪日外国人観光客(インバウンド)。2013年は過去最高の1,036万人となり、初めて年間1,000万人を突破した(日本政府観光局[JNTO]発表)。
今後もさらなる増加が期待される中、ぐるなび大学ではインバウンドの集客対策として、「インバウンド対策セミナー」を各地で開催中だ。インバウンドの現状、集客するためのポイントや「おもてなし」をする上での注意点を伝えるとともに、実際に外国人観光客が来店したときの対応について学べる内容になっている。ぜひこのセミナーを活用し、インバウンド受け入れ準備につなげていただきたい。
開催スケジュール
※参加無料。対象はぐるなび加盟の飲食店様となります。
※開催時間、場所等の詳細はWeb、もしくは電話でお問い合わせを。
- 問い合わせ先:ぐるなび大学事務局
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0120-41-9672
受付/平日10:00 ~18:00 - URL:http://daigaku.gnavi.co.jp
ぐるなびによる訪日促進サイトJapan Trend Ranking
「行ってみたい日本、もう一度行きたい日本へ」をコンセプトに、ぐるなびが2013年4月25日に開設した、日本の今の魅力を伝えるWebサイト。
全国50万件の飲食店情報と、全市区町村の生産者とのネットワーク、約2万人のシェフのコミュニティを有するぐるなび独自の“本物の情報”を駆使し、海外や外国人に対して正しい日本食や食文化を発信。それを理解してもらうことにより、結果として日本の外食文化の健全な発展、そして海外における“日本のファン”作りを狙い、訪日外国人観光客の拡大を目指していく。
■会員(登録無料)になることで様々なキャンペーンへの参加が可能。サイトの随所に「ぐるなび外国語版」への誘導口を設け、店舗ページの閲覧を促進。
■日本の伝統料理やご当地グルメのほか、名所旧跡、温泉、文化・芸能や、ショッピング、四季のイベントなど、日本全国の最新トレンドをランキング形式で紹介。
訪日外国人観光客のための「コンシェルジュサービス」も実施!インバウンド対策には詳細情報の発信が可能な「ぐるなび外国語版」!
インバウンド(訪日外国人観光客)の受け入れ環境整備は、飲食店の急務。ぐるなびでは、そのサポートの一環として「ぐるなび外国語版」を開設している。
トップページは英語、韓国語、中国語(簡体字、繁体字)、タイ語、マレー語、インドネシア語に対応し、店舗ページでは売りや特徴をアピール。また、店舗ページのメニュー情報をプリントアウトするだけで、簡単に外国人用のメニューとして使用できる。2013年には特集の掲載のほか、コンシェルジュサービス(日本語を話せない「ぐるなび外国語版」ユーザーのための予約専用ダイヤルおよび、メールでの問い合わせ専用フォーム)がスタートするなど、ユーザーの使い勝手も高まっている。
ぜひ「ぐるなび外国語版」の導入を検討してみてはいかがだろうか。内容や加盟特典に関する詳細は、担当営業またはサポートセンターまで。