インバウンド獲得対策の今─ vol.18
飲食店向け英会話講習を実施し、店内で共有。アレンジ可能な外国人向けコース料理も好評
年々増加傾向にある訪日外国人観光客(インバウンド)。ビジネス等で長期在日する外国人も対象に、言葉の違い、文化の違いを乗り越え、様々な工夫で集客を図る飲食店の取り組みをレポート。
今後は外国人メニュー作成に「ぐるなび外国語版」を活用!
広島市内の中心部に建つ「ひろしま国際ホテル」内に、1967年オープンした「瀬戸内料理 芸州」。瀬戸内海の新鮮な魚介をメインに提供し、約半世紀、広島を訪れる観光客や広島市民の舌を満足させてきた。
ホテル直営店ということで昔から外国人客は多く、特に十数年前からは、地元の自動車メーカーや商社の接待で、アメリカやインドネシア、韓国からのビジネスマンが目立つようになったという。「宗教上の理由で口にできない物や、外国人の多くが苦手な食材のほか、食べたい日本の料理があれば、お客様に合わせて臨機応変に対応してきました。その結果、接待する企業側から信頼を得て、接待の利用は年々伸びています」と話すのは、総支配人の藤田浩司氏。接待の場合は、ホストとなる企業側がきちんと外国人のゲストをアテンドすることに助けられ、店としてはテーブルに人数分の英語メニュー表を用意するという、最低限のことで対応できていた。しかし、ここ4~5年は外国人のフリー客が増加。その主流は、平和への強い関心を持つ欧米からの観光客で、これはほかの都道府県には見られない広島の大きな特徴だ。そこで問題となるのがスタッフの英語力。「同業者でも同じような問題を抱えており、加盟する『広島県料理業生活衛生同業組合』で、接客時の英会話講習会を行うようになりました。過去2回開講し、参加者は30~40名ほどです」と藤田氏。「朝礼のときにも、そこで習った簡単な接客英会話を繰り返しレッスンしています」と、継続して勉強する環境も整え、外国人への接客をスムーズに行えるよう意識している。
また、フリーの外国人客用には基本的な英語メニューも用意しているが、旬の魚の紹介などについては、翻訳サイトでチェックし、紙に書いてテーブルで説明することも。そんな現状において、藤田氏が期待しているのが、今年1月に大幅リニューアルされた「ぐるなび外国語版」だ(下部の囲み参照)。食材などを管理画面から入力すると、簡単に多言語に置き換えられる機能は、まさに待ち望んでいたもので、「新しい『ぐるなび外国語版』を活用し、すべての料理写真を掲載した英語のメニューブックを、作り直そうと考えているところです。順次、ほかの言語のメニューブックも充実させていきたいですね」と話す。
これまでも着物姿の仲居さんとの記念撮影が外国人客には喜ばれていたが、今後は、もっと歓迎の気持ちを表せるよう、ホテルや店舗入口に英語メニューの掲示をしたいと考えている。これからもスタッフ全員で、一層増加する外国人客に対応していく。
広島県広島市中区立町3-13 ひろしま国際ホテル2F
http://r.gnavi.co.jp/y000502/
インバウンドとは?
「海外から日本へやってくる外国人旅客」のこと。国土交通省を中心に展開される「ビジット・ジャパン」事業(2003年~)などにより、2013年には1964年の統計以来、初めて1,000万人を突破。そして2014年には1,341万人に達した。政府が掲げる2020年の2,000万人実現に向け、今後も増加が予想されるインバウンドの集客は、飲食店にとって重要な課題のひとつだ。
データでCHECK!
