インバウンド獲得対策の今─ vol.21
コミュニケーションを重視した接客が好評。手作りのおみやげ品でも店を印象付ける
年々増加傾向にある訪日外国人観光客(インバウンド)。ビジネス等で長期在日する外国人も対象に、言葉の違い、文化の違いを乗り越え、様々な工夫で集客を図る飲食店の取り組みをレポート。
個々の要望に応える接客で外国人客のリピーターが増加
外資系企業や大使館が多く集まり、東京の夜を代表する繁華街でもある六本木は、街を歩く外国人の姿が多いのも特徴だ。2014年に30周年を迎えた「しゃぶ禅 六本木店」も、外国人観光客のほか、日本人がビジネスで来日した外国人をもてなす接待の利用が多い店。創業当時からのしゃぶしゃぶ・すきやきの食べ放題(現在は5400円~)や、松茸・ハモなどを使った目にも美しい季節のコースが外国人に喜ばれてきた。
もともと外国人の来店は多かったが、6年ほど前から意識的に外国人観光客の集客を強化。旅行会社との提携やホテルからの送客に加え、口コミでの評判などで集客数が伸び、現在では全体の約6割が外国人で、ほぼすべてのテーブルに1人は外国人がいる状況だという。「来日前に食べたい料理を決めてから来店されるケースが多いですね。自社ホームページへのアクセス数の約20%は海外からのものです」と、店長の田尻愼二氏は話す。
年々増える外国人客への応対としては、以前より英語版グランドメニューを使用。ぐるなびの店舗ページ内のほか、自社ホームページにも英語版メニューページへのリンクを目立つ位置に配置するなど工夫している。また、飲み放題やデザートメニューも六本木店独自に翻訳して活用している。
アルバイトスタッフの採用基準は「流暢に英語で会話ができる帰国子女」「留学経験1年以上」など、英会話の実力と経験を重視。「欧米からのお客様は特に、食べ放題よりも各自が食べたいものを単品でオーダーする傾向にあり、自らの意志がハッキリしています。『特選神戸ビーフ』(1皿1万260円)は特に人気ですね。そのほか、宗教上の理由で『自分専用に鍋を分けてほしい』といったリクエストも多いです。それぞれのお客様が望むスタイルに最大限応えたいですね」と田尻氏。円滑なコミュニケーションのために、一定以上の英語力の必要性を感じている。
外国人客と店をつなぐコミュニケーションのきっかけとして、着物の女性スタッフが接客することや、「日本の四季」の演出が好評を得ている。エントランスに近いショーウインドウには、季節に応じてひな人形や五月人形を飾ったり、店内では七夕の短冊や正月の餅花といった装飾を施して、四季折々の風物を紹介。また、帰り際に手渡しする折り紙や箸などのおみやげも店の印象付けに一役買っている。
「食事はエンターテインメント。『おいしかった』以上に、『楽しかった』と言われる方がうれしいですね」と田尻氏。今後も外国人・日本人、双方に居心地のよい店づくりを考えていく。
東京都港区六本木3-16-33 青葉六本木ビルB1
http://r.gnavi.co.jp/g050000/
インバウンドとは?
「海外から日本へやってくる外国人旅客」のこと。国土交通省を中心に展開される「ビジット・ジャパン」事業(2003年~)などにより、2013年には1964年の統計以来、初めて1,000万人を突破。そして2014年には1,341万人に達した。政府が掲げる2020年の2,000万人実現に向け、今後も増加が予想されるインバウンドの集客は、飲食店にとって重要な課題のひとつだ。
Information
受講無料 ぐるなび大学にてセミナー好評開催中!「インバウンド対策&外国語版メニュー更新」
ぐるなび大学では、外国人観光客の受け入れ準備のための講座として、「インバウンド対策セミナー&外国語版メニュー登録・更新会」を全国各地で開催。第一部の「インバウンド対策セミナー」は、訪日外国人の状況、ぐるなび外国語版の活用方法のほか、「外国人を集客するために何が必要か?」「来店時に戸惑わないための準備とは?」といった基本を学べる内容。また、第二部の「外国語版メニュー登録・更新会」では、実際に店舗IDでログインし、インストラクターの案内のもと、その場でぐるなび外国語版のメニュー登録ができる内容になっている。
ぐるなび外国語版では、日本語入力で4言語でのメニュー表示が可能になっている(下の囲み参照)。ぜひこのセミナーを活用し、今後のインバウンド受け入れ準備につなげていただきたい。
開催スケジュール
※参加無料。対象はぐるなび加盟の飲食店様となります。
※詳細はWebもしくは電話でお問い合わせを。
- 問い合わせ先:ぐるなび大学事務局
-
0120-41-9672
受付/平日10:00 ~18:00 - URL:http://daigaku.gnavi.co.jp
多言語で情報発信可能に!「ぐるなび外国語版」の「メニュー情報一元変換システム」で外国人客へアピール!
インバウンド(訪日外国人)の受け入れ環境整備の一環として、ぐるなびが開設している「ぐるなび外国語版」では、4月1日より多言語変換機能である「メニュー情報一元変換システム」を付与。食材・調味料・調理法までを、オリジナルに開発した「メニュー辞書」によって、「ぐるなびPRO for 飲食店」の管理画面から日本語を選択するだけで多言語(現在は英語、韓国語、中国語の繁体字・簡体字の4言語)に変換できるようになった。
飲食店が、正確に詳細なメニュー情報を多言語化して発信することにより、外国人にとっては飲食店選択の幅が大きく広がり、飲食店にとっては新たな集客の柱として、年々増加する訪日外国人の取り込みにつながることが期待される。また、メニューページをプリントアウトすれば、そのまま店で「外国語のメニューブック」として使えるほか、タブレットがあれば来店客の目の前で操作してすぐ見せることもできる。
ぜひ「ぐるなび外国語版」の「メニュー情報一元変換システム」を、外国人へのアピールおよび受け入れに活かしていただきたい。
内容の詳細は担当営業またはサポートセンターまでお問い合わせを。
ぐるなびPRO for 飲食店 URL
http://pro.gnavi.co.jp
ぐるなび外国語版 URL
https://gurunavi.com
ぐるなびによる訪日促進サイトJapan Trend Ranking
「行ってみたい日本、もう一度行きたい日本へ」をコンセプトに、ぐるなびが2013年4月25日に開設した、日本の今の魅力を伝えるWebサイト。
全国50万件の飲食店情報と、全市区町村の生産者とのネットワーク、約2万人のシェフのコミュニティを有するぐるなび独自の“本物の情報”を駆使し、海外や外国人に対して正しい日本食や食文化を発信。それを理解してもらうことにより、結果として日本の外食文化の健全な発展、そして海外における“日本のファン”作りを狙い、訪日外国人観光客の拡大を目指していく。
■会員(登録無料)になることで様々なキャンペーンへの参加が可能。サイトの随所に「ぐるなび外国語版」への誘導口を設け、店舗ページの閲覧を促進。
■日本の伝統料理やご当地グルメのほか、名所旧跡、温泉、文化・芸能や、ショッピング、四季のイベントなど、日本全国の最新トレンドをランキング形式で紹介。