2013年に広島を訪れた外国人はのべ約84万人。他県に比べて欧米人が多いのが特徴
2013年に広島県を訪れた外国人のべ84万3,458人(県内地区別集計のため重複あり)のうち、原爆ドームがある広島市、宮島がある廿日市市(はつかいちし)の両市には64万9,322人が訪れている(構成比約76.9%)。全体的に、他の都道府県に比べて、欧米からの訪日が多いというのが特徴だ。
Information
好評開催中!ぐるなび大学「インバウンド対策セミナー」
ぐるなび大学ではインバウンドの集客対策として、「インバウンド対策セミナー」を全国各地で定期的に開催。インバウンドの現状、集客するためのポイントや「おもてなし」をする上での注意点を伝えるとともに、実際に外国人観光客が来店したときの対応について学ぶ内容になっている。ぜひこのセミナーを活用し、インバウンド受け入れ準備につなげていただきたい。
開催スケジュール
※参加無料。対象はぐるなび加盟の飲食店様となります。
※時間は各エリアとも午後を予定。詳細はWebもしくは電話でお問い合わせを。
大阪では3月5日に「インバウンド祭り」も開催!
3月5日(木)には大阪(梅田)にて、特別講演、座談会、簡単英会話レッスンをまとめた「インバウンド祭り」を開催! 特別講演では「訪日観光の最新動向と食~広がる『食』に対する訪日ニーズを把握する~」をテーマに、株式会社やまとごころ代表取締役の村山慶輔氏が講演。続く座談会ではぐるなびのデータから見る“インバウンドの今”を、そして簡単英会話レッスンでは英語がまったくできない人のための超・簡単英会話を紹介予定。参加無料なので興味のある方はぜひ気軽にご来場ください。
- 問い合わせ先:ぐるなび大学事務局
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0120-41-9672
受付/平日10:00 ~18:00 - URL:http://daigaku.gnavi.co.jp
Topics
2014年の訪日外国人数は過去最高の1,341万4000人!
2014年の訪日外国人数(年間推計値/日本政府観光局〈JNTO〉発表)は、これまでの過去最高であった2013年の1,036万4千人を300万人余り上回り、約29.4%増の1,341万4000人となった。要因としては、ビザの大幅緩和のほか、アジア地域の経済成長に伴う海外旅行需要の拡大、円安による訪日旅行の割安感の浸透、観光庁やJNTOによる継続的な訪日プロモーションの効果などがあげられる。政府による目標である2020年2,000万人達成に向けて、来年以降のさらなる伸びが期待される。
食材や調味料、調理方法など、正確で詳細なメニュー情報をリアルタイムに発信!
「ぐるなび外国語版」2015年1月19日大幅リニューアル!
インバウンド(訪日外国人)の受け入れ環境整備は、飲食店の急務。ぐるなびではそのサポートの一環として「ぐるなび外国語版」を解説しており、2015年1月19日には大幅リニューアルを実施した。
デザインを一新し、詳細な絞り込み検索など検索機能が向上。「食体験イベント」や多彩な特集テーマの掲載により、外国人ユーザーのニーズに応じた店舗ページへのアクセス導線を確保している。また、外国人向けレストランコンシェルジュ機能が拡充されたほか、Webフォームから「席のみ予約」も可能に。
トップページは従来同様、英語、韓国語、中国語〈繁体字・簡体字〉、タイ語、マレー語、インドネシア語に対応。ぜひ新しくなった「ぐるなび外国語版」の導入を検討してみてはいかがだろうか。内容の詳細は担当営業またはサポートセンターまでお問い合わせを。
ぐるなびによる訪日促進サイトJapan Trend Ranking
「行ってみたい日本、もう一度行きたい日本へ」をコンセプトに、ぐるなびが2013年4月25日に開設した、日本の今の魅力を伝えるWebサイト。
全国50万件の飲食店情報と、全市区町村の生産者とのネットワーク、約2万人のシェフのコミュニティを有するぐるなび独自の“本物の情報”を駆使し、海外や外国人に対して正しい日本食や食文化を発信。それを理解してもらうことにより、結果として日本の外食文化の健全な発展、そして海外における“日本のファン”作りを狙い、訪日外国人観光客の拡大を目指していく。
■会員(登録無料)になることで様々なキャンペーンへの参加が可能。サイトの随所に「ぐるなび外国語版」への誘導口を設け、店舗ページの閲覧を促進。
■日本の伝統料理やご当地グルメのほか、名所旧跡、温泉、文化・芸能や、ショッピング、四季のイベントなど、日本全国の最新トレンドをランキング形式で紹介。